「技術系のプロはみんな親指が反り返っている」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第三十五話。

高松 オレらは一切素振りなしでゴルフ出来るけど、そういう人少ないね。

奥田 はい。やさしい場所では3回、難しい場所になるとさらに1回増えるとか、時間がかかる人ばっかりです。

高松 あんた、さっきと違うスウィングするんやったら素振りするのも分かるけど、それさっきと全く同じやんって。

奥田 球筋一つしかないのに、なんでまた素振りするのか不思議ですよね。プロでもそうですから。

高松 技術系のプロが少ないってことや。

奥田 パワー系とかガッツ系ばっかりですよね。例えば、本当のドライバーの飛距離は280ヤードやけど、バンカーとかハザードを避けて、それを30ヤードくらい落とせるというのはよく聞くけど、ほんまの技術系はそうやない。1センチから280ヤードまで打てないといかん。両極ができてこそ、その間が自在になるわけですから。振るスウィングしてコロッとティから落として1センチとか。

高松 だから、テレビでレッスン番組やってるけど、インタビューしている時のプロゴルファーが映ってたら、まずは親指を見んといかんね。

奥田 親指が技術系と関係あるんですか?

高松 親指大切やがな。技術系はみんな親指が逆側に反り上がっとる。

画像: 志門プロの親指

志門プロの親指

奥田 つまり関節と逆側に反っているということですね。実は僕も反ってるんですよ。生まれつきか、ゴルフやってだんだんそうなったかわからないんですけど、なんか反り上がっています。

高松 そら技術系の証や。ほらビジェイ・シンでも反り上がっとるがな。職人系の人はみな親指が反り返ってる。

奥田 そしたら逆に親指が手のひら側に曲がってる人は何ですか?

高松 パワー系や。爪が白くなるくらいグーッと指先まで力がいつも入ってるものとか、ロングサムでグリップしている者は、親指は絶対反り上がらへん。だから、そんな者がテレビで技術論を語ってても絶対聞いたらあかんで。

奥田 パワー系の話は結果論ですわね。

高松 その通り。パワー系は結果の後追いでしゃべってるだけやから。そやからゴルフの技術の話を聞きたいんやったら、まず親指を見て、反り返ってる者のところに行かんとあかんわ。

奥田 親指はともかく、僕はとにかく手首だけは最初から硬かったですけど。

高松 オレもパワー系でやってた頃はそうよ。5年くらいかけて取ったけど。

画像1: 【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.35 「教わる前に見てみよう、親指!」ゴルフダイジェストWEB

奥田 試合会場で僕はよくプロに右手を差し出して、「グリップと同じように握ってみ」いうてました。どのくらい柔らかいか知りたくて。ヘイル・アーウィンにまで握らしましたわ。左手も右手と両方。それで一番ゆるかったのは陳志明でした。ホンマにゆるかったですわ。これで打ってるのかと思って、びっくりした記憶があります。

高松 陳志明と回ると楽しかったもんな。今は全然ちゃうけど。オレはプロになりたての頃、石井哲雄さんの親指に驚いた記憶があるわ。

奥田 やっぱり反り返ってたんですか。

高松 そんなレベルやない。最初は生まれつきの病気かと思って、目をそらすようにしてたからな。だって、松本清張の唇みたいになってたから。

奥田 そら凄いですね。

高松 うん。関節がないみたいに反り返ってたわ。でも、実は力系から技術系に変わったときに、石井先生の親指の意味がやっと理解できたんよ。そら石井先生の球は曲がらんわと思うた。なんであの時、怖がらずに質問せんかったんやろうと後で後悔したわ。

【通勤GD・今日のことば】一番見なあかんのは、プロの親指や

月刊GDより

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