「ゴルフはほんまに難しい。もちろん、普通の人の難しいとは違うけど…」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第二十四話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

高松 ゴルフっちゅうのはほんまに難しいのう、奥ちゃん。

奥田 はい。もちろん難しい言うても、普通の人の難しいとは違いますけどね。

高松 普通の人の難しいは“うつ病”みたいなもんやから。

奥田 スウィングがあかんとか、パットが入らんとか、勝手に心配事を作ってますからね。それは「ただ下手なだけ」の一言で済んでる話やのに、ああでもない、こうでもない言うてる。

高松 でも自分の心配をしていられる人はいいよ。羨ましいわ。

奥田 ほんまですわ。僕らは自分の心配する前に、周りやら全体の流れを心配せなあかんのですからね。

高松 ゴルフが難しいのも当然よね。試合でラウンドしても、常に信用置けない人たちと旅してるようなもんやから。

奥田 音立てたり、ライン上をウロウロしたり、プレーが遅かったり。油断してたら、部屋で勝手に自分のタバコ吸われとるようなもんです。シード選手なんかはそうでもないですけど。

高松 こないだプロアマで一緒に回った競技アマなんか、出だしでピン側につけただけで「ナイスバーディ!」言うんよ。

奥田 そらあかん。そら入るやろうけど先言われたら、気遣いますよね。

高松 そやろ。それで「そんなん言うたらあかんで」言うたら、次からはどんなスーパーショット打っても、バーディ決めても、何も言わんようになってな。

奥田 ウンともスンともですか?

高松 そうよ、オレも5番ホールくらいでもう怒っとるがな。「君ら、ナイスくらい言わんかい!」いうて。それでも、次にピンの2メートルにつけてもまだ黙っとる。しかもプレーは遅いから、バーディパットも一向に打たれへんし。そら外すわ。

奥田 前の組も遅かったらしいですね。

高松 うん。パー5を丸々1ホール開けよってな。それで文句言うたら誤りもせんから、やっとられへんわ。本当にゴルフは難しい。

奥田 自分のことを考えられるような状況にならんのですからね。

画像: スコアは同じ組の人が協調して目指すもの

スコアは同じ組の人が協調して目指すもの

ゴルフは4人が一体にならなあかん

高松 スコアっちゅうのは、一緒に回ってる人間が、お互い協調して目指すもんや。そやから、まず早くプレーせないかんし、人に迷惑もかけたらあかんねん。

奥田 たとえ優勝しても、その人がスロープレーやったら、拍手したらあかんのです。それやのにみな拍手してしまう。

高松 オレなら野次まで飛ばすけどな。

奥田 最近、男子ツアーが人気ないのも、芝居を見に来たお客さんに、みなが自分勝手に演じてるだけの“猿芝居”を見せてるからちゃいますかね。

高松 4人(または3人)が一体になってないのに、観客が一体になるわけがないもんな。しかもそこの芝居が長い。プロが一堂に集まってゴルフして6時間かかるんやったら、普通の会社員は、10時間かかってもいい言うことになってしまうし。

奥田 まあアマチュアもええスコア出したいっていう気持ちは分かるけど、遅すぎますね。あんたのスコアなんて誰も気にしないってことに、早く気がつかなあきません。

高松 30台出したからって、あんたの母ちゃんも喜ばへんって。

奥田 それよりもゴルフというええもんに出会えたんやから、もっとそれを大切にしてほしいですね。

画像: コースが要求してくる球をさりげなく打つ。ゴルフの快感

コースが要求してくる球をさりげなく打つ。ゴルフの快感

高松 そうそう。ゴルフの快感みたいなもんは、スコアとは別にあるから。

奥田 はい。先生の快感は何ですか?

高松 コースが要求してくる球筋をさりげなく打てたら、それは快感やね。スコアに暑苦しい人間にしたら、かなりきざな話やろうけど。

【通勤GD・今日のことば】スコアは一緒に回ってる人間が協調して出すもの

画像: ゴルフは4人が一体にならなあかん

月刊GDより

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