アイアンとUTのいいとこ取り
打ってみての感想としては、とにかく球がやさしく上がることに驚きました。これまでたくさんのアイアン型UTを試打してきましたが、この高さは群を抜いています。通常ロフトのアイアンで表現すると、#2は5I、#3は6I、#4は7Iぐらいの高さで飛んでいきます。(堀越)
初速が速く、低スピンで飛距離性能も高いですが、この弾道の高さなら、グリーンでもボールを止められます。上から打ち込む必要もなく、サラッと振っていくだけで、やさしく球が上がり、飛距離も出てくれます。
厚いソールは抜けが抜群によく、深いラフにボールが沈んでいる状況など、ウッド型UTではミスが出やすい、タイトなライに対する強さもあります。やさしいUTでありながら、アイアンの持つ優位性が、しっかり残されています。
重心距離が長めですが、しっかり球をつかまえられる人なら、HS42m/sぐらいでも使えます。FWやウッド型のUTが苦手な上級者から、ロングゲームで苦労しているアベレージまで、広くおすすめできます。
狭いホールや長いパー3のティショットなどで威力を発揮しますよ。(堀越)
安心感のあるアイアン型UT
慣性モーメントが大きい
3Uとしては、クラブレングス、クラブ重量ともに標準ですが、スウィングウェートがやや大きいので、クラブ慣性モーメントがやや大きくなっています。(松尾)
ヘッドはアイアン型UTらしくシャープな雰囲気で、フェースのトウ側が低いので、アドレスでは球をつかまえすぎないフラット感が出ています。
フェース長が長く、安心感があり、スコアラインがトウ寄りに入っているので、ややトウ側で打つイメージが出ています。3Uを標準Sフレックスで試打しましたが、HS43m/sくらいはあったほうがいいと思います。
ウッド形状が苦手な人、長い距離をラクに打ちたい人
重心距離が長く、ネック軸回りの慣性モーメントも大きいので、ヘッドの返りが遅く、球がつかまりすぎないようになっています。打感は硬め、インパクト音も高いですが、球の弾き感はいい感じです。(松尾)
【総合評価】 飛距離性能 4/つかまり 3.5/上がりやすさ 4.5/ミス許容 3.5/操作性 4.5 ※5点満点
ヘッド/ステンレス17-4(ボディ)、SUP-10(フェース)、タングステン・ニッケル
ロフト角/18度(#2)、20度(#3)、22度(#4)
ライ角/60度(#3)
長さ/39.5㌅(#3)
シャフト/タイトリスト MCI マットブラック70(S)
総重量/約370g(#3)
価格(税別)/4万円
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2020年1月21日号より
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