「一番気持ちのいい力加減」がロングパット距離感の目安
宮瀬 スタート前のパッティンググリーンで、超ロングパットが残ることを想定した練習を行います。目印を置かずに自分の一番気持ちのいい力加減で3球連続でストロークしてみます。その距離を歩測し、何も調整しない自分のストロークが「その日」のグリーンでどの程度転がるのかの目安をつかんでおくのです。これが「その日」の距離感の基準になります。
狙ったところへゆるまずしっかりストロークする4ステップ
── 超ロングパットで、最初にすべきことは何でしょうか。
宮瀬 まずはどんな転がりをするのか、ラインをしっかり読むことが重要です。
宮瀬 ラインの読み方は4ステップで考えるといいですよ。
①カップを挟んで、逆サイドから傾斜とラインを見ます。この際、カップを過ぎてからのグリーンの状況も見ておきます。
②ボールが曲がる頂点を見極めます。
③この頂点に向かってアドレスを決めるのではなく、その外側にターゲットを決めてアドレスします。
④自分が描いたラインのイメージが消えないうちに、ストロークします。
── 宮瀬プロはショートパットと打ち方を変えていますか?
宮瀬 どちらの腕を主体にしているかで、打ち方が変わります。右腕主体の人はショートパットと打ち方は同じ。左腕主体の人はコックを使うとロングパットの転がりがよくなります。
【ステップ①】逆サイドから傾斜とラインを読む
ボール後方からではなく、逆サイドから傾斜とラインを読む。カップとボールを結んで、左右どちらが低いかで傾斜を見極める。
【ステップ②】ボールが曲がる頂点を見極める
ロングパットではボールが曲がる頂点を見極めることが重要。ラインの外側にターゲットを見つけ、その方向へ打ち出していかないとラインに乗らないことを知っておこう。
【ステップ③】設定したターゲットに対してスクェアにアドレス
スタンス、フェースの向きをターゲットに対してスクェアに決める。このターゲットに対して、真っすぐ打ち出していく。
【ステップ④】スタート前に掴んだ転がりでヒット
頭の中で自分の読んだラインを思い描き、そのイメージが消えないうちにストローク。スタート前の練習で掴んだ転がりを基準にして打つといい。
打ち方は右腕主体か左腕主体かで変わる
【右腕主体の場合】右手のひらがフェースのイメージで打つ
宮瀬 右腕の感覚を大切にしている人は体全体の動きで振っている人です。右手のひらがフェースのイメージで、両肩、ひじ、グリップで作った五角形を崩さずに打つ。
【左腕主体の場合】グリップエンドを支点にコックを使って打つ
宮瀬 左腕の感覚を大切にしている人は、意識、無意識にかかわらずグリップエンドを支点にしています。ロングパットはコックを使って打つのが合います。体全体ではなく、手元の動きで打つのがいいんです。
【ロングパットドリル】距離感の作り方
── 距離感の調節についてお聞きします。振り幅の大小で行うのがいいのでしょうか?
宮瀬 振り幅を基準にするのは危険ですね。振り幅を大きくしたとしても、インパクトが弱ければ転がりません。振り幅ではなく、「インパクト圧」の感覚で距離感を調節しましょう。
── インパクトの圧力ですか。それを感じ取って、身に付ける方法は?
宮瀬 10歩のインパクト圧を練習して手のひらに記憶させます。ボクは右腕主体のタイプなので右手のひらですが、左腕主体の人は左手のひらや甲でもいいと思います。この10歩の圧を基準に、それよりも長い距離の場合は少し圧を強めます。
【ドリル1】10歩の上り下りのストレートを練習
10歩の上りと下りのストレートのラインで、インパクト圧がどのくらいかをチェック。手のひらに記憶させ、再現できるまで繰り返し練習しよう。
【ドリル2】ティのゲートで“ 圧”を意識
ボールを挟むようにティでゲートを作り、そのゲートをボールと一緒に打ってみよう。インパクトの圧をより意識することができるようになる。
宮瀬 普段からこのドリルをやっておいて「インパクト圧」を感じ取るようにしておきます。そのうえで、スタート前の練習グリーンで「一番気持ちのいいストローク」を3球やります。この時の距離を基準にコースに出て、距離に応じて圧力を上げ下げします。これでノーカンパットは確実に消えます。
PHOTO/Tadashi Anezaki
週刊GD2019年7月30日号より