【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回の話しはこちら↓
Q、グリップの選び方を教えてください
前回、グリップ選びのポイントは“回しやすさ”とありましたが、もう少し詳しく教えてください。太さだけでなく、コード入りの硬めがいいとか、しっとりソフト系がいいとかありますか? (38歳・HC8 ・会社員)
グリップ自体の“トルク”に注意して選ぼう
乾燥といえば、年寄り……いや、ベテランゴルファーは手の脂が減って、カサカサになりやすい。グ
リップも滑りやすくなるだろ。夏場は汗が出るからそれほどでもないけど、寒い季節はグローブやクリームで保温とか保湿とか、気をつけたほうがいいよな。
「オヤジさん、読者から質問が届きました。前回のグリップ選び、素材の硬さとかを補足してほしいようです」
この連載の編集担当さん、普段は電話取材なのに、わざわざ店にやって来たよ。
「ウン、やっぱり回しやすさクがピンと来ないんだな(笑)。スウィング中にヘッドを回す意識で、ゆっくり素振りしたりすると、結構見えてくるんだけどね」
「質問内容だとコード入りとか、素材の硬さ感をどう考えるか、知りたいようです」
「前回も言ったけど、表面の滑りにくさは、どんな素材でも及第点のものが市販されているわけで。硬さ選びは“トルク”に注目するとわかりやすいんだ」
「シャフトじゃなくて、グリップの“トルク”ですか?」
「そう。でも、考え方はシャフトと同じでいい。ねじれやすければ回すタイミングが遅れやすくなる
し、逆なら反応はいいけど、手元に負荷がかかりやすくなる」
ヘッドを固定し、グリップを握ってシャフトを軸に左右に回してみると、手の肉も動くし、グリップ自体も弾力があるぶん動く。
グリップの剛性で、ヘッドの回しやすさが変化
「そうすると、グリップが太くて軟らかいほどグリップが動く、つまりトルクが大きくなる……という感じですか」
「そう。ウィングリップのオーバーサイズ系に多いタイプだな」
トルクの大小はそれぞれ一長一短がある。自動車のハンドルと同じで“遊び”があるほうが滑らかな動きにはなりやすいけど、高速で走らせると頼りなさや不安感が出てくるよな。グリップも、ガチガチでもグニャグニャでもダメ。ちょうどいい硬さがあるんだ。
「イオミックなんかはこのトルクを重視して、いろんなモデルを作っている。STMも、2層構造とかで余計なトルクを抑えつつ、フィーリングも良くしているモデルがあるよ。ゴルフプライドだったら人気モデルの『MCC』が、右手と左手で握る部位の硬さを変えているのがわかりやすいよな」
「ウーン、それって最近の考え方なんですか?」
「いや、実は革巻きグリップの時代は、下巻きで太さと同時に硬さも調整していたのさ。で、ラバーになっても似たようなことはやっていたんだよ」
ラバーグリップ自体の太さは内径60ミリ、58ミリとか作り分けられていて、内径が大きいものほど、装着すると細く仕上がる。
「58ミリをそのまま着けると、ゴムの肉厚で太くなるだろ。で、下巻きを厚くして62ミリを着けて“同じ太さ”にすると、どうなる?」
「あ、下巻きで変わります!」
実際にはグリップ自体の肉厚、下巻きテープの厚さと硬さが全部影響してトルク感が変わるんだ。
「細いグリップはトルク感に差が出にくいけど、標準から太めを使うなら、グリップ自体で太くする
のか、下巻きで調整するのかは、よく考えたほうがいい。基本的には左手部分はトルクを少なく、右手部分は多少あったほうが、振りやすくなるとは思うけどね」
手の軟らかさ、握る力、グローブの違いなんかが影響するから、万人向けのベスト、てのはない。いろいろ試すといいよ。
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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