【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家女性こそ地面反力
ノーステップでも足踏みしている感覚
クォン 第18話の「ステップ・ドリル」で反力打法の理想的なリズムをつかんだら、次の段階として「2ステップ・スウィング」をやってみるといい。
吉田 2ステップ・スウィング?
クォン 右足を上げて下ろし、次に左足を上げて下ろす、この2回のステップでスウィングするんだ。
吉田 ええと、こうですか…。
クォン ダメダメ。それでは下半身と上半身が同時に動いている。前回と同じで、まず下半身が動いて、それにつられて上半身が動くようにしなきゃ。
吉田 そうでした。右足を踏んで、テークバック。そして左足を上げたら、クラブがトップに到達する前に左足を踏み、そこからクラブを下ろしてくる……。
クォン そう。慣れてきたら、実際にボールを打ってみてもいい。
吉田 ……芯に当てるのが難しいですが、計測するとヘッドスピードはかなり上がってますね。
クォン ある欧州ツアー選手のデータを取ってみたら、通常のスウィングのときよりも2ステップスウィングのほうがヘッドスピードが7.5%上がり、縦軸の回転力は10%、前後軸の回転力に至っては26%もアップしていた。飛距離も平均で25ヤードほど伸びていたね。
吉田 そんなに上がるんですね。
クォン だからミート力に自信があれば、本番でも2ステップで打てばかなりのアドバンテージを得ることができるわけだ。
吉田 さすがに、試合ではできないですけどね(笑)。
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クォン でももし、「2ステップ」と同じだけの効果を、通常のノーステップのスウィングで得ることができたら…。
吉田 それは最高です!
クォン まさにそれが、反力打法なんだ。2ステップで地面を踏み込むタイミングと、上半身と下半身がセパレートされた感覚を身につけることができたら、今度は「1ステップ」でやってみる。右足のステップは使わずに、左だけステップして振る。あるいは逆に、右足だけステップして振る。そして最後は、同じ感覚のまま、ノーステップで振ってみる。ステップを使ったときの、足と地面が相互に作用する感覚を、ノーステップでも再現できれば、かなりの反力マスターになれるよ。
吉田 さっそくトライしてみましょう。
ステップ・ドリル応用編「2ステップ・ドリル」
アドレスした状態から、まず右足を上げ(A)、足を踏み込むと同時にテークバックを開始(B)。続いて左足を上げ(C)、クラブがトップに到達する直前に左足を踏み込む(D)。左足の踏み込みにつられるようにして、上半身がダウンスウィング方向に回転していく(E~H)。実際にボールを打ってみてもいい。
ILLUST/Kazuhisa Uragami
週刊GDより
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