ロフトが寝ているクラブほど、実は芯に当てるのが難しい。「ドロー回転」のアプローチは、芯に当ててつかまえる打ち方だから、これをマスターしておけば、それ以外の応用編は割と簡単に打てるようになるというわけ。「ドロー回転アプローチ①」に続き、石川遼プロにくわしく打ち方を聞いた。
画像: 【解説】石川遼 春先に腰を痛めたが、体を鍛え直しドライバーが15ヤード伸び、2019年3勝、賞金ランクは3位

【解説】石川遼
春先に腰を痛めたが、体を鍛え直しドライバーが15ヤード伸び、2019年3勝、賞金ランクは3位

【打ち方①】インから入れてフェースを閉じながら振る

石川 ドロー回転というと、単純にインアウトに振るんだと思う人が多いんです。フェースを開いたまま、手で外に押し出すとシャンクになりやすいんです。

石川 インアウト軌道というのは、インインの軌道で振って、その途中の、インからアウトにヘッドが動いているところでボールをとらえるというのが正解です。最後はインに引くので当然、きちんとフェースをローテーションさせて打ちます。

画像: 【打ち方①】インから入れてフェースを閉じながら振る

手っ取り早く「ドロー回転」のイメージをつかみたいなら、フィニッシュの形をイメージして振るのがいいという。

石川 フィニッシュでトウを上に向けるだけで、インパクトの形や体重の位置など、すべてが勝手に変わるんです。

【ドロー回転のポイント①】ネックが常に体側にあるように

ネックが常に自分に一番近いところにあって、体との距離が一定だと、自然なローテーションになる。

画像: 【ドロー回転のポイント①】ネックが常に体側にあるように

【ドロー回転のポイント②】左サイドに壁を作り、右肩中心に回転

ドロー回転はスウィングの最下点でボールをとらえて、体の回転でさらに「押して」いくので、事前に左の壁ができる。スライス回転だと「当たり負けする」

画像: 【ドロー回転のポイント②】左サイドに壁を作り、右肩中心に回転

【ドロー回転のポイント③】しっかりフェースを開いて閉じる

自然にフェースを開きながらテークバックし、インパクトでそれをスクェアに戻すイメージで打つと球がつかまる。

画像: 【ドロー回転のポイント③】しっかりフェースを開いて閉じる

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【打ち方②】フェースを立てながら当てる

狙ったところまでしっかり届かせる、つまり、上がりすぎたり、不必要なスピンがかかって止まってしまったりさせないために、「インパクトでフェースを立てながら当てるのが大事」と石川遼プロ。

石川 ドロー回転アプローチは、インパクトロフトが58度だとしても、そこからフェースを返しながらボールを押していくので、インパクト後にロフトが少し立っていくイメージで球足が伸びます。同じ58度でも、立てながら当てる58度と、寝かせながら(開きながら)当てる58度では、球足の伸びはまったく違います。

画像: ロフトが立ちながら当たるから、球足が伸びる。「58度のウェッジなを57、56、…と立てながら当てるイメージです」(石川)

ロフトが立ちながら当たるから、球足が伸びる。「58度のウェッジなを57、56、…と立てながら当てるイメージです」(石川)

サンドウェッジは、インパクトが抜けやすい(ボールの下をくぐって、フワッと上がりやすい)ので、ロフトを立てながら当てることで、球足が安定するという。

逆に、球足を抑えたいなら、スライスを打つイメージで、開きながら当てれば、飛ばない球になるのだ。

画像: ヘッドがインからアウトに動く間に打つことで、ロフトを立てながら当てることができる

ヘッドがインからアウトに動く間に打つことで、ロフトを立てながら当てることができる

【ポイント①】手元と体が一緒に動く

ロフトが立った状態のまま当てるには、右わき腹を縮めるようにして、体と手元を一緒に押し込んでいく。

画像: 【ポイント①】手元と体が一緒に動く

【ポイント②】手元だけ前に出すハンドファーストはNG

インパクトで、手元だけを前に出してロフトを立てようとすると、手と体の動きがバラバラになり、ヘッドの挙動が安定しなくなってしまう。

画像: 【ポイント②】手元だけ前に出すハンドファーストはNG

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【距離感の作り方】最下点は「おヘソの下」

怖い怖い、ザックリやトップは、スウィングの最下点さえ把握すれば防ぐことができる。

石川 人によって重心の位置が違うので、重心が真ん中にあれば最下点も真ん中ですが、重心が左足寄りにある人なら、最下点の位置も左にずれます。

石川 目安として、『おヘソの下』に最下点をイメージしておくと、ザックリやトップは出にくくなります。

画像: 「おへその下」を中心に球の高さと球足を決めよう

「おへその下」を中心に球の高さと球足を決めよう

これを基準に考える

画像: 最下点の位置にボールがあれば、高確率でミートでき、ロフトなりの球筋になる。ボール位置をずらせば、球筋を変えることも可能だ

最下点の位置にボールがあれば、高確率でミートでき、ロフトなりの球筋になる。ボール位置をずらせば、球筋を変えることも可能だ

ボール位置を最下点に合わせるのが基本だが、応用として、打ち方はそのまま最下点の右に置けば引く出て転がる球筋、最下点の左に置けば、高く上がって球足を抑えた球筋と、簡単に打ち分けることができる。

打ち方はすべてドロー回転のイメージ

「おヘソ」(=重心)が右にある時点で、ボールがスタンス中央でも、最下点の「後」にヒットすることになり、ボールが上がりやすくなる。ボール位置をさらに左に置けば、ロブも可能。

【ポイント】勝手にボールが上がってくれる構え

画像: 【ポイント】勝手にボールが上がってくれる構え

【ポイント】ヘッドを上から入れるのが得意な構え

「おヘソ」(つまり、重心位置)が左にあると、構えがハンドファーストになり、フェースが立ってとらえやすくなる。ボール位置を右足寄りにするほど転がる距離の多い球筋になる。

画像: 【ポイント】ヘッドを上から入れるのが得意な構え

石川遼プロに3つの質問

Q、寄せるときはドロー回転だけしか使わないの?

A、基本はドローだけどカットにも打ちますよ

下りのアプローチなど、球足を弱めたいときはスライス回転のイメージで、フェースを寝かせながら当てている。

画像1: A、基本はドローだけどカットにも打ちますよ

Q、ティアップして打つ練習は何のため?

A、一番難しい練習をして球をつかまえるんです

ボールの下をくぐりやすいウェッジで、ティアップしてきちんとつかまえられれば、実戦ではやさしく感じられる。

画像2: A、基本はドローだけどカットにも打ちますよ

Q、アプローチはいつもサンドウェッジ?

A、基本はサンド1本ですべてやっています

番手を替えてもいいが、ウェッジをその番手のロフトに立てて打てれば、1本で多くの状況に対応できる。

画像3: A、基本はドローだけどカットにも打ちますよ

月刊GD2020年1月号より

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