自他ともに認める「飛ばない星」の芹澤プロだが、飛距離の不利を補うだけのアイアンショットの精度があったからこそ、長く一線で活躍できたことは間違いない。「14本の中で、最も幅広い距離を打ち分けるクラブ」というPWを使いこなすコツについて聞いた。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。

4つの振り幅を打ち分けよう

シニアで活躍しているプロたちの中には、長尺で飛距離を伸ばしている人がいます。道具が進化している今、それを上手く使いこなすことさえできれば、歳をとってもバンバン飛ばして、楽しくゴルフができるってことですね。

しかし僕は、長いクラブ(長尺)はダメでした。アイアンでゴルフを覚え、アイアンが得意なタイプのゴルファーなのでどうしてもスウィングの中にインパクトを作りたい。だから、長いクラブを持つと、クラブが暴れてしまって、弾道が安定しないんです。長尺はゆったり大きく振らなきゃダメですからね。

そんなわけで、僕はゴルフはやっぱりアイアン中心。特にショートアイアンの精度は生命線です。皆さんの中にも、僕のように「飛距離じゃ勝負できない」っていう人はいるでしょう。そんな人は、無理に飛ばそうとせずに、得意なアイアンを磨いてください。

もちろん、「もっと飛ばそう」という意欲がなければゴルフは面白くありませんが、以前もお話ししたように、身の丈以上の飛距離を求めてしまうと、生命線であるアイアンまでおかしくなってしまいます。

アマチュアの場合、いくらアイアンが得意といっても、ロングアイアンでがんがんグリーンを狙う、なんていうのは難しい。

ですから、アイアンが上手くなりたい人は、PWを一生懸命練習してください。

なぜなら、PWは14本のクラブの中で最も幅広い距離をカバーするクラブだからです。僕の場合、PWのフルショットで最大130ヤードくらいですが、130ヤードからグリーンエッジまで、状況に応じてあらゆる距離でPWを使います。

とくに、120ヤード~90ヤードくらいの距離を、「ショット」として打ち分ける機会が非常に多い。SWも担当する距離は幅広いクラブですが、ほとんどがアプローチの範疇。その点、PWで「コントロールショット」の領域を広げることができれば、ショット全般のレベルが上がります。

まずは、基準となる「フルショット」、「スリークォーターショット」、「ハーフショット」に加え、「手元が腰から腰くらいの小さな振り幅」のショットの4通りをきっちりと打ち分けられるようになってください。僕の場合、それぞれが120ヤード、100ヤード、70ヤード、30ヤードくらいです。

これらのショットは実際にコースでも多用するのでスコアメークの役に立ちますし、この4つのパターンが自分のものになれば、その中間の距離を調節することもできるようになります。PWはアイアンマンへの登竜門です。ちょっと地味ですが、頑張ってやってみてください。

【通勤GD・今日のポイント】PWの1本でいろんな距離を打ち分けるクラブ

フルショット「120Y」
マン振りの一歩手前、コントロールできるフルショット。ボール位置は真ん中より少し左。

画像1: 4つの振り幅を打ち分けよう

耳から耳の振り幅「100Y」
やや左足体重で構え、手元が耳から耳くらいの振り幅のスリークォーターショット。

画像2: 4つの振り幅を打ち分けよう

肩から肩の振り幅「70Y」
100ヤードよりも、少しオープンスタンスで構え、手元が肩の高さまで上がるハーフショット。

画像3: 4つの振り幅を打ち分けよう

腰から腰の振り幅「30Y」
狭いスタンスで左足体重のアドレス。ノーコックのイメージで手元が腰から腰までの振り幅。

画像4: 4つの振り幅を打ち分けよう
画像5: 4つの振り幅を打ち分けよう

月刊GDより

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