握力? 腹筋? ジャンプ力?
ゴルフに必要な身体能力を検証!
渋野日向子プロ・パーソナルデータ
1998年11月15日生まれ
身長/165cm
体重/62kg
足/26.5cm
グローブ/23cm
握力(右47.2kg・左40.9kg)
20代女子の握力の平均は28kgで、47kgは20代男性の平均値とほぼ同じ。女子プロの平均は30kg前後なので群を抜く握力の持ち主と言える。ソフトボールの上野由岐子選手は50kg以上と言われるが、小学校でソフトボールのピッチャーとして活躍していた経歴からくるものか?
背筋力 84.5kg
腰に負担をかけないように全力での計測は控えたが、それでも20代女子の標準値をマーク。本気を出せば余裕で100kgは超えていたはず。背筋力は全身の力ともいわれるが、彼女の体幹の強さと無縁ではないだろう
上体そらし 55cm
背筋の力で上体をそらし、柔軟性を測る伏臥(ふくが)上体そらし。高校生でピークに達すると言われるが、20歳のいまでもこの記録は立派。スウィング中、体が伸び上がらず、深い前傾角度をキープしたままボールを押し込めるのは筋力と柔軟性のバランスがいいからだろう。
立位体前屈 11cm
大臀筋(お尻)、ハムストリング(太ももの裏側)、腓腹筋(ふくらはぎ)の柔軟性を測る体前屈。20代女子の平均は約12cmであることから、柔軟性はやや低めか。高校時代の体力テストでも体前屈のみ平均よりわずかに低かったそう。
垂直飛び 34cm
直立姿勢から助走せずにその場で真上に飛び上がる垂直飛び。20代女子の平均は約40cmと平均を大きく下回る結果となったが、これは柔らかい芝の上で計測したため、踏み込んだ力が吸収されてしまっただめだろう。本人ももっと飛んだ気がすると、やや不満の残る結果となった。
反復横跳び 57回
高校2年時の体力テストでは、平均47回に対して57回を記録。敏捷性と身体能力の高さがうかがえる。
渋野プロの測定結果に対して専門家は
渋野プロの体力データで突出していた握力について「ゴルファーには絶対にあったほうがいい能力」と断言するのは、筑波大学教授であり、日本ゴルフ協会ナショナルチームで長くフィジカルコーチを務める白木仁先生。
白木 握力が強い人ほど軽く握ってもしっかり握れるからです。とくにその恩恵はラフで大きい。当たり負けせずフェース面のブレを抑え、方向性を安定させられます。
白木先生によれば、ゴルフに必要な身体能力は他の競技に比べ、それほど多くないという。プレーで心拍数は上がらないし、走る必要もない。道具を使うため、技術的な要素が強い。それだけに握力の強さはゴルファーにとっても意味のある身体能力といえる。
ちなみに渋野プロの両親はともに陸上選手。石川遼プロや畑岡奈紗プロも中学時代は陸上部に所属していたそう。渋野プロの身体能力の高さも陸上選手だった両親の遺伝の影響は大きいだろう。白木先生によれば
白木 体力データを見る限り、まだポテンシャルの6割程度しか出力できたいいない感じです。正直もったいない部分もありますが、見方を変えれば伸びしろがあるということ。五輪強化指定選手入りを契機に継続した体力テストを行い、弱い部分を改善、強化していけばさらなるパフォーマンスアップが期待できるでしょう。
週刊GD2019年10月22日号より
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