スウィングはシンプルクラブでつかまえる
本間ゴルフと契約した決め手を「クラブのデザインや技術的な部分を一緒になって話して作れるのがうれしい」と語ったローズ。世界ランク1位の要求を実現するのは並大抵のことではないが、彼と本間ゴルフのスタッフとの間にどんなやりとりがあったのか?
ローズが優勝したファーマーズ選手権の初日を観戦しにきていた、開発責任者の諏訪博士さんに話を聞いた。
「彼の要求は非常に明確でした。ドライバーで言えば300ヤード先で止めるヘッドにしてくれと言われましたね。300ヤード地点に転がっていくのと、キャリーで行くのは大違いで例えばスピン量が2000回転では、落ちてから転がってラフに入ってしまうからだめんです」
スピン量2200~2400回転にこだわる 本間ゴルフ「TW747-460ドライバー」
「彼はトラックマンを普段から多用していて、データもすべてわかっている。ですからスピン量100回転の差も指摘されるわけで、こちらも重心違いのヘッドをいくつも用意してテストを重ねました。もちろんスウィングも意識しなければいけません」(諏訪)
リアルロフトとグランドロフトの差をなくす
「今はスウィングはシンプル、クラブで捕まえたいと考えているので、今回も彼はアップライトなヘッドをチョイスしましたね」(諏訪)
スコアラインもミリ単位で調整
アイアンのこだわりは?
「必ず“ハイトウ”がいいと言います。構えた時に見えるブレードの薄さ、トップラインの一番高いところの角度と、そこがシャープであることに注力しました。スコアラインの長さもミリ単位で要求しました」(諏訪)
6Iまではシャープ、7Iから徐々に丸み。本間ゴルフ「TW MB ローズプロト」
「ヘッドが長いとフラットに見えやすく、つかまらないように見える。最終的には0.5ミリの違いで2セット作りました(笑)」
トウの頂点がしっかりあること
「クリスピー」な打音の48、52、56、60度「ローズプロト&ボーケイ」
ツノ型パター「AXIS 1 ローズモデル」を選ぶ
ファーマーズ初日、9アンダーをマークしたジャスティンが諏訪さんのもとにきて最敬礼していた。まさに「いいクラブをありがとう」というメッセージ。彼が2つ目のメジャーを獲る日は、そう遠くなさそうだ。
ジャスティン・ローズのバッグは11本がホンマ
月刊2019年4月号より