①逆オーバーラッピング
求めるの「不変のタッチ」
タイガーを筆頭に、逆オーバーラッピングに握るプレーヤーは多いです。ショット同様、左手が上、右手が下にくる順手で握ったうえで、左手の人差し指を右手に乗せるグリップ(左手の中指、薬指まで乗せる人もいる)です。(内藤)
GRIP 01
タイガー・ウッズ
教科書どおりの美しいグリップ
左右の手はほぼスクェア。両手の親指をグリップの真上に真っすぐ置き、両手の間隔をつめて握っている。親指が真っすぐだからこそプレッシャーがかかったときでもフェースの向きが変わりにくい。
GRIP 02
ダスティン・ジョンソン
ショットからの流れを出している
左手ストロング、右手スクェアの逆オーバーラップでカチッと握っている。ショットも左手がストロングなので、その流れを大切にしているのだろう。ここからフォワードプレスして、ゆるみを取って打っている。
GRIP 03
セルヒオ・ガルシア
感覚重視でふわっと握る
マスターズに勝ったときはクローグリップだったが、今年の全米プロは逆オーバーラップに。かなりふわっと握っているのは、感性を重視しているためか。左利きなので左手リードで打つ意識が見られる。
GRIP 04
ローリー・マキロイ
真っすぐな親指で向きが狂いにくい
両手スクェアで左右の手の感覚を広くして握っている。シャフトの真上に真っすぐ置かれた右親指がキレイ。ここが真っすぐだからこそ、右手が悪さしたときでも、フェースの向きが狂いにくい。
GRIP 05
松山英樹
肩をスクェアに構えやすそう
左手ウィーク、右手ストロングのオーソドックスな逆オーバーラップ。左手甲とフェースの向きを揃え、体の中心軸を真っすぐにして肩のラインを水平・スクェアにキープしやすいグリップにしている。
GRIP 06
ジェイソン・デイ
ハンドアップで手首を動かさない
左手ウィーク、右手ストロングのオーソドックスな形。ひじからグリップまでが一面に揃っているのが特徴。少しハンドアップに構え、両手首の親指側を完全に伸ばすことで、手首の動きを抑えてストロークしている。
GRIP 07
パトリック・リード
親指を曲げて指先を使わない
両手の間隔をつめた、お団子型のオーソドックスな逆オーバーラップ。右の親指をちょっと曲げて乗せることで指先を絶対使わないようにしている。右利きで右手を使いすぎるクセのある人におすすめのグリップ。
GRIP 08
ビリー・ホーシェル
テンフィンガー感覚のグリップ
両手の間隔がかなり広く、テンフィンガーに近い逆オーバーラップ。セオリーどおり、両手の親指をシャフトの真上に置いている。ここから少しフォワードプレスして、左手甲を目標に向けた形を作ってから打つ。
GRIP 09
ブルックス・ケプカ
ピンと伸ばした人差し指が特徴
特徴的なのは右手の人差し指を完全に伸ばし、シャフトの右斜め下にピタッとつけているところ。他にはあまり見られないが、右の感覚を生かしつつ、左右の人差し指でシャフトをはさむことで、手首の動きを抑えている。
②クローグリップ
パンチが入らない工夫。多くの名手が採用
クローグリップは右手の利きすぎを抑える効果があり、順手で握るとパンチの入る人、ゆるむ人、手首を使ってしまう人などに向いています。以前は「パットが苦手な人の握り方」というイメージがあったが、現在はB・グレースやT・フリートウッドなどパットの名手揃い。
GRIP 10
ブランデン・グレース
完全に固めて形を変えない
クローの場合、右手の甲を右に向ける選手が多いが、グレースは右手首を甲側に折った状態で正面に向けている。指先までまったくゆるみがなく、カチッと完全に固めていて、形が変わらないようにしているのが特徴的。
GRIP 11
トミー・フリートウッド
折り込んだ手首は形が変わらない
左手をハンドアップにして親指側を伸ばし、左手首の角度をキープ。右手は手首を甲側に完全に折り込むことで、その形を絶対に変えないようにしている。右人差し指と親指でグリップをはさむのはパンチを入れない工夫。
③クロスハンドグリップ
逆手に握ると真っすぐ振れる
クロスハンドグリップは肩のラインを水平に構えやすく、体のセンター軸が傾きにくいのが特徴。さらにストレート軌道でストロークしやすい非常に理にかなった握り方と言える。
GRIP 13
アレックス・レノン
左手とクラブを一直線にする
左手ウィーク、右手スクェアの超ハンドファーストに構えるクロスハンド。左腕からヘッドまでを一直線にして握ることで、左腕とクラブを一体にし、右手首の角度を一切変えないショルダーストロークを可能にしている。
GRIP 14
ジョーダン・スピース
左利き特有の左ウィーク型
左手の甲が地面を向くほどのウィーク。これは左利き特有の左でリードしたい形。どこにもゆるみがなく、カチッと固めているのがわかる。ここからフォワードプレスし、その形を保ったままハンドファーストに打つ。
上手い選手はしっかり握る?
今回、私が感じたのはパットの上手い選手にしっかりカチッと握る人が多かったということです。
平均パット数1位のスピースや、PGAツアーでも指折りの名手であるフリートウッドもそうですが、グレースなどは手がつりそうなくらいしっかり固めて握っているのがわかります。
これはグリッププレッシャーが強いというよりも、どこにもゆるみを作らず形を崩さないことに力を使っていると考えてもらえばよいでしょう。
ふわっと握ると感性は生かせると思いますが、プレッシャーのかかった場面でパンチが入りそうなイメージがあります。ですので私も早速「カチッとグリップ」を試してみようかと思いました(内藤)
(※データはすべて2019年10月23日時点のもの)
週刊GD2019年11月12日号より
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