地面からの反力を体の回転力へ転換、スウィングスピードのアップにつなげる反力打法。原理はわかったが実際にどう体を動かし、どのように力を加えればいいのか。通勤GD「Dr.クォンの反力打法」の第17話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家女性こそ地面反力

360度の回転ジャンプ

吉田 先日、クォン先生が来日された際、中島徹プロと女子のセキ・ユウティンプロ、そしてたくさんのアマチュアゴルファーに反力打法を直接レクチャーしていただきました。いかがでしたか?

クォン みなさんとても熱心に聞いてくれて、私もとても楽しかった。多くの人が、飛距離を伸ばしたいという悩みを抱えていたが、スウィングを見ると、やはり大半が地面反力を上手く使えていなかった。その証拠に、ちょっとコツを教えると、みんなすぐに20~30ヤードアップしていたね。そう考えると、みんな実にもったいないことをしている。でも裏を返せば、ほとんどのゴルファーは、まだまだ飛距離を伸ばせるチャンスがあるということだね。

吉田 私も先生と出会ってから20ヤードは伸びました。

クォン この前のラウンドでは完敗だったね(笑)

吉田 先生のおかげです! ところで今回、先述の2人のプロへのアドバイスのひとつに「回転ジャンプ」がありました。あれはどういう効果があるのですか?

クォン 回転ジャンプは、まさにゴルフの「縦軸回転」の動きそのもの。地面反力を上手く使うコツをつかむのにうってつけなんだ。やり方は簡単。まずアドレスと同じ幅に足を広げて立ち、その場でジャンプしながら左(半時計回り)に回る――。

画像: 360度の回転ジャンプ

吉田 こうですか? てりゃっ!

クォン ぜんぜん回れてないじゃないか。もっと思いっきり回るんだ。ふんっ!

吉田 すごい! 360度も回っている!

クォン 反力が上手く使えれば、誰でもこのぐらい回れるようになるよ。左足で地面を強く踏み込むと同時に、右足を強く蹴る。そうすると、強い回転力が生まれて、鋭く体をターンさせることができるんだ。

吉田 スウィングでも、この動きが重要ということですね。

クォン そう。ゴルフではジャンプすることはないが、イメージは同じ。切り返しで左足を強く踏み込みながら、右足で地面を蹴ることで、体の鋭い回転が促される。

吉田 グッと踏んで、蹴って、ジャンプ!  あ、なんとなくコツがつかめてきました。

クォン このジャンプを何度かやってから、実際にクラブを持って振ってみると、反力を回転力に転換する感覚がつかめるはずだよ。

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踏んで、蹴って跳んで、ターン!飛ばしに直結「回転ジャンプ」

自分から見て左上方向にジャンプしながら、体をできるだけ多く回転させる。この回転ジャンプをやろうとすると、自然といったん体を沈み込ませ、地面の反力を最大限に利用しようとする。この感覚でスウィングすると、地面の反力を回転に変える感覚がつかめる。

画像: 踏んで、蹴って跳んで、ターン!飛ばしに直結「回転ジャンプ」

先日、クォン教授のレクチャーを受けた中島徹プロ。地面を踏む感覚をつかむことができ「ボールを強く押せるようになった」という。

画像: 中島徹プロ

中島徹プロ

ILLUST/Kazuhisa Uragami

週刊GDより

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