数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はヤマハの「RMX 120 ドライバー」です。

プロモデルなのに抜群にやさしい

高慣性モーメントのヘッドですが、サイズは455ccとほんの少しだけ小ぶり。日本のメーカーらしく、作り込みが丁寧で美しく構えやすいですね。(堀越)

画像: ヘッド内部に搭載したブーストリングが反発性能を増大。また、後方にウェートを装着したことで深重心に

ヘッド内部に搭載したブーストリングが反発性能を増大。また、後方にウェートを装着したことで深重心に

実際に打ってみると、初速性能が高く、球の上がりやすさ、つかまりやすさも適度で、全体的なバランスの良さを感じます。

これまでのRMXドライバーは高い操作性で、球筋を操る印象がありましたが、この新モデルではイメージが一変しました。若干の操作性はあるものの、基本的にはオートマチック系で、直進性に優れています。

画像: シャローバック形状でアッパースウィングがイメージできる

シャローバック形状でアッパースウィングがイメージできる

オフセンターヒットにも強く、トウ側の上部やヒール側の下部に多少芯を外しても当たり負けしません。飛距離ダウンも最小限で、方向も許容範囲のラインに収まってくれます。

画像: ディープフェースでスウィートスポットは高め

ディープフェースでスウィートスポットは高め

低スピン&高打ち出しから高初速へと、海外ブランドを中心にドライバーの性能は進化してきましたが、使いこなすにはある程度の技術が必要です。でも、この新RMXの飛ばし機能は“安定”。曲がる怖さがないから、どんどん振れるようになって、飛距離が伸び、スウィングも良くなる。使っても副作用がない秀逸なドライバーです。(堀越)

アッパー軌道をイメージしやすいヘッド形状

実測値でクラブ重量はやや軽いですが、クラブレングスが長めなので、クラブ慣性モーメントが大きくなっており、本来HS45m/sくらいの人がタイミング良く振れる設計です。(松尾)

プロモデルらしく、かぶって見えないフェースアングルが特徴です。ヘッドのトウ側が高いので、アップライトなライ角がより強調されています。またフェース側からヘッドの後方に向かう強烈なシャローバック形状で、アッパースウィングをイメージできます。標準のSシャフトはかなり軟らかめで、HS40m/sくらいでも十分に扱えます。

画像: 三菱ケミカル社製の先中調子シャフト

三菱ケミカル社製の先中調子シャフト

強い球で飛ばしたい人、球の曲がりに悩む人

220モデル同様にヘッドの左右の慣性モーメントが大きいのが特徴ですが、同時にヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも極大なので、ダウンスウィングでのヘッドの返りが遅くなっています。

画像: 強い球で飛ばしたい人、球の曲がりに悩む人

【総合評価】 スピン性能 4.5/つかまり 4/上がりやすさ 4/ミス許容 4/操作性 4 ※5点満点

ヘッド体積/455cc
ロフト角/9.5度、10.5度
ライ角/59度
長さ/45.5㌅
シャフト/オリジナルカーボンTMX-420D(S、SR、R)、
     スピーダー569エボリューションⅥ(S)、
     ツアーAD XC-5(S)、
     ディアマナZF 50(S)
総重量/約299g(オリジナルカーボンTMX-420D・S)
価格(税込)/7万5000円(オリジナルカーボンTMX-420D)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

画像: RMX120ドライバー

RMX120ドライバー

週刊GD2019年12月10日号より

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