シャフトを寝かせるとは
プレーンに乗せるということ
寝かせる意識で初めて軌道に乗る
なぜシャフトを寝かせるのか。平塚哲二は「クラブをオンプレーンに乗せるため」だと言う。
平塚 まず注意してほしいのは、シャフトを寝かせると言っても、前傾した背骨に対して90度のラインよりも寝ることはありません。目指すのはこの90度のラインで、それには寝かせるくらいのイメージがいいということ。
平塚 その結果、インサイドからヘッドが下りて、低い位置からボールにコンタクトできるわけです。スウィングの再現性が高くなり、エネルギー効率も高くなります。
プレーンに乗せる①
軌道が安定する
背骨のラインに対して90度の位置からクラブが下りてくると再現性は高まる。ヘッドに重さがある以上、物理的に必ずシャフトは寝るが、腕の力を使って下ろすとプレーンから外れてしまう。
プレーンに乗せる②
ミート率がアップする
プレーンにクラブが乗れば、いつも同じ角度でボールにコンタクトできるためミート率がアップする。スウィング中は「シャフトを寝かせる」ことに集中するだけになり、考え方がシンプルになる。
平塚 シャローイングという言葉が流行っていますが、自分の場合、低い位置からヘッドを入れることは昔から実践していました。それが年齢とともに感覚が変わり、意図的に意識しないとできなくなってきた。それがシャフトを寝かせるという動きなんですよ。
プレーンに乗せる③
ボールにパワーが伝わる
スウィングの再現性が高まると、結果的にエネルギー効率も高くなる。手先で合わせるインパクトではなく、体全体でフェース面をスクェアに戻すため、力が伝わりやすくなり、平均的に飛距離がアップする。
「寝かせればいい」わけじゃない!
胸を開きながら寝かせてみよう
シャフトを寝かせることのメリットはハンドファーストでインパクトできることだと平塚。
平塚 力を発揮するために必要なのがハンドファーストでインパクトすることです。野球のピッチャーが速い球を投げるとき、腕は必ず遅れて出てきますよね。それと同じで体が回転してからヘッドがついてくることが大事なんです。
平塚は振り遅れる感覚が必要と言うが、注意すべきは右ひじの位置だと続ける。
平塚 シャフトを寝かせようとすると手元を体の右横に落とす人がいますが、これだとヘッドが垂れるだけ。右ひじを体の内側に入れることでシャフトは自然と寝てくれます。
シャフトの寝かせ方①
体を回しながらダウン
同じ振り遅れでも体が回転しながら振り遅れるのと、体が止まった状態で振り遅れるのでは、インパクトの形が変わる。体が回転して胸が開いた状態でインパクトするから、ボールに力が伝わる。
シャフトの寝かせ方②
右ひじを体の正面に入れる
体の回転を先行させながら腕を下ろすときに、手元を体の横ではなく正面に入れる。右ひじを体の内側に入れるように動かすと、ヘッドが垂れずにシャフトが寝た状態になり、オンプレーンで振れる。
胸を開いても、
下半身が回れば振り遅れない
シャフトを寝かせることでハンドファーストになるメカニズムは分かったが、そのままでは振り遅れるイメージが残る。平塚はだからこそ下半身の動きが重要になると強調する。
平塚 シャフトを寝かせてヘッドを遅らせると当然振り遅れます。そこを解消してくれるのが下半身リードです。むしろ、こっちの動きがとても大事。腰が回っていないと結局手先を使うので、スクェアなインパクトは作れません。下半身が先行して初めて、手は何もしないという感覚が生まれるんです。
平塚 回し方で大切なことは左右の腰骨の高さを変えないこと。自分はどうしても右腰が下がるので、ダウンスウィングで右腰を高くする意識をもっています。
シャフトを寝かせる動きはオンプレーンに振るために効果的だが、上半身だけでそれをやろうとすると振り遅れるということか。また下半身の回転はスウィングスピードを生み出すもので、飛ばしには必要不可欠だと言う。
平塚 シャフトを寝かせる動きは方向性を上げるためのもの。下半身のかいてんは飛距離をアップさせるものです。右足の股関節の周囲が筋肉痛になれば、下半身を使って地面を踏んでいる証拠です。
ポイント①
後ろからお尻が見えるくらい回す
スウィング中に止める動きは一切入らない。「壁」や「止める」という言葉は忘れよう。下半身が止まれば手が浮いてヘッドは下に垂れるので、動き続けることを意識しよう。
ポイント②
右腰の位置をキープし続ける
ダウンスウィングで右腰が下がると体の軸が傾いて下からあおる打ち方になる。右腰の高さを変えないように腰を回転させることで、シャローに入りながらボールにコンタクトできる。
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