ドライバーの調子がよくても、グリーンを外した途端に寄らず3パットのダボ…。これではスコアになりません。実は統計的にもスコアの65%が「40Y以内のショット」なのです。つまり、グリーン周りからそつなく寄せることができれば、ベストスコアは簡単に出るということ。欧州ツアーで転がしのアプローチテクを磨いた佐藤信人プロに聞きました。
画像: 【解説】佐藤信人プロ ゴルフネットワークで米PGAツアーの解説をするなど、世界のツアーに精通。週刊GDでも「うの目、たかの目、さとうの目」連載中。ツアー通算9勝。

【解説】佐藤信人プロ
ゴルフネットワークで米PGAツアーの解説をするなど、世界のツアーに精通。週刊GDでも「うの目、たかの目、さとうの目」連載中。ツアー通算9勝。

ボールの横で右手を振ると、手前から転がすイメージが出る

真剣なまなざしで右手でボールを放り投げる仕草を繰り返す佐藤信人プロ。
── いったい何をしているのですか?

佐藤 アプローチでどう寄せようか迷うときは、右手を振ってみるといいんです。手でボールを投げて寄せるのを想像するんですね。そうすると、バンカー越えや、砲台グリーンでない限り、誰でも自然に目線を低くして、転がすイメージで右手を振るはずです。

画像: 手でボールを投げて、カップに近づけようとすれば、誰でも自然に「転がし」を選ぶ。上に高く放り投げるほど、距離を合わせづらいと感じるはず

手でボールを投げて、カップに近づけようとすれば、誰でも自然に「転がし」を選ぶ。上に高く放り投げるほど、距離を合わせづらいと感じるはず

画像1: ボールの横で右手を振ると、手前から転がすイメージが出る

── 投げる仕草でイメージすると、寄せの基本が「転がし」だと、改めて気づくということですね。

佐藤 手を振るのは、カップを見ながら。落としどころや、そこからの転がるスピードもイメージできますよ。

【その①】目標を見ながら右手を振る

佐藤 アプローチで右手の感覚を生かして打つには、まず、落としどころや転がるスピードをイメージしながら右手を振ります。

画像2: ボールの横で右手を振ると、手前から転がすイメージが出る

【その②】さらにクラブを右手に持ち素振り

佐藤 次に右手にクラブを持ち、目標を見ながら素振りをします。手だけの時と、同じ弾道をイメージして、同じ感覚で振ることを心がけましょう。

画像: 右手一本でクラブを持つ

右手一本でクラブを持つ

【その③】素振りの右手の感覚のまま打つ

佐藤 最後に、両手でクラブを持ち、やはり目標を見ながら素振りをして、右手の感覚を確認し、そのままのイメージを保って打ってください。

画像: その②の感覚を忘れないで、両手で目標を見つつ素振り、そして打つ

その②の感覚を忘れないで、両手で目標を見つつ素振り、そして打つ

画像: 転がしといっても、パットのようなストロークは、「飛ばない」と感じるので、無意識にグリップ圧が強くなってしまう

転がしといっても、パットのようなストロークは、「飛ばない」と感じるので、無意識にグリップ圧が強くなってしまう

6番アイアンで基準を作る「8時~4時」のショルダーストロークが40ヤードだ

転がしは右手のイメージ。とはいえ「闇雲に打てばいいってわけじゃない」と佐藤プロ。

佐藤 転がしは何番でどのくらいの振り幅で打てば、このくらいの距離を転がるという基準が大切です。僕は6番アイアンで、ヘッドを8時~4時の振り幅で、40ヤード転がすのを基準にしています。

右手のひらとフェース面を一緒に動かそう

画像: 転がしで6番を選ぶ理由。①振り幅が小さくて済む②スピンがかからない③インパクトが安定し距離感に集中できる

転がしで6番を選ぶ理由。①振り幅が小さくて済む②スピンがかからない③インパクトが安定し距離感に集中できる

── 基準を作るといいというわけですね。でも、なぜ6番アイアンで40ヤードなのですか?

佐藤 これ以上の距離は、手前の芝のバウンドなども考えて転がせないので、40ヤードを上限と考えています。また、ロフトがなぜ6番かというと、ロフトが立っている方が、小さいストロークで打てるのでミスも減るからです。

── 5番でもいい?

佐藤 5番以上だとロフトが立ちすぎていて、距離のコントロールが難しくなります。なので6番がいちばんいいという結論になりました。

手先を使わず肩だけで振る

画像1: 6番アイアンで基準を作る「8時~4時」のショルダーストロークが40ヤードだ

佐藤 トップで右肩、フォローで左肩を上げるようにスウィングします。そうすれば右手がスムーズに振れるようになります。手先でこねないよう注意しましょう。

右手のひらは目標に向けたまま

画像2: 6番アイアンで基準を作る「8時~4時」のショルダーストロークが40ヤードだ

佐藤 右手の感覚を生かすには、スウィング中に右手のひらはずっと目標を向けたまま、まっすぐ振ることが大切です。

肩と一緒に顔も回すとスムーズに動かせる

画像3: 6番アイアンで基準を作る「8時~4時」のショルダーストロークが40ヤードだ

佐藤 ダウンスウィング以降で肩と一緒に顔を左に向けると、スムーズにフォローが出せるようになります。

これが転がしのアドレス!

画像: これが転がしのアドレス!

①体重は5対5、ボールは真ん中

②少しハンドアップで近めに立つ

③つま先体重

④右手のひらを目標に向ける

画像: 右手のひらは目標に向け、オープンスタンスで立つ

右手のひらは目標に向け、オープンスタンスで立つ

佐藤 基本はロフト通りに構えてください。両足を揃え、ボールは真ん中で体重配分は5対5。ソールはすべて地面につけ、その分短く持って、ハンドアップになるためボールに近づいて立ちましょう。最もやさしい寄せ方が転がしです。これを機にランニングアプローチで寄せワンを拾ってください。

月刊GD2019年1月号より

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