実験のルール/各クラブ5球ずつ打ち、飛距離データの良いもので比較
さすがチャンピオンクラブ。5年前のモデルでも飛ぶ!
浦プロが歴代チャンプを5球ずつ試打した結果。最大飛距離に大きな違いはでなかった。ただし、打感や打音に共通点はなく、それぞれ違った特徴を持っていることが改めて分かった。
浦プロ 最大飛距離は変わっていないんですが、5球の平均飛距離はG410プラス(2019年優勝ドライバー)が一番飛んでいました。iDナブラ(2015年優勝)は一発の飛びはいいんですけどね。
5本とも飛んだ理由をクラブデザイナーの松吉宗之さんに聞いてみると、
松吉 データ的には新しいモデルになるほど、だんだんフェースの開閉がしづらくなったはずです。開閉しづらい=慣性モーメントが大きいクラブなんですが、ヘッドが直線に動くので、方向性は抜群に良くなります。
松吉 さらにそこに2本の柱を入れたり、空力特性を加えたりして飛距離が出るように工夫をしています。フェースの開閉によって飛距離を出すナブラは1発は飛ぶのですが平均だと少し分が悪いでしょう。
2015年チャンピオン
iDナブラ RS01(プロギア)
フェースローテーションでつかまえて飛ばすモデル
浦プロ フェース開閉しやすく、弾道が抑えられて飛ぶ。今でも十分武器になります。
iDナブラ RS01
フェース高:58.2mm(ディープ)
重心距離:37.2mm(標準)
重心深度:39.5mm(やや深)
SS高:35.3mm(標準)
慣性モーメント:7023gcm²(標準)
2016年チャンピオン
XR16(キャロウェイ)
石川遼が長く愛用した高弾道ドライバー
浦プロ 打感が柔らかいうえに、しっかりボールが乗ってつかまりがいい。シャローヘッドで高弾道で飛びます。
XR16
フェース高:54.5mm(シャロー)
重心距離:39.5mm(やや長)
重心深度:41.0mm(やや深)
SS高:35.6mm(標準)
慣性モーメント:7684gcm²(やや大)
2017年チャンピオン
GBBエピックスター(キャロウェイ)
2本の柱、ジェイルブレイクテクノロジーで大ブレイク高初速
浦プロ 初速が速く、インパクト音も高くひびき、打っていて気持がいいです! ジェイルブレイク効果ですね。
GBBエピックスター
フェース高:56.1mm(標準)
重心距離:40.3mm(やや長)
重心深度:40.6mm(やや深)
SS高:35.4mm(標準)
慣性モーメント:7124gcm²(標準)
2018年チャンピオン
M4(テーラーメイド)
大慣性モーメント時代の幕開け。「操作性」よりも「ドカ球」が飛ぶ
浦プロ ツイストフェースの効果で球筋が安定します。1Wが苦手な人にもおすすめです。
M4
フェース高:54.7mm(シャロー)
重心距離:43.9mm(長)
重心深度:42.4mm(深)
SS高:36.6mm(高)
慣性モーメント:8674gcm²(大)
2019年チャンピオン
G410 PLUS(ピン)
シブコも使う。巨大慣性モーメントでブレず飛ばす
浦プロ 安心感があり、ヘッドがブレない感じがするので、しっかり叩けます。
G410 PLUS
フェース高:54.7mm(シャロー)
重心距離:45.2mm(非常に長)
重心深度:45.4mm(非常に深)
SS高:38.6mm(高)
慣性モーメント:9527gcm²(非常に大)
クラブデザイナー松吉宗之さんに聞く
「歴代モデルの飛距離は、なぜ大差なかった?」
松吉 5年前のナブラからだんだん慣性モーメントの数値と重心距離、深度の数値が大きくなっています。今の流行りは、大きな慣性モーメントと長く深い重心位置のヘッドです。
松吉 フェースの開閉がなくヘッドが直線的に動くことで、ミスヒットしても大きく曲がることがない平均点の高いクラブになってきたのです。
松吉 ナブラはフェースの開閉が大きくできるので、手を返しヘッドを走らせる打ち方で球がつかまったときの飛距離は抜群。最新クラブで曲がってしまう人にはまだまだ十分使えるクラブと言えます。ただ毎回同じように振れないと方向が安定しづらいのが玉に傷ですが…
今は巨大な慣性モーメントと、大きな重心アングルでやさしく飛ばす!
松吉 慣性モーメントが大きい場合、いったんフェースが開くと戻しづらい欠点があります。それを重心アングルを大きくすることで抑えているのです。こうすると、よりフェースが開かず真っすぐ動きやすくなる。フェースが戻らない怖さがなく、どんどん振れるようになり、さらなる飛距離アップが望めるます。
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