「その気になったことが、クラブをつまませたいうことです」。今週の通勤GDは、名師弟・高松志門プロと奥田靖己プロによる「一行レッスン」です。その第十二話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

奥田 先生はその人のスウィングを見て、一番えげつないことをぶちっと一言で指摘されますね。

高松 ようオレの言葉は主語が抜けるからあかん言われる。でもな、アマチュアの人にゆっくり、主語、述語をいれて話すと届かん。

奥田 僕はなんか言わんならんときに、つい分かりやすくいわな、と思うてしまう。

高松 親心からやろうけど、あんまりそれはせんほうがええと思う。

奥田 やっぱりぱっと浮かんだことを言うたらええんですかね。

高松 そや。たとえば一般の人向けのレッスンなんてわずか1時間や。1球に対してもたもた言うとったらあかんやろ。

奥田 以前、先生があるお客さんを教えられてて、その人、1球目でマットからアプローチしたら、いきなりマットがボーンと20センチほど動いたんですわ。そしたら先生、「お客さん、つまんでますわ」いうてその一言だけですわ。

高松 そうなん。

奥田 はい。それでお客さんが「はぁ? つまむ~? つまむってなんですの」言うたら、先生が「つまむって日本語でしょ。分かりませんか? つまむんですわ」いうて言わはれて、よおこんなんでお客さんが来るわ思うて笑いながら見てたんです。

高松 当たるときにクラブをつまみよったんわ。

奥田 そうです。打つときにクラブをつままんかったらよろしいですわ言うて説明されて、その人2球目打ったら、見事にスポーンとヘッドが抜けてました。“うわぁ~”言うてビックリされて。そしたら先生が指でこないして「これですわ、つまむですわ」言うて、その人「ありがとうございました!」言うて。先生の場合、すぐありがとうになるんです。

高松 つまむいうのはスウィング中に8箇所くらい危ないところがある。アドレスで“よーいどん”でつまむ人もおれば、インパクトでつまむ人もおる。インパクトから遠いところでやるほどお粗末や。

奥田 でも、なんでつまむんですかね。

高松 そこやがな。これは捨て球(前回記事)の話にもつながるんやけど、打つときにこうしてこうしてこうやる、いう目論見が頭のなかで活字になってるわけや。

奥田 また、いらんこと考えたとか、その気になったとか、そういう要素がクラブをつまませた言うことですわね。

高松 そういうミスから、またしょうもないことを考える自分いうものを少しずつ発見していけたらええけどな。

奥田 お前、またヘッドを忘れたやろ言うことですわね。

高松 それがすべて。みんな“ゆるゆる”をなめとるんや。ひと言でゆるゆるいうても、その意味がただゆるいだけやない。ゆるゆるにしたらインパクトがゆるむとか、トップが垂れるとかね。それはゆるんでない、握っとるからや言うても、そこはなかなか気が付かへんねん。

画像: 欲が出たり、気分を作るから、自然につまんでしまう

欲が出たり、気分を作るから、自然につまんでしまう

EDIT/長田編集事務所

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