数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はダンロップスポーツの「ゼクシオクロスイアン」です。
画像: 【ゼクシオ クロス アイアン ダンロップ】7Iで180ヤード飛ぶ。HS40m/sの人が振りやすいクラブ慣性モーメント

7Iのロフトが25度! キャリーで180ヤード

7Iでロフト25度。「ゼクシオテン」よりも4度ストロングロフト仕様とかなり立っています。通常ですとボールが上がらなくなるのですが、「ゼクシオクロス」は深くて低い重心設計のおかげで、5Iでも球はしっかりボールが上がっていきます。(堀越)

画像: ソールは幅広く、バウンスは小さめ。「払い打ちタイプ」に合うヘッド形状

ソールは幅広く、バウンスは小さめ。「払い打ちタイプ」に合うヘッド形状

見た目はアイアンというより、UTに近い印象で、構えた時にいかにもやさしそうな安心感があります。少しヘッドスピードを落として打ってみましたが、7Iで5I並みの飛距離が出ます。1WのHSが43m/sぐらいの人なら、7Iで180ヤード以上、40m/s前後でも軽く160ヤード以上は飛ばせるでしょう。

ヘッド下部、ソール寄りのトウ側が重く、慣性モーメントが大きいので、直進性が高くミスヒットにも強い。少しトウ側に打点をズラして打ってみても、当たり負けせずに真っすぐ飛んで、飛距離も落ちません。(堀越)

画像: チタンフェースとストロングロフトによる飛び性能。構えた見た目はUTに近い(5I・7I・9I)

チタンフェースとストロングロフトによる飛び性能。構えた見た目はUTに近い(5I・7I・9I)

ゼクシオ史上最薄というチタンフェースは軽やかな打感で弾きがよく、とても爽快感があります。また、標準のカーボンシャフトはしなりがしなやかで、タイミングが取りやすいです。

画像: 先端部を軽く、軟らかくした「ゼクシオ クロス」専用シャフト

先端部を軽く、軟らかくした「ゼクシオ クロス」専用シャフト

アイアンもUT感覚で払い打ちたい。とにかくアイアンをもっと飛ばしたいという人には、頼れる武器になるでしょう。(堀越)

1WでHS40m/sの人が、振りやすいクラブ慣性モーメント

(7Iを計測して)クラブ重さが非常に軽いですが、クラブの長さが非常に長いので、クラブ慣性モーメントは一般的なアイアンとほぼ同じ数値になり、1WのHSが40m/sくらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計です。(松尾)

ヘッドはフェース長が長くて、かつアドレスでソールが見えるくらいソール幅が非常に広いユーティリティ的な形状です。試打は7I、シャフトは標準カーボンのフレックスSですが、軟らかいので非力なゴルファーでも振りやすくなっています。フェース面は硬いのですが、そのぶんボールの弾きはいい感じです。

画像: 低重心、深重心で球が上がりミスに強い。フェース面上のSS位置はヘッド全体のほぼセンター

低重心、深重心で球が上がりミスに強い。フェース面上のSS位置はヘッド全体のほぼセンター

ラクに飛距離が稼げるので、8Iからのセットを考えてもいい

ロフト角がかなり立っているぶん、フェアウェイからボールが上がりにくいかもしれないので、8Iからのセットを考えてもいいかもしれません。バウンス角がない「スクープソール」なので、払い打ちの方に適しています。

画像: ラクに飛距離が稼げるので、8Iからのセットを考えてもいい

【総合評価】 飛距離性能 2/つかまり 4/上がりやすさ 3.5/ミス許容 4/操作性 3 ※5点満点

ゼクシオ クロス
ヘッド/SUS630ステンレス(ボディ)、チタン(フェース)
ロフト角/25度(7I)
ライ角/62.5度(7I)
長さ/37.75㌅(7I・ゼクシオ MH1000)
シャフト/ゼクシオ MH1000(S、R)、
     NSプロ 870GH DST forXXIO (S、R)
総重量/約356g(7I、ゼクシオMH1000・R)
価格(税込)/10万3680円(7I~PW 4本セット・ゼクシオ MH1000)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2019年2月26日号より

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