【試打・解説/小倉勇人】
千葉県の「ゴルフフィールズユニオンゴルフ店」の店長兼クラフトマン。5下シングルの腕前
時代は「長い・深い」。ネック軸回りの慣性モーメントが大きなモデルがずらり
ネック軸回り慣性モーメント・重心距離・重心深度の説明はこちら
最新ドライバー30モデルを「重心距離」と「重心深度」でマッピング。ご覧のとおり、左下はフェースが返しやすく、自分で球筋をコントロールしたい人向け。右上に行くほど「ネック軸回りMI」の数値が大きくなり、フェースが返りにくくなっていく。反面、安定感は高まる。5つのグループにマッピングしてみた。
【A】重心距離が、最も長く深いドライバー群
巨大なネック軸回り慣性モーメント(MI)をいかして、フェースを返したりせず、オートマチックに飛ばせるクラブ。PGAツアーきっての飛ばし屋キャメロン・チャンプが使う「G410(ピン)」はこのカテゴリー。
① G400MAX(ピン)
芯が広く球が曲がりづらいのにコントロールもできる
重心距離:45.5mm
重心深度:47.4mm
ネック軸回りMI:9913gcm2
② エッグ・インパクトスペック(プロギア)
クラブが短くミート率高い。球も上がる
重心距離:43.8mm
重心深度:46.0mm
ネック軸回りMI:8627gcm2
③ G410PLUS(ピン)
HSを緩めるとスピンが入り、叩くとスピンが減る
重心距離:45.2mm
重心深度:45.4mm
ネック軸回りMI:9527gcm2
④ G400LST(ピン)
このカテゴリーでは操作しやすく安心して振れる
重心距離:45.1mm
重心深度:43.5mm
ネック軸回りMI:8710gcm2
⑤エッグ(プロギア)
「長・深」でもつかまりやすい。上下のミスにも強い
重心距離:43.1mm
重心深度:43.8mm
ネック軸回りMI:8119gcm2
【B】バランスのいい重心位置で多くのゴルファーにフィット
低スピン&高打ち出しで飛距離を稼ぎつつ、ほどよい操作性を兼ね備えている、多くのゴルファーに合いやすいドライバー群。
さまざまなモデルがラインナップされているだけに、個々のモデルを見比べるとオートマチックなモデルからセミオートマチックなモデルまでさまざま。タイガー・ウッズやダスティン・ジョンソンが使う「M5(テーラーメイド)」はこのカテゴリー。
⑥ インプレスUD+2(ヤマハ)
グースネックでつかまり良し
重心距離:44.0mm
重心深度:41.0mm
ネック軸回りMI:8773gcm2
Mグローレ(テーラーメイド)
ストレートなキャリーボール。形状と重心角でつかまる
重心距離:43.5mm
重心深度:41.0mm
ネック軸回りMI:8273gcm2
⑧ M5(テーラーメイド)
出球が高く低スピン。ヘッドがターンしやすい
重心距離:42.3mm
重心深度:437.3mm
ネック軸回りMI:7492gcm2
⑨ RS F(プロギア)
逃がし顔で叩けるが、つかまりもある
重心距離:40.9mm
重心深度:437.6mm
ネック軸回りMI:7429gcm2
⑩ ローグ・サブゼロ(キャロウェイ)
操作性を残しつつ、低スピンでつかまりすぎない
重心距離:40.2mm
重心深度:37.8mm
ネック軸回りMI:7261gcm2
⑪ スリクソンZ585(ダンロップ)
弾き感がありサイドスピンが少なく直進性が高い
重心距離:41.6mm
重心深度:39.3mm
ネック軸回りMI:7627gcm2
⑫ エピックFLASHスター(キャロウェイ)
ヘッドが返りロフトが立って当たり初速が上がる
重心距離:40.9mm
重心深度:39.1mm
ネック軸回りMI:7459gcm2
⑬ RMX218(ヤマハ)
ヘッドが自然にターンしてつかまる。構えやすく打音もいい
重心距離:38.3mm
重心深度:38.1mm
ネック軸回りMI:6932gcm2
⑭ VG3(タイトリスト)
ほどよくつかまり、上がりやすい。芯を外してもねじれない
重心距離:39.0mm
重心深度:39.6mm
ネック軸回りMI:7409gcm2
⑮ TS3(タイトリスト)
つかまえにいっても左に行かない。スピンも少ない
重心距離:37.6mm
重心深度:38.2mm
ネック軸回りMI:7215gcm2
⑯ スリクソンZ785(ダンロップ)
狙ったところへ打ち出しやすく、操作性にも優れる
重心距離:37.9mm
重心深度:37.4mm
ネック軸回りMI:6960gcm2
⑰ TW747 460(本間ゴルフ)
つかまりすぎを抑えて強い球で直線的に攻められる
重心距離:39.6mm
重心深度:37.4mm
ネック軸回りMI:6841gcm2
⑱ EZONE GT(ヨネックス)
球が上がってつかまり、芯を外しても当たり負けしない
重心距離:37.9mm
重心深度:37.5mm
ネック軸回りMI:6601gcm2
【C】低スピン・高弾道でやさしく飛ばしやすい
カテゴリーAのドライバーほどではないが、大きなネック軸回りMIを生かして、やさしく飛ばせるドライバー群。カテゴリーBのほうがややアスリートよりといえる。
⑲ G410SFT(ピン)
重心角が大きく、ヘッドが返りやすい。球もつかまる
重心距離:42.4mm
重心深度:43.0mm
ネック軸回りMI:8315gcm2
⑳ M6(テーラーメイド)
振り遅れ気味でもスライスせずに真っすぐ飛ぶ
重心距離:40.8mm
重心深度:43.0mm
ネック軸回りMI:8315gcm2
㉑ RS(プロギア)
弾き感があり、スピンも適量。滞空時間が長い
重心距離:38.7mm
重心深度:42.7mm
ネック軸回りMI:7700gcm2
㉒ TS2(タイトリスト)
低スピンで初速が速く、スウィートエリアが広い
重心距離:39.4mm
重心深度:41.1mm
ネック軸回りMI:8123gcm2
㉓ ゼクシオテン(ダンロップ)
つかまりやすくて打球の揚力があり、速く振りきれる
重心距離:38.8mm
重心深度:42.7mm
ネック軸回りMI:7283gcm2
㉔ローグ・スター(キャロウェイ)
重心が深くて球が上がりやすい。直進性も高い
重心距離:41.7mm
重心深度:42.4mm
ネック軸回りMI:7752gcm2
【D】球筋を操りたいが、高さもほしいならココ
重心距離が短くフェースの開閉がしやすいので球筋を操りやすい。また、重心深度も標準的でボールの上がりやすさがあるのも特徴。
㉕ オノフAKA(グローブライド)
球の高さと適正なスピン量がある。ヘッドが返りやすい
重心距離:36.8mm
重心深度:39.6mm
ネック軸回りMI:6723gcm2
㉖ RMX118(ヤマハ)
小回りが利いて操作しやすい。球の上がりやすさもある
重心距離:35.0mm
重心深度:38.7mm
ネック軸回りMI:6136gcm2
【E】操作性に優れ、強い球が打てる。ネック軸回りMIは小さめ
球筋を操りたいタイプにおすすめのドライバー群。これまでに培ってきたスウィングを生かして飛ばせるのが魅力。
㉗ ミズノプロ モデルE(ミズノ)
シャローで投影面積が大きいわりに、つかまり感がある
重心距離:36.1mm
重心深度:37.0mm
ネック軸回りMI:6176gcm2
㉘ エピックFLASHサブゼロ(キャロウェイ)
ボール押す手ごたえでスピンが少なくランがでる
重心距離:37.8mm
重心深度:37.0mm
ネック軸回りMI:6935gcm2
㉙ ミズノプロ モデルS(ミズノ)
操作しやすく球がつかまり過ぎない。しかも当てやすい
重心距離:36.0mm
重心深度:34.8mm
ネック軸回りMI:5570gcm2
㉚ ツアーB XD-3(ブリヂストン)
ヘッドを返しやすくて操れる。つかまりはニュートラル
重心距離:33.3mm
重心深度:34.3mm
ネック軸回りMI:6040gcm2
「ネック軸回りMI」が6000gcm²ならヘッドターンしやすいモデル!
「数値が6000gc㎡台なら、返しやすいヘッドだと思っていい。『ネック軸回りMI』の数値は7000gcm²くらいが標準的で、6000に近づくにつれてフェースターンしやすくなります。自分でつかまえてドローを打ちたい人に向いています。7500くらいでつかまりにくさを感じ、8000を超えるとフェースが返しにくいレベルになります」(松尾)
こういったヘッド数値をもとにマッピングしたのが、今回の5グループ。自分に合うモデルが見えたのではないだろうか。ドライバー選びの参考にしてほしい。
月刊GD2019年4月号より
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