【指導】湯原信光プロ
ツアー7勝、シニアツアー1勝の日本を代表するショットメーカー。とくにアイアンショットの切れ味は、右に出るものはないと言われた。現在は東京国際大学ゴルフ部の監督も務め、後進の指導にも力を注いでいる
スウィングは回転。頭が残るから軸ができる
クラブを正しく効率よく使うための必須要素が「ステイ・ビハインド・ザ・ボール」だと湯原プロは言う。
湯原プロ ゴルフのスウィングは軸を中心とした回転運動。クラブヘッドと頭が反対方向に引っ張り合うことで、大きな遠心力が働いてヘッドが走る。ダウンで軸が左に動くと、この引っ張り合いが起きません。頭の位置を変えないことでヘッドが走り、そこに軸が生まれる。『ステイ・ビハインド・ザ・ボール』は正しい軸回転ができた証なんです
POINT.1「ステイ・ビハインド・ザ・ボール」はどの番手でも基本。ただし、ボールとの距離は変わります
湯原プロ ウェッジよりアイアン、そしてドライバーへと、クラブが長く、ヘッドスピードが速くなるにしたがって『ステイ・ビハインド・ザ・ボール』の度合いは大きくなります
湯原プロ 私が言う『ステイ・ビハインド・ザ・ボール』とは、頭の位置をその場からずらさないように残すことを指し、頭を動かすなということではありません。頭がアドレスの位置から変わらない、もしくは右に残すのが正しい動きです」
POINT.2 スウィングは回転。左右の動きではありません
湯原プロ ヘッドを効率よく走らせるには遠心力を利用する必要があります。軸を中心とした回転運動で振ることでヘッドには遠心力が働くのです。ダウンで軸が左に動いてしまうと正しい軸回転運動ができないので、遠心力を利用できません
POINT.3 頭とクラブが引っ張り合うことが大事
湯原プロ スウィング中、頭とクラブが反対方向に引っ張り合うことでヘッドがビュンと走ります。インパクトからフォローでは、目標と逆の方向に頭が強く引っ張られるため、状態が右に傾き、アドレスの位置よりも頭はさらに右に残るのが自然なんです。
湯原プロが監督している東京国際大学ゴルフ部に潜入!
2013年7月から東京国際大学の監督を務める湯原プロ。日本で初めて現役のプロがフルタイムの監督として学生を指導。「クラブやボールの性能が変わり、スウィング理論が進化してもステイ『ビハインド・ザ・ボール』は不変の基本。部員たちにもその重要性を伝えているんです」と湯原プロ
現在、東京国際大学でゴルフ部の監督として生徒を指導する湯原プロ。練習の様子をのぞいてみると、頭にロープをつけた状態でドライバーを振っている生徒を発見。これってもしかして……
湯原プロ 大げさに言うと「ステイ・ビハインド・ザ・ボール」養成ロープだね。スウィングで大事なことは、いかにヘッドを走らせるか。そのためには、頭を残して振ったほうが軸をキープできる。頭を残せない生徒には、このドリルで感覚を作ってもらいます。
頭をグリップで軽くおさえるだけでも効果あり
頭を残すには、頭の位置を意識しながらスウィングする練習が効果的。
「誰かパートナーがいれば、正面からグリップで頭を軽くおさえてもらうといい。頭を残して振る感覚がつかめますよ」(湯原プロ)
ビハインド・ザ・ボールは、時代やギアが変わっても、変わることのないスウィングの基本中の基本。ぜひマスターしてレベルアップを目指しましょう。
次回は「ビハインド・ザ・ボール」をマスターするためのドリルを、森守洋プロがレッスン。ご期待ください。随時最新予定です