今週の通勤GDは「Dr.クォンの反力打法」。第34話のテーマはスウィングで大切な2つの回転力、「縦回転」と「水平回転」。クォン教授によると、飛距離に悩んでいる人は「縦回転」の力を高めたほうが効果的だという。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

前回のお話し

吉田 以前、スウィングスピードを高めるためには、「前後軸」と「縦軸」の2つの回転力が重要になるというお話がありました。

クォン わかりやすく言うと、車のタイヤのような縦回転と、コマのような水平回転。ゴルフスウィングはこの2つの回転成分に分解できるということだね。

吉田 野球のように直立した構えで振る場合は水平回転だけを考えればいいけど、ゴルフのように上体を前傾させる場合、スウィングプレーン(回転面)が斜めになる。そこで縦回転が登場するわけですね。

クォン そのとおりだ。

吉田 そうすると、スウィングがフラットな人は水平回転を、アップライトな人は縦回転の回転力をアップしたほうがいいと言えますか。

画像: クラブが短くなれば縦回転が重要になる

クラブが短くなれば縦回転が重要になる

クォン それは一理ある。現に、クラブが短くなればなるほど、水平回転の回転力は小さくなることがデータからも見てとれる。たとえばドライバーの場合、水平回転のモーメントの値は縦回転の81.3%だが、5番アイアンでは68.6%、PWでは63.6%となっている。つまり、クラブが短くなると、回転面が急角度になるぶん、水平回転よりも縦回転が重要になってくるということだね。

吉田 そういえばインパクトで足がピンと伸びるのは、アップライトなスウィングの人に多い気がしますが、やはりそれは縦回転の力を高めるために、縦方向の地面反力をより使っているからなんでしょうか。

クォン そうかもしれない。ただ、フラットなスウィングにせよアップライトなスウィングにせよ、多くの人は縦回転の力を高めたほうが飛距離は伸びると思う。

吉田 どういうことですか?

クォン 縦回転と水平回転、2つの回転力のゴルファーごとの変動係数(COV)を調べると、縦回転は20~23%なのに対し、水平回転は14~19%。この数字が意味するのは、縦回転の力のほうが、ゴルファーごとのバラつきが大きいということ。

飛ばし屋たちはタテ回転重視
インパクトで足がピンと伸びるのは、縦方向の地面反力を上手く利用している証拠。これにより、前後軸の強い回転力を得ることができる

吉田 ゴルファーごとのバラつきが大きい……?

クォン つまり、縦回転のほうが、強い回転力を得られている人とそうでない人の差が激しい。言い換えれば、多くの人が、縦回転の力を高める余地があるということだね。

吉田 飛距離に悩んでいる人ほど、地面反力を利用した縦の回転力アップに努めることで、飛距離アップのチャンスがあるということですね。

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