【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
Q、室内で振れる練習用クラブ作れませんか?
年末年始のコンペがあるのに、仕事の追い込みで忙しくて、練習する時間が取れません。室内で振れる短いクラブとか、ボールを打たなくても調子が上がるような練習用クラブ、作れませんか?(41歳・HC12・会社員)
A、“素振り”は工夫次第で効果大
まあ、年末年始のコンペくらいは、穏やかにプレーしたいはず。でも、どんな業界も年末進行とかで、練習もせずにぶつつけ本番、てのも、よくある話。
「どうしてもやりくりできなくて、コンペ前日の夜まで、仕事、引っぱるんですよね……。ここのところ、バタバタしていて錬習場にも行けてないんです。何かいいやり方、ありませんかね?」
常連さんの甥っ子で、社会人になってからゴルフを開始。課長といっても日中は外回り、社内ではパソコンに向かって事務処理。
12月は土日もほとんど予定で埋まって、身動き取れないんだそう。
「短時間に効果的、っていうなら素振りぐらいかな」
「ウーン、近くに素振りできるような場所、ないんですよね…··」
まあ、都内じゃ公園でも禁止されてるしな。近くの河川敷まで足を延ばせる時間があったら、練習場に行けるはずだし。
「わかったよ、狭い室内でも振れる練習用クラブ、作ってやるよ。使い古しの7番アイアン持ってきな、それでいじってやるから」
「シャフトを切って、短くしてくれるんですか?」
「それだけじゃねぇよ、ちょっとした味付けで、練習不足を解消しやすくしてやるよ」
短い素振り用クラブ、といっても短くするだけじゃダメ。
「ヘッドに鉛を貼って、重くするんですか?」
「まあ、慌てなさんな。室内での“素振り”をどうするか、をまず考えるんだよ」
椅子に座ったまま素振りできる
50センチの練習クラブ
室内で振るには短いクラブ。でも、小手先で振りやすいから、それだけじゃスウィングに悪影響にもなりかねない。
「だから、2つ、ポイントがある。1つは重くすること。もう1つはライ角度をフラットにすること」
「ライ角度……ですか?」
「そう。それで、イスに座って振るんだよ」
冬ゴルフの練習不足、といってもアベレージクラスより上なら空振りなんてしない。寒いから飛ば
ないのも織り込み済み。怖いのは、芯を外して打球がチョロしたり、目標を大きく逸れることだろう。
「その原因は、腕の振り方。フェース向きが感じ取れなくなるとダメになるんだ」
「ウーン? 体の回転不足とかは関係ないんですか?」
「つま先上がり、打てるだろ。適当に体の回転、抑えてパチーンと。腕がキチンと振れれば、回転不足とか関係なく打てるのさ」
で、その腕の動きを忘れないようにするのが、短いクラブでの素振りの役目。
「イスに座って上体を真っすぐにしたまま、バックルの前にあるボールを打つつもりで振る。右ひじたたんでトップ、伸ばしてインパクト、左ひじたたんでフィニッシュ。肩は少しだけ回ればいい」
「これだけで、腕が体とバラバラにならず、芯で打てるヘッドの動きが手の感覚として残るんだ」
その短いクラブの適度な長さは約50センチ。短いし、ゆっくり動かして重量を感じたいから、シャフトを重くするのがいい。シャフトに砂を詰めるのがベスト。
「ライ角度を50 度ぐらいにして、トップブレードに鉛を貼ると、重心距離が極端に短くなるし、ソールを下げて“ロフトを立てる”フェースターンの感覚がつかみやすくなる。手元が浮かない、正しいひじのたたみ方なら、トウがかぶらないこともわかるよ」
本当は、練習場でティアップしたボールを“ひざ立ち”で打つと、さらにいいんだけどね。まあ、素振りだけでもミート率、上がるよ。
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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