【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日（土曜日）までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【ゴルフ芸人 高松志門】
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
【志門流一番弟子 奥田靖己】
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。
前回のお話
調子が悪い日、「無理せず無事に」と回ったら好スコア
奥田 こないだ奈良万葉カンツリー倶楽部というコースに行ったら、朝からまた腰が痛くなってきて、コースも結構難しいし、どないしようかと思いました。
高松 いつものあれか。それでゴルフしたん?
奥田 はい。できるかなと思って出て行ったんですけど、1番のティショットでいきなりブリンと左にチーピンですわ。「もう今日のゴルフは無事にホールアウトすることだけ考えよう」と思うて最後まで回ったら…。
高松 いうほどスコアは悪うなかったんやろ?
奥田 そうなんです。最後まで一発もまともな当たりが出なかったのに、2バーディ、1ボギーの71でした。
高松 今日の自分はこういうこっちゃなという認識が早くできないとあかんけど、だめならだめでそれを認めて「今日はもうお休みやな」と思いながらゴルフすると、スコアはそんなに崩れるもんやない。
奥田 ほんま不思議でしたわ。カス当たりばっかりやったんで、ドライバーなんて他の3人に50ヤード以上置いて行かれてたんですけど。
今日の自分を認識した「様子見のゴルフ」に徹した
高松 それでも何とかついて行こうとせんと、「今日はそれでもええわ」と思って回ったんやろ。
奥田 はい。おいて行かれても、腰とかすウイングの様子を見るような気持ちでずっとそろ～と行ってました。
高松 それで唯一のボギーは?
奥田 それが200ヤードちょいのパー3で、「ここはさすがにしっかり振らんとあかんな」と思ったところだけボギーでしたわ。
高松 気合が入った途端に振りは変わるからな。お休み気分でそのままいっとったら、たぶんパーやったわ。
奥田 でもほんまに当たるか当たらんかとはスコアは無関係ですね。
高松 そういうこっちゃ。全部完璧な当たりをしても、「こんなはずやない」と思うほどなかなかパーが来ないし、逆に1回もまともに当たらんでも、「今日の自分はこういうこっちゃな」という認識を早く持てれば、そんな大崩れはない。
調子が悪い日でも「今日はもうお休みや」と思ってゴルフするとスコアは崩れん
気合入れず、様子を見ながら打つゴルフもアリ
奥田 そういえば以前、（フレッド）カプルスが女性用のクラブで試合に出て行ったことがあったらしいですわ。そっちの方がゴルフの内容がよくなるらしいんです。
高松 まあシャフトとかその辺は女性用のままかどうか知らんけど、ただのクラブが自分に合うたから、ゴルフがよくなったわけやないとオレは思うわ。
奥田 はい。たぶんそれが自分にとって異質なクラブやったからでしょうね。そのことがゴルフの内容をよくしたと僕らなら考えますよね。
高松 うん。そういうクラブは様子を見ながらやないと、怖くてよう振れへんからな。自分の調子でもクラブでも、様子を見ながら振っていけば、変なことにはならへんのよ。自分はいまそういう異質なクラブを持っていると認識してな。カプルスなんて若いときからよう飛ぶから、それまではすぐガメってたんちゃうの。
様子を見ながら振っていけば変なことにはならんのよ
奥田 はい。それでブルンと振って、嫌というほどOB打ったんでしょうね。それを直す練習をいろいろやったけど結局その女性用のクラブを使うのが一番手っ取り早いということになったんちゃいますかね。あくまで想像ですけど。
高松 怖いからどうやったってそろっと振るもんな。凸凹があっていかにも危なそうな道と、北海道みたいな舗装された直線の道と、どっちが事故が多いか言うたら、断然後者らしい。それと同じ。
奥田 自分の調子でもなんでも、様子を探るいうことはすごく重要なんですね。
月刊GDより
「ゴルフコースことはじめ」バックナンバーはこちらから↓
志門・奥田の一行レッスンはこちら↓
