第18話で、反力打法のキモとなる理想的な体重移動と自然なスウィングリズムをつかむために足踏みしながら連続素振りする「ステップ・ドリル」がオススメだと教えてくれたクォン教授。今回はその応用編を紹介。今週の通勤GDは「Dr.クォンの反力打法」の第19話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家女性こそ地面反力

ノーステップでも足踏みしている感覚

クォン 第18話の「ステップ・ドリル」で反力打法の理想的なリズムをつかんだら、次の段階として「2ステップ・スウィング」をやってみるといい。

吉田 2ステップ・スウィング?

クォン 右足を上げて下ろし、次に左足を上げて下ろす、この2回のステップでスウィングするんだ。

吉田 ええと、こうですか…。

クォン ダメダメ。それでは下半身と上半身が同時に動いている。前回と同じで、まず下半身が動いて、それにつられて上半身が動くようにしなきゃ。

吉田 そうでした。右足を踏んで、テークバック。そして左足を上げたら、クラブがトップに到達する前に左足を踏み、そこからクラブを下ろしてくる……。

クォン そう。慣れてきたら、実際にボールを打ってみてもいい。

画像: 2ステップ・ドリルで体重移動の感覚を染み込ませたら、ノーステップで振るときも、あたかもステップを踏んでいるような感覚でスウィングしてみよう

2ステップ・ドリルで体重移動の感覚を染み込ませたら、ノーステップで振るときも、あたかもステップを踏んでいるような感覚でスウィングしてみよう

吉田 ……芯に当てるのが難しいですが、計測するとヘッドスピードはかなり上がってますね。

クォン ある欧州ツアー選手のデータを取ってみたら、通常のスウィングのときよりも2ステップスウィングのほうがヘッドスピードが7.5%上がり、縦軸の回転力は10%、前後軸の回転力に至っては26%もアップしていた。飛距離も平均で25ヤードほど伸びていたね。

吉田 そんなに上がるんですね。

クォン だからミート力に自信があれば、本番でも2ステップで打てばかなりのアドバンテージを得ることができるわけだ。

吉田 さすがに、試合ではできないですけどね(笑)。

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クォン でももし、「2ステップ」と同じだけの効果を、通常のノーステップのスウィングで得ることができたら…。

吉田 それは最高です!

クォン まさにそれが、反力打法なんだ。2ステップで地面を踏み込むタイミングと、上半身と下半身がセパレートされた感覚を身につけることができたら、今度は「1ステップ」でやってみる。右足のステップは使わずに、左だけステップして振る。あるいは逆に、右足だけステップして振る。そして最後は、同じ感覚のまま、ノーステップで振ってみる。ステップを使ったときの、足と地面が相互に作用する感覚を、ノーステップでも再現できれば、かなりの反力マスターになれるよ。

吉田 さっそくトライしてみましょう。

ステップ・ドリル応用編「2ステップ・ドリル」

アドレスした状態から、まず右足を上げ(A)、足を踏み込むと同時にテークバックを開始(B)。続いて左足を上げ(C)、クラブがトップに到達する直前に左足を踏み込む(D)。左足の踏み込みにつられるようにして、上半身がダウンスウィング方向に回転していく(E~H)。実際にボールを打ってみてもいい。

画像: ステップ・ドリル応用編「2ステップ・ドリル」
画像: 左足をステップした後、上半身が回転し始める

左足をステップした後、上半身が回転し始める

ILLUST/Kazuhisa Uragami

週刊GDより

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