多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新ギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップ。「ウソをつかない本当の顔」=「ヘッドデータ&クラブデータ」を読み解く。今回はフォーティーンの「RM-4 ウェッジ」だ!

肉厚ソールで
どんなライにも対応

画像: ツアーモデルにしては幅広ソールで、ライが悪くても滑ってくれる。また、バウンス角が8.7度と小さいので、バンカーでは極端に開くくらいがいい

ツアーモデルにしては幅広ソールで、ライが悪くても滑ってくれる。また、バウンス角が8.7度と小さいので、バンカーでは極端に開くくらいがいい

【Point 1】
左右のヘッド慣性モーメントが3575g㎠と大きい
【Point 2】
8.7度とバウンス角が小さく、バンカーでは思いきり開きたい
【Point 3】
シャフト長が34.875インチと短く振りやすい

“ウェッジのフォーティーン"のツアーモデルの最新作「RM-4」を取り上げる。

新作の目玉は“ステップブレード"と呼ばれる、バックフェース面左右方向に段差をつけた新技術。厚肉部を変化させることで、テクニックが使いやすく、スピンコントロール、ヘッドの操作性、打球フィーリングが向上。また新技術により、ウェッジの肝と呼ばれるソールにボリュームを持たせることができ、ソールの曲面をより効果的にデザイン。ライの良し悪しに関係なく抜けのいいウェッジに仕上がった。

画像: 肉厚ソールで どんなライにも対応

またスピンのかかり具合を左右するフェース面はフォーティーン独自の高い精度を誇る溝構造と、フェースミーリングに通常の2倍の時間をかけ、平面精度を向上させた鏡面ミーリングフェースを採用。さらに56、58、60度のソール形状は、スタンダードな「S」、トウ・ヒールの後方を削った「H」の2種類をラインナップさせた。

球をヒール寄りに
置くとイメージが出る

クラブ重量は470.1㌘とスチールシャフト仕様としては標準的ですが、クラブ長がSWで実測34.875㌅とやや短い設定で、スウィングウェートもD2.8と大きすぎないので、クラブ慣性モーメントが270万g㎠とやや小さくなり、スチールシャフト仕様のSWの割に振れる設計。

画像: フォーティーンらしいティアドロップ形状フェースを開きやすい伝統のティアドロップ形状は、スクェアでも開 い¥ても顔が変わらずアドレスしやすい

フォーティーンらしいティアドロップ形状フェースを開きやすい伝統のティアドロップ形状は、スクェアでも開
い¥ても顔が変わらずアドレスしやすい

ヘッドはフォーティーンらしく全体に丸みのあるきれいなティアドロップ形状で、ソール幅は広めだが、フェース長が短めなのでツアーモデルといえる。

またフェース面に対してスコアラインがヒール寄りに入っているので、球をヒール寄りに置いてスウィングするイメージがあり、またネックは太めでかつ長く、ヒール寄りの重心位置が想像できる。

重心距離が短く
操作性の高い

ロフト角58度を試打したが、ヘッドはオーソドックスできれいな丸みのある形状で、スクェアでも開いてもアドレスのイメージが変わりにくい。

そして、フェース面に対してスコアラインが少しヒール寄りに入れられているので、球はヒール側でややカットに打ちたいイメージが出る。シャフトは標準のNSプロ TS114W装着でしっかりしており、振りやすいSWという印象。

小ぶりなヘッドと振りやすいシャフトで操作しやすく、バンカーでもアプローチでもその状況に応じてフェースの開き具合を調整しながらスウィング可能で、ウェッジテクニックのある上級者に向いている。

画像: ネック重量が重いので、重心位置もネック寄りに。スコアラインもネック寄りに入れられており、ヒール側に球をおくとイメージがでやすい

ネック重量が重いので、重心位置もネック寄りに。スコアラインもネック寄りに入れられており、ヒール側に球をおくとイメージがでやすい

また、バウンス角は小さめなので、砂が重く軟らかいバンカーでは、思い切ってフェースを開くとバウンスが使えるので、思い切りのよいゴルファーに向いているといえます。

フェース面のスウィートスポット位置がかなりヒール寄りなので、フルショットで芯を食うためにはヒール寄りの打点を意識したいところです。

テクニックに自信があり
球を操作したいゴルファーに

画像1: テクニックに自信があり 球を操作したいゴルファーに

試打クラブスペック/58度 + NSプロ TS-114w
ヘッド素材/軟鉄
ロフト角/58度
ライ角/64度
長さ/35㌅
シャフト/NSプロ TS-114w
総重量/約470g
価格(税別)/1本2万6400円
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員

画像2: テクニックに自信があり 球を操作したいゴルファーに

週刊ゴルフダイジェスト2020年9月8日号より

ヘッドデータはウソつかない
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