世界ドラコンで10位にも入った実績をもつ日本のドラコンキング、南出仁寛プロだが、実は「飛距離に筋力はさほど関係ない」と話す。大切なのは無理をせず、楽に体を使うということだという。その秘訣を聞いた。

【解説/南出仁寛プロ】
みなみできみひろ。1978年大阪府生まれ。2014年レッスン・オブ・ザ・イヤー。ドラコンのトッププロとして数々の大会で活躍。432ヤードの日本記録を持つ

体を止めるという無理な動きはしない

「テークバックでパワーを逃さないように、右腰や右ひざが動かないように固定したり、ダウンで上下半身の捻転差を無理に作ったり、腕を体に引きつけてタメを作ろうとする人がいますが、体を痛めるだけで飛距離にはつながりません(笑)」(南出)

「大切なのは、いかに楽に体を回して脱力しながらヘッドを速く振るかということ。テークバックでは難しいことは考えず体全体を回します。クラブの動く量が多くなるのでパワーが出せるんです」

「そして、ダウンでは体全体の力をボールにぶつけるために、椅子に座るように踏み込みます。そのとき腕は脱力したままです。座るだけでヘッドが勝手にビュッと加速するので、試してみてください」

画像: 本当に座るつもりでダウンスウィング

本当に座るつもりでダウンスウィング

パワーを生む体の動かし方、3つのポイント

【ポイント①】座る感覚で地面に踏み込むとヘッドが加速する
ダウンで地面を踏み込んでパワーを爆発させるために、椅子に座る感覚で両足を踏み込む。左足だけで踏み込まない理由は、遠心力などが影響して振り遅れる可能性があるためだという。

画像1: パワーを生む体の動かし方、3つのポイント
画像: 脱力してベンチに座るつもりで切り返し。「これぐらい沈み込んでも、ヘッドは上にあるのでダフりにはなりません」

脱力してベンチに座るつもりで切り返し。「これぐらい沈み込んでも、ヘッドは上にあるのでダフりにはなりません」

画像: 意図的にタメを作ると絶対に振り遅れる

意図的にタメを作ると絶対に振り遅れる

【ポイント②】テークバックは回し放題でいい
右腰や右ひざを止めて上半身をねじると、トップが小さくなりクラブの運動量が減って飛距離が出せない。体全体を回して大きく気持ちよく振り上げるとクラブがたくさん動くため、飛距離アップにつながる。

画像2: パワーを生む体の動かし方、3つのポイント
画像: (左)腰を止めるとクラブの動きが小さくなる(右)腕だけで上げると体全体の力を使えない

(左)腰を止めるとクラブの動きが小さくなる(右)腕だけで上げると体全体の力を使えない

【ポイント③】ド真ん中のボールを打つイメージが振り遅れないコツ
回転運動によって遠心力が発生するため、振り遅れなどのミスが出やすい。パワーを逃さずボールに伝えるためには、体の正面に仮想ボールをイメージし、実際のボールの手前でインパクトする意識を持とう。

画像3: パワーを生む体の動かし方、3つのポイント
画像: 振り遅れずにヘッドが走る。「切り返しでベンチに座りましょう」

振り遅れずにヘッドが走る。「切り返しでベンチに座りましょう」

週刊GD2019年1月8・15日号より

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