飛距離を重視するドライバーや3Wと違って、ユーティリティ(UT)はグリーンを狙っていくクラブ。試打経験の豊富なクラブフィッター・小倉勇人さんは、UT選びの肝は"イメージ通りの弾道が打てる"ことと言う。最旬モデル18本の試打結果と合わせて、今年こそ最愛のUTを見つけよう。
画像: 【試打解説】小倉勇人 ギアの試打経験が豊富で分析力に長けるクラブフィッター。HS42m/s前後で計測

【試打解説】小倉勇人
ギアの試打経験が豊富で分析力に長けるクラブフィッター。HS42m/s前後で計測

今どきUT選びの大前提
「操作したい」「曲げたくない」
球筋イメージで選ぶモデルは変わる

小倉 同じ番手でもクラブのタイプや特性で球の飛び方やキャリーが変わってきます。球筋をコントロールする「操作性重視」タイプ、ボールを曲げたくない「直進性タイプ」、スライサー向けの「つかまり重視」タイプなど、自分の求めるタイプを選びたいですね。

こんなふうにタイプが分かれる

画像: 今どきUT選びの大前提 「操作したい」「曲げたくない」 球筋イメージで選ぶモデルは変わる

重量フローが肝心。
差すべきシャフトの重量も見えてくる

小倉 振ったときの感覚を揃えるために、短い番手ほど総重量が重くなるのが正解。ヘッド自体が短い番手になるほど重くなるように作られていますが、モデルによってはその重量が足りないことも。その場合、シャフトの重量を調整して重さのフローを作りたいですね。

HS45~47m/s
1W:305-315g
FW:320-340g
UT:350-400g
5I:405-420g

HS41~43m/s
1W:295-300g
FW:310-330g
UT:340-380g
5I:385-395g**

HS40m/s以下
1W:270-290g
FW:290-310g
UT:315-370g
5I:350-375g

まずは操作性重視5モデルの試打結果

操作性重視
スリクソンZH85(ダンロップ)

画像: 試打クラブはロフト22度。総重量346g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量346g(純正Sシャフト)

小倉 少し開き気味の顔。UTはもともとつかまりやすいクラブですが、左への不安がなくて打ちたい球をイメージしやすい。オーソドックスなUTで扱いやすいですね。

初速:56.5m/s
打ち出し角:13度
スピン量:5644rpm
キャリー:191.6Y

操作性重視
オノフ フェアウェイウィングスKURO(グローブライド)

画像: 試打クラブはロフト24度。総重量363g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト24度。総重量363g(純正Sシャフト)

小倉 ディープフェースでラフからも球を打ちやすく、スピンが入って弾道をコントロールできます。しかも、出っ歯で球を拾える。いろいろな状況で頼れるモデルです。

初速:54.2m/s
打ち出し角:14度
スピン量:5937rpm
キャリー:181.0Y

操作性重視
TS2(タイトリスト)

画像: 試打クラブはロフト23度。総重量359g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量359g(純正Sシャフト)

小倉 コンパクトでバランスが整った形状です。トウ側がやや開いてつかまりはニュートラルから少し逃げ気味。高さが抑えられてアイアンみたいに操作もできます。

初速:56.4m/s
打ち出し角:13度
スピン量:5616rpm
キャリー:194.0Y

操作性重視
TS3(タイトリスト)

画像: 試打クラブはロフト23度。総重量361g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量361g(純正Sシャフト)

小倉 重心距離が長めなのか"ちょい逃げ"の特性で、球をつかまえる技術があるアスリートが振り切れます。逆球が出ることなく、イメージした弾道で狙えます。

初速:55.2m/s
打ち出し角:13度
スピン量:5701rpm
キャリー:187.1Y

操作性重視
MizunoPro UT(ミズノ)

画像: 試打クラブはロフト22度。総重量353g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量353g(純正Sシャフト)

小倉 弾きの良さがありつつ、ニュートラルな特性です。適度なスピンが入ってドロー・フェード、高い球・低い球と打ち分けやすい。バランスが良い実戦的なUTです。

初速:56.0m/s
打ち出し角:15度
スピン量:5330rpm
キャリー:192.8Y

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画像1: golfdigest-play.jp
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つづいて直進性重視の5モデル

直進性重視
エピックFLASHスター(キャロウェイ)

画像: 試打クラブはロフト23度。総重量347g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量347g(純正Sシャフト)

小倉 逃がし気味のキレイな顔立ち。大きめサイズでヘッドのターンが抑えられて、大型ドライバーとの相性も◎。重心が深くて直進性が高く、球が曲がりにくいです。

初速:55.3m/s
打ち出し角:16度
スピン量:5210rpm
キャリー:193.1Y

直進性重視
G410ハイブリッド(ピン)

画像: 試打クラブはロフト22度。総重量347g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量347g(純正Sシャフト)

小倉 ヘッドのややトウ側にボリュームがある面長のフェースですが、顔つきはクセがなくて構えやすい。打点がバラけても曲がりにくいし、重心が深くて出球が高いです。

初速:56.5m/s
打ち出し角:15度
スピン量:4431rpm
キャリー:196.0Y

直進性重視
スーパーハイブリッド(キャロウェイ)

画像: 試打クラブはロフト20度。総重量330g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト20度。総重量330g(純正Sシャフト)

小倉 UTとしてはヘッドが大きくてやさしさがあり、イメージとしては短いFWです。重心距離が長くて球が左に行きづらい。FWが苦手な人でもやさしく飛ばせます。

初速:56.6m/s
打ち出し角:16度
スピン量:4992rpm
キャリー:204.2Y

直進性重視
M6レスキュー(テーラーメイド)

画像1: 試打クラブはロフト22度。総重量336g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量336g(純正Sシャフト)

小倉 トウ寄りに膨らみがあるカタチで、球がつかまりすぎないイメージがあり、ミスヒットにも寛容です。スピンが少な目で直線的に飛ばせるUT。

初速:56.4m/s
打ち出し角:15度
スピン量:4915rpm
キャリー:194.0Y

直進性重視
RMX(ヤマハ)

画像: 試打クラブはロフト22度。総重量343g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量343g(純正Sシャフト)

小倉 クセがない形状でありながら、リーディングエッジが出て丸みを帯びているので球を拾いやすい。直進性がありつつ、操作性も残しています。落ち着いた飛び方です。

初速:54.9m/s
打ち出し角:17度
スピン量:4973rpm
キャリー:194.3Y

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スライサー向けのつかまり重視モデル

つかまり重視
ツアーB JGR(ブリヂストン)

画像: 試打クラブはロフト22度。総重量342g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量342g(純正Sシャフト)

小倉 シャローにして重心を下げていますが、スピンがしっかり入るので球が上がりやすい。オフセット感がありアイアンっぽく打てますし、ローテーションしやすい。

初速:55.2m/s
打ち出し角:17度
スピン量:5524rpm
キャリー:188.4Y

つかまり重視
T//WORLD XP-1(本間ゴルフ)

画像2: 試打クラブはロフト22度。総重量336g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量336g(純正Sシャフト)

小倉 ヘッドが大きくて球が曲がりづらく、出っ歯でボールを拾いやすい。ソールのミゾによって初速が出て、インパクトでロフトが立つような感じで飛距離が出ますね。

初速:56.2m/s
打ち出し角:15度
スピン量:5628rpm
キャリー:189.6Y

つかまり重視
ゼクシオイレブン(ダンロップ)

小倉 やや出っ歯にして重心が深くなっているので、球を拾いやすく、打ち出しが高いです。ヘッドターンしやすいですが、極端につかまりすぎるわけではありません。

画像1: 試打クラブはロフト23度。総重量329g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量329g(純正Sシャフト)

初速:54.9m/s
打ち出し角:17度
スピン量:4251rpm
キャリー:193.0Y

つかまり重視
ゼクシオエックス(ダンロップ)

画像: 試打クラブはロフト23度。総重量343g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量343g(純正Sシャフト)

小倉 黒いカラーリングで締まって見え、ヘッドの重さを感じます。スピンが入って球が浮き、安定して飛びます。シャキッとした振り心地のシャフトで当てやすい。

初速:55.6m/s
打ち出し角:17度
スピン量:5892rpm
キャリー:188.5Y

つかまり重視
UFO byパワートルネード(キャスコ)

画像: 試打クラブはロフト22度。総重量337g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト22度。総重量337g(純正Sシャフト)

小倉 ヘッド後方の肉付けで重心が深くなり、芯を外しても球がブレにくい。ヘッド後方のヒール側にやや膨らみがあって、ターンのしやすさを感じます。

初速:55.2m/s
打ち出し角:14度
スピン量:5941rpm
キャリー:186.6Y

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アイアン型UTも健在

G410クロスオーバー(ピン)

画像: 試打クラブはロフト23度。総重量353g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量353g(純正Sシャフト)

小倉 同じロフト帯のウッド型UTとクラブ長さがあまり変わらないので、アイアン型でも飛ばせて高さもでます。球をひっかけづらくて逆球が出ず、直進性が高い。

初速:56.0m/s
打ち出し角:15度
スピン量:4966rpm
キャリー:193.2Y

スリクソンZU85(ダンロップ)

画像: 試打クラブはロフト23度。総重量355g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量355g(純正Sシャフト)

小倉 重心が低く深いので、アイアン型UTとは思えないくらい、球がやさしく上がります。なおかつ直線的に飛んで、タテ距離がブレません。安定感が抜群ですね。

初速:55.1m/s
打ち出し角:17度
スピン量:5382rpm
キャリー:187.8Y

egg i+(プロギア)

画像2: 試打クラブはロフト23度。総重量329g(純正Sシャフト)

試打クラブはロフト23度。総重量329g(純正Sシャフト)

小倉 フェースが面長で重心距離が長いので、球が曲がりにくくて方向が出しやすい。しかも、前へ飛んでいきます。ウッド型のやさしさをアイアン型で追及した印象

初速:56.0m/s
打ち出し角:18度
スピン量:5200rpm
キャリー:191.1Y

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