「テークバックの少しのズレが、スウィングを大きく外す原因になる」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第二十八話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝

高松 奥ちゃん、今の80ヤードのアプローチ、調子取ったなぁ。

奥田 柔らかい球を打とうとしたんですけど、体のモーションでフワッとした感じを出してしまいました。

高松 そうそう。柔らかさをクラブの動きやのうて、体の動きで作ってもうた。

奥田 やっぱりクラブを振ってないんですね。柔らかくいったり、速くいったり、ヘッドでそういう調子を取らないかんのに。

画像: 球を打つのは、体ではなくクラブヘッド

球を打つのは、体ではなくクラブヘッド

高松 よう村人が畑を耕すときに「よいとまき~」かなんか言いながら、鍬とか鋤をゆっくり振り下ろしてるやろ。今のはあれと同じに見えた。

奥田 “よいとまき~”ですか(笑)。なんでそないなったんやろ。

高松 絵が出てなかったんちゃうか。

奥田 たしかに打ちたい球の絵がはっきりは出てませんでした。ピンの右に柔らかく落とそういうぐらいで。

テークバックのズレはインパクトで3倍返しになる

高松 アマチュアの“よいとまき~”はまた違う理由やけどな。

奥田 体ばっかり動くからですかね。

高松 そうそう。テークバックでちょっと体が上に伸び上がるから、ダウンではその反動で体が下に行く。

奥田 体が上に伸びたら、次は下に行かんと球に届きませんからね。ほかにも例えばインパクトで右肩が突っ込むという人がおっても、普通はダウンスウィングで右肩を止めて直そうとしてますよね。

画像: どんな球を打つのか「絵」が浮かんでいるのか?

どんな球を打つのか「絵」が浮かんでいるのか?

高松 ほんまの原因は、テークバックでもうひとつ右肩が回りすぎるからということに気が付かんわけよ。

奥田 右肩が回りすぎたから、その分突っ込んでるわけですよね。

高松 そう。しかも、テークバックのズレは、インパクトで3倍で返ってくるから怖い。3倍返しは痛いで。ちょっとのズレがごっついミスになるんやから。

奥田 3倍にならん方法はありますか。

高松 ない。全盛期のスケートの清水宏保くらいの太ももがあったら別やけど。

奥田 ダウンでそのくらい踏ん張りがきかんとあきませんか。テークバックいうんは大事いうことですね。

高松 ダウンに入ったらクソ忙しくて何もでけへんしな。

奥田 でも、“よいとまき~”にしても、右肩の突っ込みにしても、そういう癖は気が付きにくいもんですね。

高松 結局、スウィングが外れとっても、ゴルフっていうのは寄せワンもあるし、外れとる者ほどよう飛ぶから気がつきにくい。

奥田 テークバックの直前にクラブで地面をトントン叩く癖があったんですね。“よいとまき~”も、結局、飛ばそうと頑張ったり、寄せようとしたり、なんかしてる自分が作り出してるものなんですよね。

高松 そういうこっちゃ。なんもせんかったら、なんもならんわ。

【通勤GD・今日のことば】スウィング中はなんもせんこっちゃ

月刊GDより

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