「いじましい“一杯飲み屋のゴルフ”あかんやろ」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第二十一話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

奥田 ほとんどのゴルファーは、打つ前にいらんことばっかり考えて、プレーが遅いですわね。まったくスッキリコッキリしてへん。

高松 仕切りから何から長いね~。しまいにはドライバー打つ前に、シャフト見たりする奴までおんねんから。

奥田 SかRか表示見て、値段まで見とるか知らんけど、それを見る意味が分かりませんね。

高松 そのドライバー買うんとちゃうんやから、とりあえず打ってよって。ココはお店かっちゅうの。

奥田 打つ前にいかにスッキリコッキリするのがゴルファーの永遠のテーマ。なかなかできる人はいませんけどね。

高松 そうやな。なんかの店に入ったって、35円の品物をさらに値切ろうとして長い話するもんや。安っすい一杯飲み屋で酒飲みがコップに酒注いでもらうのに、「まだもう一滴入る」言うて粘っとるのも一緒や。

奥田 悲しいことにそういう心理をゴルファーは常に持ってる。

高松 そうそう。プロゴルファーとか競技アマはさらにそれがいじましい。最後の1滴、最後の1点がすべてやから。

奥田 よっしゃ、1滴儲けた、2滴儲けた言うて、その積み重ねが優勝や、クラチャンやと思うてるんです。根性とか集中力とかで絶対ボギー打たんようにして、とれるところでバーディとって。そういう積み重ねを一番大切にしとる。

画像: 【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.21「スッキリコッキリ」ゴルフダイジェストWEB

スッキリコッキリ打てないもの、でもスッキリコッキリを目指すべき

高松 酒飲みの話でいうたら、最後の1滴がコップに入って喜んだ瞬間にだいたいがこぼしてしまうんやけどな。

奥田 そもそも注ぎ手の身にもなってあげんと。待ってるプレーヤーの身ですわね。最高の技術で注いでやっても、コップ持った瞬間こぼすし、それでもまだ「このコップが悪い」とか言いますからね。

高松 それでよ、そんなもんがゴルフ場を出た途端にええ服に着替えて「オレ、今日クラブ行っちゃうからさぁ」言うてるんよ。どこがやねんって。あんた、さっきまで一杯飲み屋の最後の1滴でやっとんちゃうんかいって。

奥田 立派なセカンドバッグ持って、高級車乗ってね。えらい変わりようですわ。

高松 そらあかんっちゅうねん。そんで客がつくかいな。

奥田 クラチャンとかも同じ人種に見えますね。最近はメーカーもアマチュアにクラブをモニターしますから、一端のプロになった気分でおるけど、やってるゴルフの内容言うたら、やっぱり一杯飲み屋で見苦しい様を晒しとるのと同じ。それがスパイク脱いだ途端「今日はクラブや~」やから。その一滴に縛られてる限り、ゴルファーとしての成長はない。

高松 ものすごい下りの速いラインなんか、一般のアマチュアは強く打ったらあかんあかんでパッティングしとるから、最初必ずショートするやろ。で、次に打ってグリーンから出てしまうんや。それやったら最初に出せっちゅうねん。

奥田 ほんまですね。ちゃんと当たれば越える池越えのホールで、池の手前にわざわざ刻んで、次に池に入れるのも同じ。

高松 ゴルフは何でも一緒。そんなん5回くらいゴルフやったら分かれよと思うけどな。

奥田 最高に当たって届くと思うんやったら、その自分を否定せず勝手にその絵を描いて打ったらええんです。そこで気持ちがスッキリコッキリしておけば、プレーも早くなるし、ゴルファーとして打つこと以外のいろんなことが見えてくる。

高松 難しい状況になって、どうしてもスッキリコッキリできんいうんやったらもう諦めたらええねん。諦めたらだいぶスッキリコッキリしてくるわ。

【通勤GD・今日のことば】アドレスは短く。構える前にスッキリコッキリ覚悟を決める

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