クラブデザイナーの松尾好員氏が語った「現代のドライバー選びとは、重心選びです」の言葉を基点に始まったドライバー試打分析の3回目。今回はテーラーメイド「M5」、エピックフラッシュ「スター」と「サブゼロ」、ピン「G410プラス」を使ったウェート移動、つまり「重心移動」試打テスト。テスターは、クラフトマン兼試打のスペシャリストとして活躍する小倉勇人さん。登場モデルはPGAツアーの使用者も多く、トッププレーヤーの使用ポジションと比較しながらの分析です。

【試打・解説/小倉勇人】
千葉県の「ゴルフフィールズ・ユニオンゴルフ店」店長兼クラフトマン。5下シングルの腕前。(クラブはすべて標準シャフトSで試打)

【M5】タイガー、DJ、ケプカが使用。2箇所のウェートを前後左右に動かせる

画像: 「リバースTトラック」で2個ウェートをT字状に調整できる!

「リバースTトラック」で2個ウェートをT字状に調整できる!

タイガー・ウッズやダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカ、ローリー・マキロイなど、そうそうたるプレーヤーが使用を開始したモデル。ネック軸回りの慣性モーメントが大きく、フェースをゆるやかにターンさせて、スピンを抑えた重い球で飛ばせるのが特徴。

「スタンダード」=ジョンソン、ケプカ ポジション

ジョンソンとケプカは、この標準ポジションのまま「M5」を使用している模様。シャットフェースでフェースローテーションを抑えてスウィングする2人にとっては、クセのない標準ポジションがマッチするようだ。

画像: いわゆるスタンダードなポジション

いわゆるスタンダードなポジション

小倉 気持ちよく振りやすく、真っすぐ高い弾道で飛ばせるのがスタンダードポジションです。低スピンでありつつ。サラッと振っても球が上がります。

画像: 「スタンダード」=ジョンソン、ケプカ ポジション

「短め・深め」=タイガー&マキロイ ポジション

画像: 重心位置が深いので球は上がりやすく、重心距離は短くなりフェース操作しやすい

重心位置が深いので球は上がりやすく、重心距離は短くなりフェース操作しやすい

タイガーやマキロイが使用しているのがこのポジション。(タイガーは上の写真よりも、重心深度のウェート[緑丸]を後方ギリギリまで移動)。フェースを自分でコントロールして、球筋を操りたいタイプには重心距離は短めがいいようだ。球の高さを維持しながら、振り遅れしにくい重心ポジションでもある。

小倉 ヘッドが返ろうとする作用が強くなり、オートマチックにつかまえてくれるようになりました。お薦めのポジションですね。

画像: 「短め・深め」=タイガー&マキロイ ポジション
画像: 深く短い重心設定

深く短い重心設定

「長め・深め」=左へのミスを防ぐポジション

画像1: 「長め・深め」=左へのミスを防ぐポジション

小倉 シャフトから離れた、遠くに重心があると感じます。ヘッドが戻りづらいフィーリングなので、戻りすぎて左に行く不安はありません。

画像2: 「長め・深め」=左へのミスを防ぐポジション

「長め・浅め」=左のミスを消しつつ操作性もある

画像1: 「長め・浅め」=左のミスを消しつつ操作性もある

小倉 重心が前にきて、ヘッドが少しコントロールしやすくなります。インパクトにかけてヘッドがついてくる感じです。やはり左にミスしない安心があります。

画像2: 「長め・浅め」=左のミスを消しつつ操作性もある

「短め・浅め」=低い球で飛ばしたいなら

画像: 短く浅い重心位置。アイアン感覚に近づき、より低スピンになる

短く浅い重心位置。アイアン感覚に近づき、より低スピンになる

小倉 軽やかにターンして球がつかまえられるようになりました。ヘッドが操りやすく、シャープに振り抜けます。重心深度が浅くなるので弾道は低く、強い球で飛ばせてランも稼げます。

画像: 「短め・浅め」=低い球で飛ばしたいなら

【エピック フラッシュ 】12グラムのウェート移動で細かな調節が可能

「エピックフラッシュ」シリーズは3機種あるが、重心移動が可能な「ペリメーター・ウェイティング」を搭載するのは「スター」と「サブゼロ」の2モデル。約12グラムのウェイトをレールに沿ってスライドさせることで、ドローやフェードなど好みの弾道に調整できる。

画像: ソール後方にウェート調整機能をそなえたエピック フラッシュ スターとサブゼロ

ソール後方にウェート調整機能をそなえたエピック フラッシュ スターとサブゼロ

「センター」=シャウフェレ、石川遼 ポジション

画像1: 「センター」=シャウフェレ、石川遼 ポジション

2019年初戦の「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」でエピックフラッシュを手にして即優勝したザンダー・シャウフェレや石川遼はセンターポジションで使用している。

エピックFLASHスター

画像2: 「センター」=シャウフェレ、石川遼 ポジション

エピックFLASHサブゼロ

画像3: 「センター」=シャウフェレ、石川遼 ポジション

「重心短く」=ガルシア DRAWポジション

画像1: 「重心短く」=ガルシア DRAWポジション

FADEポジション:左に行かない安心感
小倉 個人的には「スター」のFADEはヘッドがあばれなくて振りやすいです。

エピックFLASHスター

画像2: 「重心短く」=ガルシア DRAWポジション

エピックFLASHサブゼロ

画像3: 「重心短く」=ガルシア DRAWポジション

DRAW(ガルシア)ポジション:つかまりをよくしたいならココ
小倉 サブゼロでウェートをドローにするだけで、大幅につかまえやすくなります。

エピックFLASHスター

画像4: 「重心短く」=ガルシア DRAWポジション

エピックFLASHサブゼロ

画像5: 「重心短く」=ガルシア DRAWポジション
画像: 目一杯のドローポジションで球を操るのがガルシア流

目一杯のドローポジションで球を操るのがガルシア流

【G410PLUS】バッバ、チャンプ、PGAツアーの飛ばし屋が手にする

ピンのニューモデル「G410」シリーズは、先代より引き継ぐ大慣性モーメントのコンセプトをさらに強めて登場。弾道調整機能が付くのは「G410プラス」。ヘッド後方のウェートを左右に大きく動かしてヘッド重心を移動させる。

PGAツアーきっての飛ばし屋のひとりバッバ・ワトソンは、ウェートをDRAWとFADEのちょうど間の標準ポジションで使用。若手の飛ばし屋、キャメロン・チャンプもこのドライバー。

画像1: 【G410PLUS】バッバ、チャンプ、PGAツアーの飛ばし屋が手にする
画像2: 【G410PLUS】バッバ、チャンプ、PGAツアーの飛ばし屋が手にする

「重心長く」=打点のブレに強いFADEポジション

小倉 フェースターンがゆるやかでフックのミスが出にくいし、芯を外しても曲がりにくい。

画像: 「重心長く」=打点のブレに強いFADEポジション

「重心短く」=ヘッドが返るDRAWポジション

小倉 振り遅れてもヘッドが返ってくるので、球がつかまらない人がスライスを抑えやすくなりますね。

画像: 「重心短く」=ヘッドが返るDRAWポジション

いま一番の飛ばし屋「キャメロン・チャンプ」は、目一杯のDRAWポジションに調整

画像: キャメロン・チャンプ

キャメロン・チャンプ

画像: 右プッシュを警戒すチャンプは、目一杯のDRAWポジション

右プッシュを警戒すチャンプは、目一杯のDRAWポジション

重心位置を変えることでクラブの性格は大きく変わる。ウェート調整機能のあるドライバーを手にしたら、スタンダードポジションを試した後で、自分に合わせて、「振りやすく」「弾道が安定する」ポジションを探ってみたほうが良い。ぴったり来る「重心位置」が必ずある。

月刊GD2019年4月号より

画像: いま一番の飛ばし屋「キャメロン・チャンプ」は、目一杯のDRAWポジションに調整

「ドライバー選びは、重心選び」企画、まだ続きます。随時配信

武市悦宏プロに最新ドライバーの打ち方を教わろう。ベトナムの名コースで上達合宿↓

This article is a sponsored article by
''.