切り返しで手に力を入れるタイミングが早すぎるとダウンスウィングで手首のリリースが早くなってしまう。そこで今回は、手の力をゆるめ、ヘッドを走らせる感覚を養う2つのドリルをご紹介! 今週の通勤GDは「Dr.クォンの反力打法」の第22話。
【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家女性こそ地面反力
手首をゆるくしてクラブを下ろす
吉田 前回、インパクトまでは手の力はできるだけ抜いておくことが大事だと伺いました。でも、ガチガチに握るクセが付いている人は、手の力を抜くように言ってもなかなかすぐには力が抜けるようになりません。何かいい方法はあるでしょうか?
クォン よくやってもらうのは、「3本指スウィング」だね。
吉田 3本指スウィング?
クォン クラブを握るときに、全部の指で握るのではなく、両手とも親指、人差し指、中指の3本だけでつまむように持つ。その状態でクラブを振ってみてほしい。
吉田 これなら力を入れようにも入れられませんね。
クォン そう。これをやると、手に力が入らないから、自然とクラブが遅れてついてくる形になる。いわゆる「タメ」が自然とできるわけだ。
吉田 それに、この状態で振ると、腕の力に頼ることができないから、自然と下半身を使って振るようになりますね。
クォン もうひとつのドリルとして、「肩担ぎスウィング」も効果的だね。
吉田 肩担ぎスウィング??
クォン クラブを右手1本で持ち、クラブを肩で担ぐように、ヘッド側を左肩に乗せる。
吉田 こうですね。
クォン そのトップの状態から、ダウンスウィングをスタートさせるんだ。
吉田 右手1本だと力が弱いから、どうしてもヘッド側が遅れてきますね。
クォン それでいい。ヘッドが遅れて、遅れて……最後にリリース! 実際のスウィングでも、これぐらい手首をゆるくしてクラブを下ろしてくるイメージがあるといい。
吉田 なるほど。トップから足を踏み込み、続いて腰を回して、それにつられるように腕が落ち、最後にクラブが巻き付くように弧を描いて下りてくる。上半身は最後の最後まで何もしなくていいというのがよくわかります。
クォン まずはこの正しい順番を体に覚え込ませなければ、効率よくスウィングスピードをアップすることはできない。このドリルをやれば、筋トレをしたり、ひたすら素振りで筋力をつけたりするよりも、はるかにラクに、かつ体に負担をかけることなく、飛距離を伸ばすことができるよ。
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ゆるめるドリル①3本指スウィング
両手とも、親指、人差し指、中指の3本でクラブを握り、クラブを振る。下半身のリードを意識して、腕の力に頼らず振る感覚をつかむ。
ゆるめるドリル②肩担ぎスウィング
右手1本でクラブを持ち、肩にクラブを担いだ状態からスタート。左足を踏み込んだ反力で腰を回し、それにつられるようにしてクラブを下ろしてくる。自然とタメができ、最後にヘッドがピュンッと走ってくれる。
ILLUST/Kazuhisa Uragami
週刊GDより
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