【解説/池田勇太プロ】
アマ時代から多くのタイトルを獲得し、2007年のプロ入り後も着々と勝ち星を積み重ね、2016年には賞金王になった。リオ五輪出場や選手会長を務めるなど、ゴルフ界の中心で活躍している。2018年トータルドライビング1位 平均飛距離5位(296Y) フェアウェイキープ率23位(59%)
手元はゆっくりなのにヘッドがビュン! ってイメージなんだよ by池田
池田 飛ばすためには、いかにインパクトのヘッドスピードを上げるかが勝負でしょ? そのためにはシャフトをしならせることが大事なんだ。
── 具体的にどうすればシャフトがしなるの?
池田 インパクトで“逆しなり”させるのがスピードを出すコツなんだけど、そのためには手を速く振ったんじゃダメなんだよね。むしろ手はインパクト直前に一瞬止めるくらいのイメージ。クラブのテストで使うスウィングロボットって見たことある?
池田 これはアームはゆっくりなのにヘッドがビュン! って走るんだよね。こういうスピードの出し方が理想。アマチュアの人は飛ばそうとして手を速く振るでしょ? それだと逆に飛ばないよ。
スウィングロボットのようにヘッドが走るSwing
【飛ばしPoint ①】手をインパクトで一瞬止めるイメージ
インパクトで手が前に出てしまうとシャフトのしなりを生かせない。手はインパクトで一瞬止めるくらいのイメージを持つ。
【飛ばしPoint ②】シャフトを“逆しなり”させる
インパクトで手を止めるようにすると、シャフトが“逆しなり”してヘッドスピードがビュンと上がる。手を前に出すとしならない。
【飛ばしPoint ③】高いトップから落下速度を利用してスピードアップ
手の位置が高いトップから、切り返しで右わきが閉まってクラブがプレーンに乗ってくる。落下速度が使えるからスピードアップにつながる。
「ヒールアップとヒールダウン」このパワーを生かさなきゃ!
池田 プロでも韓国の選手みたいにベタ足で下半身をあまり動かさないで打つ人もいるけど、僕の場合は下が止まると上も止まっちゃうんだよね。だから下半身はアクティブに動かしながら、全身を使って打つ感じだよ
── どう動かすといいの?
池田 まずヒールアップすることで右脚の内側にしっかり体重を乗せられる。そして上がっているかかとを下ろすときにグッと重心が下がってパワーがたまる。それから腰を切っていくとそのパワーがボールに伝わるって感じかな。体が硬くてトップが浅くなる人なんかは、ヒールアップしたほうがいいよね。上半身がしっかり回るよ。
下半身でパワーを出す6つのコツ
①バックスウィングは右足の内側で踏ん張る
右ひざが外に流れると軸がブレるしパワーがたまらない。ヒールアップすれば右にしっかり体重が乗るし右脚内側で踏ん張れる。
②腰が回転してから腕がついていくイメージ
右脚内側に乗りながら体を回していき、腕はそれについていくイメージ。腕を先に上げると体が回りにくくなってしまう。
③左足がヒールダウンしたら右ひざはボールに向ける
ヒールダウンしてダウンスウィングが始まり、そのときに右ひざがボールを向くようにグッと内側に入っていく。
➃体のセンターで腰を回転、頭はトップの位置
右足にも体重を残したまま左腰を切っていくと、スウェイしたり腰が引けたりしない。構えたときの位置に戻って腰を回わすようにするといい。そして、インパクトまで頭は動かさずにトップの位置で残すようにすると、ヘッドに遠心力がかかってスピードが出る。頭が突っ込むとヘッドスピードは出ない。
⑤前傾を保ったままボールを斜めに見送る
インパクト後に両目でボールを追いかけてしまうとダメ。頭の位置は変えずにボールを斜めに見送ると前傾をキープできる。
EDIT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara
取材トーナメント/ダンロップフェニックス、カシオワールドオープン
後編はコチラ↓
月刊GD2019年3月号より