先週に引き続き「勾玉スウィング」について。勾玉(まがたま)は螺旋(らせん)のカタチをしていて、この勾玉の動きが自然界で大きなパワーを生み出していると説明しました。その螺旋パワー、なかでも「水」を利用して飛距離につなげるという、実に自然で簡単な方法を紹介します。今週の通勤GDは「みんなの桜美式」Vol.16。

前回のお話し

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: ゴルフ向学者 たけひさ先生 篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

ゴルフ向学者
たけひさ先生
篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

水とゴルフ。
関わりなさそうで実は大あり

GD 「水」で飛ばす、ですか。

篠塚 水は自然に任せていると、上から下へと流れます。ですが、お風呂の水を抜くとき、水が渦をつくるのが見れますよね。これを水が起こす螺旋パワーと言います。

篠塚 川の中を水が流れているときも、渦がいろんな形で発生します。水の螺旋運動は、巨大なエネルギーを生み出すんです。スウィングにもそれを取り入れたいという発想です。

GD その巨大なエネルギーを、ゴルフに生かそうと。

篠塚 水とゴルフ、一見なにも関わりがなさそうに思えますが、そんなことはない。なぜなら、人間の体は、ジュニアなら70%、シニアでも50%以上が水分であるといわれています。つまり、人間は水でできている。ならば、体で回転運動を起こすことによって、あの驚異の螺旋パワーを生み出すが如く、スウィングしましょうよと。ゴルフで回転させる、というと、旧来の常識ではクラブという「固形物」を回すことしか頭になかった。スウィング軌道とか、スウィングアークとか、スウィングスピードとか、すべて固形物をどのようにして正確に、大きく、速く回すか、というクラブありきの発想からきている言葉でしょ。

GD 硬い「固形物」を回していたと、たしかにそうですね。

篠塚 硬い固形物を回転運動に変えることは、実は人間にとって得意な動作ではない。硬いものを手にした途端、水で満たされているはずの体もまた、知らず知らずのうちに力んでしまい硬直する。ガチガチの肉体では固形物を正確に動かすことができないものだから、次に考え出したのは利き手である右手を殺すこと。すなわちオーバーラッピングやインターロッキングといった両手合体型のグリップです。

篠塚 グリップを固め、左腕を突っ張って固め、右脚も固め、体と腕をキリキリとねじり上げる。言ってみれば自分の肉体の大切な部分まで硬い固形物にしてしまおうとする、不自然で難しい理論です。

GD 水であるはずの人体を、いつしか氷のようにクラブと同じ硬い固形物にしてしまっていたと。

篠塚 しかし、硬い固形物というのは、一見強そうに見えて、実は弱い。たとえば、何億回という回転をさせなければならない機械があったとします。もし回転に少しでもゆがみが生じ、ガタガタと回っていたらどうでしょう。軸がボロボロになって壊れてしまい、すぐに交換が必要です。その軸がもし人体だったら? 腰痛やひざ痛、そして親指付け根のケガなどの悲鳴を上げているのは、クラブという硬い固形物を振るために、人体まで硬い固形物にしようとした結果ですよ。

水の滑らかさをイメージする力が大事

GD そこで、硬い固形物ではなく、水、の登場ですね。とはいえ、クラブを水に変えることなど、まさかできませんよね。

篠塚 それが、できるんですよ。人間というのは、信じられないほど素晴らしい能力を持っている。それは、イメージする力です。クラブという硬い固形物は、いったんキャディバッグにしまってください。そして、フラフープでもいい、浮き輪でもいい、自分の体がすっぽり中に入るくらいの輪を用意してください(写真①)。

篠塚 その中に、水を入れられれば一番いいのですが、入れられないとしても、フラフープや浮き輪の中に水が入っているとイメージしてください。つまり、自分の体が勾玉(まがたま)だとしたら、その勾玉の中に水が入っていることを想像する(図①)。そして、硬い固形物ではなく、その水を回してみるのです。

画像: 水の滑らかさをイメージする力が大事
画像: 体が入るくらいの輪に水を入れて(入れられなければイメージする)、その水を回す感覚で動く。「液体を回そうとすると、人体まで水に戻って軟らかく動きだすもの。どこにも力が入っていないのに、回転が鋭く大きくなりリズムも出ます。この感じでスウィングしてみるとすごく変わりますよ」(篠塚)

体が入るくらいの輪に水を入れて(入れられなければイメージする)、その水を回す感覚で動く。「液体を回そうとすると、人体まで水に戻って軟らかく動きだすもの。どこにも力が入っていないのに、回転が鋭く大きくなりリズムも出ます。この感じでスウィングしてみるとすごく変わりますよ」(篠塚)

画像: 「水を回すと勾玉が回る。水の螺旋パワーを使うことになるんです」

「水を回すと勾玉が回る。水の螺旋パワーを使うことになるんです」

サラリ、サラリ、と水を回すだけ
人体まで水に戻って軟らかくなる

GD フラフープや浮き輪に入っている水を回すんですね。

篠塚 テークバックでも、ダウンスウィングでも、サラリ、サラリと水を回すだけ。すると不思議ですが、軟らかい液体を回そうとすると、人体まで水に戻って軟らかくなりだす。どこにも力が入っていないようでいて、回転だけはお風呂の水が渦をつくったときのように鋭く大きくなり、フィニッシュまで自然に簡単に加速させられる。

篠塚 それだけではなく、水を回すとゆったりとしたリズムが出る。そして、スウィングをすることにより、体の水が回ると考えれば、ゴルフは体にもよい、最強のスポ―ツだと言えます。みなさんも、軟らかく、そして強い「水」になって、螺旋パワーで飛ばしてみませんか。

画像: 時松隆光プロも、水を回す螺旋パワーでスウィングしている

時松隆光プロも、水を回す螺旋パワーでスウィングしている

週刊GDより

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