桜美式ゴルフを主宰する篠塚武久先生が生徒たちに教えている「勾玉(まがたま)スウィング」。その動きの大元、テンフィンガーグリップについての話を聞いてみました。今週の通勤GDは「みんなの桜美式」Vol.18。

前回のお話し

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: ゴルフ向学者 たけひさ先生 篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

ゴルフ向学者
たけひさ先生
篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

桜美式ゴルフの最新版は「勾玉グリップ」

篠塚 これまで「桜美式」では、自然でやさしいグリップの解説を様々な方法で試みてきました。スウィングの入口であるグリップが、身体にもやさしく、合理的であるべきことを追求し、進化させてきました。

篠塚 もちろん、テンフィンガーで握り、利き手の感性を生かすことの必然性は一貫しています。一昨年は、右手と左手の間に横棒をイメージする「横棒グリップ」でした。昨年は、右手を空手チョップのようにして球を切るイメージの「手刀グリップ」でした。

GD 「桜美式」出身の時松隆光プロが実践して好成績を挙げていて、どちらのグリップも斬新かつ簡単だと好評でした。

篠塚 「勾玉(まがたま)スウィング」を推奨している現在は、さらにグリップの理論を進化させました。名付けて「勾玉グリップ」です。

GD 「勾玉スウィング」の握りが、「勾玉グリップ」ですか。

篠塚 何度も言いますが、みなさんに理解していただきたい大前提は、ゴルフのスウィングは「回転運動」であるということ。体を回転させ、握っているクラブがつられてやはり回転し、それによって生じた力で球を正確に真っすぐ飛ばす。回転運動は、なるべくシンプルでありたい。コマを考えればわかりやすいですが、コマの上側の「面」がブレて波打つことなく、平らに回り続けている限りコマは安定します。複雑な動きなど一切不要。

篠塚 旧来の常識は、体をねじるようにテークバックし、トップからそれをねじり戻すことで飛ばすという発想でした。つまりスウィングを「回転運動」ではなく「捻転運動」としてとらえていた。

GD はい、上半身と下半身の捻転差が飛ばしの原動力になっているという認識でした。

篠塚 でも「ねじる」という動きは、人間にとっては複雑すぎて、とても難しく、不自然なものと再三述べてきました。捻転運動こそが、ゴルフを誰でも上達できるスポーツではなくしてきたとさえ言える。しかも旧来の常識は体をねじるだけでなく、腕までねじってフェースローテーションが求められた。そのため、グリップは両腕を同時にねじるのに都合がいい両手合体型に矯正された。指を絡めたオーバーラッピングやインターロッキングといった複雑で難しく不自然な握り方の登場です。

ねじることからいったん離れる

GD 両手合体型グリップは、人間にとっては不向きな「ねじり」の動きをするための握り方だと。

篠塚 捻転運動は、複雑で苦しく不自然だから、毎回同じ場所にクラブが収まりにくい。再現性が求められるゴルフにはまったく向いていないし、それに体を痛める危険性も高い。

篠塚 実際、ねじりのしわ寄せが両手合体型グリップに現れることが多く、左手親指の付け根をケガするゴルファーが後を絶たない。健康のためのスポーツなのに、ケガする危険なグリップなんてとんでもない。

GD だから、「ねじる」ことから一旦離れて、グリップも「回す」ための握り方にすればいいと。

篠塚 まさにそれが「勾玉グリップ」です。こんなものを工作してきました。「勾玉グリップ」のための小さな勾玉です。

旧来は勾玉を縦にして両手を重ねて握っていた(写真①)。
腕をねじってトップで横にし、それをインパクトでねじり戻して縦にしていた。これだと、ほんのわずかにねじり戻しが早かったり遅かったりしただけで、インパクトでスクェアに戻らない。練習量が少ないアマチュが、この捻るための握り方で真っすぐに飛ばせるわけがない。

「勾玉グリップ」は、体の回転と同じように手に握る小さな勾玉も横に向けて握ります(写真②)。
あらかじめ横に向けて握ると、どこもねじることなく、体の回転と同調させられます。つまり、前述したコマでいうところの上側の「面」と、右手のひらの「面」とをそろえて、あとは体を回すだけ。グリップでクラブを操ろうとする必要などない。

画像: 「手元に小さな勾玉をイメージしてグリップしてみる。勾玉を縦に して両手を重ねて握るとスウィングのどこかに “ねじれ”が生じる。 勾玉を横にして左右分担で握れば体の回転と同調させられます」

「手元に小さな勾玉をイメージしてグリップしてみる。勾玉を縦に して両手を重ねて握るとスウィングのどこかに “ねじれ”が生じる。 勾玉を横にして左右分担で握れば体の回転と同調させられます」

画像: 「胸が回る状態を作るには、胸を締めつける両手合体型グリップではな く、胸が開く左右分担型グリップにすること」(篠塚)

「胸が回る状態を作るには、胸を締めつける両手合体型グリップではな く、胸が開く左右分担型グリップにすること」(篠塚)

GD すると、「勾玉グリップ」も右手のひらを上に向け、空手チョップのようなカタチになると。

胸が開き、体を回転させやすい
最新「勾玉グリップ」

篠塚 左手の甲でスクェアに球を打とうとしていたのが旧来の両手合体型グリップ。「勾玉グリップ」は、右手の空手チョップで球を「切る」イメージ。それは、以前「手刀グリップ」の回で説明した通り。両手を重ねて絞るような旧来のグリップだと、胸が締めつけられて体が回る状態を阻害してしまう。「勾玉グリップ」なら、両手を離しているから胸が開かれ、体を回しやすいという利点もある。

GD やってみると、確かに手でなにも特別な操作をしなくとも、体をスムーズに回せて、簡単にクラブで球に力を伝えられる感じがします。球が右に出るかと思いきや、不思議とそんなこともない。

篠塚 腕をねじらないから、「振り遅れる」ということ自体がなく、言ってみれば、いつでもスクェアの状態が保てるのが「勾玉グリップ」です。なかなか上達できない方は、このまったく新しいグリップで、新境地を開いてみませんか?

画像: 時松隆光プロの勾玉グリップ

時松隆光プロの勾玉グリップ

週刊GDより

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