ドライバー用シャフトブランドのビッグ4といえば、
・ツアーAD(グラファイトデザイン)
・スピーダーエボリューション(フジクラ)
・ディアマナ(三菱ケミカル)
・アッタス(USTマミヤ)
その中でも歴代モデルのプロツアー使用率が安定して高く、いわゆる「粘り系」シャフトの代表格として地位を確立しているのが「ツアーAD」シリーズだ。その新作が「XC」。
ツアーAD XC(グラファイトデザイン)
手元側のしなりを感じて振りやすい「XC」
新モデルとなる「XC」は前作の「VR」と比べると中間部の剛性を上げて手元側のしなりを感じやすくし操作性を高める一方で、先端部の剛性も高めてインパクト挙動を安定させているという。
最新ヘッドはフェースが精密設計されているため、打点が安定するほど飛距離性能を引き出せる。
岡本プロは「XCはこれまでのシリーズの中でも、特にしなり戻りがゆっくりなタイプに感じました」とコメント。
しなり戻るスピードの速さはインパクトゾーンでのヘッドの加速に対するアシスト感の強さと考えていい。つまり、しなり戻るスピードが速いほどシャフトが勝手に加速してくれる感じになるし、ゆっくりだとヘッドの加速を自分でコントロールする感覚が強くなる。
岡本 しなり戻りがゆっくりなので、トップやインパクトで少しヘッドを待ってあげる感覚が必要です。速いテンポでシャープに振る人より、ゆったりしたスピードでトップに間がある人向き。強い力をかけるとしなり戻りの反動も強くなるので、人によってはインパクトで手元が浮かされてしまう可能性もあります。
青山 50g台でもかなりのしっかり感があって、自分が頑張って力を加えてあげると、頑張った分だけきちんと反応してくれるシャフトです。私のヘッドスピード(38m/s)だと、低く抑えようと頑張って、やっといいタイミングでヘッドが戻ってくるイメージです。HS40m/s以上の男性アマチュアにぴったりです。
スピーダーエボリューションⅥ(フジクラ)
インパクトのブレを抑えた叩けるシャフト
高弾性のカーボンシートを使用することで、インパクト時のヘッドのブレを抑えつつ、飛距離と方向性を高めている。スピーダーの特徴でもある弾き感はそのまま継承。
岡本 しなり量が少なく、しなり戻りスピードも速い。速いテンポでシャープに振り抜く人に合うシャフトです。しなりの影響が少ないので、ヘッドの挙動は一定でスムーズ。ダウンスウィングで腕の動きに連動して自然にフェースが閉じ、ボールがつかまりやすいのも特徴。先端が走りすぎるわけではないので、左にも行きづらいです。
青山 握ると手元側が軽く感じて、切り返しで頑張る必要がなく、操作がラク。女子ツアーでの使用率の高さが納得できる性能です。ダウンスウィングの途中まで下ろしてくると、その先で多少軌道が狂ったとしてもシャフトの走りでカバーしてくれます。シャフト自体が持つ「きれいな円軌道を描く」性能が高いです。
ディアマナZF(三菱ケミカル)
スピード感バツグン、「地面反力」系のスウィングに合う
ディアマナの第4世代として開発された「ZF」。球のバラつきを抑える先端剛性と切り返しで素早く戻るレスポンスの良さが特徴で、フェースも開きにくい。
岡本 弾性感が強く、加えた力に対して、その分の力を鋭く返して、ボールを強く弾いて弾いてくれます。より強い力をかけられる人のほうが性能を発揮できます。ボールは強いが上がるわけではないので、ロフトは多め、あるいは深重心のヘッドで高さを補うとバランスがいい。
%%青山%% ワッグルしてもほとんどしならないので、切り返しでは少し頑張る必要がありますが、いったん、下向きの軌道に入るとスピード感は抜群。球が強く弾かれるので空中でまったくよれません。ジャンプするような「地面反力」系のスウィングで強い力をかけて振る人に合います。
アッタス11(USTマミヤ)
球がラクに上がる高弾道設計
先端部の剛性を高めることで、弾き感と当たり負けない強さを引き出しつつ、インパクトでは先端部のトルクによってヘッドが上を向く軌道を生み出し、アッタス史上最高の高弾道を実現したモデル。
岡本 いい意味で何もしないシャフト。しなり量としては「ツアーAD」と「スピーダー」の中間くらい。オーソドックスな性能でプロや上級者のスウィングを邪魔しない印象。切り返しからの挙動がなめらかでスウィングの特徴が素直にボールに伝わるイメージ。
青山 握ると手元側に重さを感じるのでテークバックを自然にゆっくり上げられます。スウィング中の速度変化が少ない等速スウィングの人にぴったり。球も上がりやすいです。試しにグリップを短く持ってシャープに振ってみると逆に芯に当てづらかったです。
「ゆったり」タイプはツアーADとアッタス。「強く叩く」ならスピーダーとディアマナ
試打ではっきりしたのは、当然だが4モデルはまったく違うシャフトだと言うこと。
「しなり特性による弾き感や粘り感は4本それぞれ違っていて、その違いは一般のアマチュアの方でもはっきり感じ取れるでしょう」と60g台を試打した岡本プロは語る。
一方、50g台を試打した青山プロは「これだけフィーリングに差があると、シャフト側からこういうスウィングがいいよと言われている感じすらあります。そのフィーリングでいえば、ゆったり振るならツアーADとアッタス、強く叩きたいならスピーダーとディアマナという印象です」。
4モデルとも40グラム台をラインナップ
自分のスウィングとマッチしたシャフトを使うことで、球筋のレベルを一気に高めることができる。すべてのモデルに40g台が設定されているのも、女性やシニアゴルファーにはポイントだ。
週刊GD2019年9月10日号
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