レーダー式弾道計測器の最高峰
「トラックマン」と「フライトスコープ」
ボールをレーダーが追尾。精度の高さは折り紙付き!
クラブデータが若干違う
もともと軍事用に開発されたレーダーで計測する「トラックマン」と「フライトスコープ」は、インパクトから着弾地点まで実際の弾道を追尾している。
計測地点がフラットで設定が正しいことが前提になるが、飛距離や打ち出し角、スピン量などのボールデータは、どちらも正確に算出するため精度が高い。
両者の違いは、わずかではあるがクラブデータに表れる。 どちらも「インパクトの瞬間のクラブの状態」を測定しているのだが、「トラックマン」は「ボールがもっともつぶれた瞬間」、
一方の「フライトスコープ」は 「フェースがボールに触れた瞬間」を「インパクト」と定義しているためだ。
テストした後藤プロによると 「クラブデータとボールデ ータ、つまり打ち方とその結果の弾道をリンクさせて、 理想の飛距離と弾道に近づけることが計測器を使う目的。どちらが正しいというものではない し、トッププロでも違いがわからないかもしれません」
トラックマン4
価格/236万5000円~
大画面で 打点位置まで測定可能
「アタックアングル(入射角)」や「フェースアングル(インパクト時のフェース向き)」はもちろん、フェースのどこに当たったのか打点位 置までわかる。
「レーダー計測器なのに打点位置がわかるのは驚き。これならレッスンで視覚的に教えられます」 (後藤プロ・以下同)
パッティング以外は オールインワンアプリで データが見える
「TrackMan」アプリをダウンロードすれば、その アプリ内でほぼすべてのデータを管理することが できる。
「モード毎に別のアプリを開く必要がな く使いやすい。パッティングだけ別のアプリですが、近々アップデートで一緒になるらしいです
パッティングは「Trackman Go」アプリで計測可
「TrackMan」の 日本語対応アプリが「TrackMan Go」。パッティングデータはスウィングテンポや スキッド(ボールの横滑り)の距離などがわかる
米国大学がゴルフ特待生の入学試験に採用
コンバインテスト
60~180Yのショットとドライバ ーショットの距離と方向の正確性によって採点。 PGAプロも調子のバロメータ ーとして利用しているという
フライトスコープX3
価格/209万円~
クラブ、ボールのデータと見比べが楽
クラブとボール、合わせて25にも及ぶデータが画面下に表示されるので、弾道とクラブデータのリンクがしやすい。
「トラックマンと取得できるデータに違いはないので、 画面の見やすさなどグラフィックで選んでもいいかもしれません」
専用アプリのダウンロードで 自分好みにカスタマイズ
トラックマンとは違い、ショートゲームやスキルテストなどには別アプリのダウンロードが必要。
パッティングデータは「FS Short Game」で
ほとんどの項目が日本語対応してお り、直感的でわかりやすい。また同じアプリでアプロ ーチデータも測定できる
ゲーム感覚で腕を磨ける「FS Skills」
指定された距離に ダーツゲームで見られるようなブル ズアイを目標に、 どれだけ正確にシ ョットが打てるかを競う
「これについては人それぞれ好みがあると思います。実際にすべてのアプリが必要だという人は、それほどいないのでは? 必要のないアプリはダウンロードしなければいい」
カメラ式弾道計測器
正面からヘッドとボールを撮影
高速度カメラでインパクトを逃がさない
PGAツアーの革命児と呼ばれるブライ ソン・デシャンボー。 本戦ラウンド後も練習場で計測器を使用し、データ解析は夜にまで及ぶことも
飛球線後方に置く「レーダー式」とは異なり、体の正面に置いてボールやヘッドをカメラで撮影して計測するのが「カメラ式」。
正確なフェースデータがとれるとプロにも人気が高い。
GCクアッド
価格/約220万円~
1秒間に2000枚撮影できる高性能カメラ4台でボールとヘッドを撮影し、画像をコンピュ ータが解析処理する「GCクアッ ド」。
「ボール位置から飛球線前方30㌢までをカメラで捉えており、飛距離は計算値になります。しかし、フェース面やボールをカメラでしっかりとらえているので、打点位置やスピン量といったデータ の精度には自信があります」と担当者。
なお「GCクアッド」の 「インパクト」はフェースがボールに触れた瞬間だ。
「スピンの感覚がいちばん合っている」
「弾道の割にスピン量が少なく出る計測器が多いのですが、この『GCクアッ ド』は自分の打った感覚とスピン量が概ね一致していて精度の高さが伺えます。本体に直接データが表示されるのも使いやすくていい。本体を置くだけで使えて、スマホやタブレットが必要ないのもメリットだと思います」
デシャンボーはパッティングにも活用
パッティングでもフェースアングル や打点位置などがわかり、インパク ト後にボールが順回転を始めるまでのキャリーやスキッドまで計測できる
弾道測定器スカイトラック
価格/26万5000円~
「美しいグラフィックでわかりやすい」
カメラで弾道を捉えて計測する「スカイトラ ック」は日本プロゴルフ協会推奨品。
「値段も手ごろでフィッティングやインドアスタジオ で多く使われています。プロジェクターで投 影されるグラフィックとデータは見やすい。ただ打ち出し角の精度に疑問が残りました」
ここからは個人にもおすすめ!
小型レーダー式計測器はどれくらい使える?
レーザー距離計で正確さを測定!
小型レーダー式計測器は「トラックマン」や「フライトスコープ」と違い、ボールを追わず、ある一定地点までのボールデータやヘッドスピードを基にした「計算値」でデータを算出する。
「確かに計算値は正確性には欠けるでしょう。でも、毎回、同じようにスウィングできるプロではないのですから、そこまで正確な飛距離が必要でしょうか?実際のコースでは風も吹けば、打ち上げ や打ち下ろしもあり、同じように スウィングしても簡単に10ヤード以上変わります」。
「それに計測器を使うのは練習場ですよね?1球ごとの正確な飛距離よりも、いい当たりをしたらどのくらい飛んで、ミスするとどれだけ飛距離が落ちるのか、おおよその飛距離がわかるだけでも十分練習になります。 スウィングを変えると、どれだけ飛距離が変わるのかを体感するチェッカーとして使うんです。 実測値と比べるとどれも甘めなので、その数値が自分の本当の飛距離ではないことは覚えておいてください」(後藤プロ)
フライトスコープ譲りの精度でこの価格
フライトスコープ ミーボ プラス
価格/29万1500円~
ミーボ プラスは飛距離精度がピカイチ!
総飛距離、キャリー、HS、ボール初速、打ち出し角、スピン量、ミート率、入射角、打出し方向、スピン軸、ラン、左右ブレ幅など全15項 目をスマホやタブレットの アプリで表示。
「精度も高く、持ち運びも便利。個人だと価格帯がネックですが、 コレ欲しい!」
スウィングキャディSC300
価格/8万7780円
スピンが本体に表示されれば最高
キャリー、総飛距離、 HS、ボール初速、打ち 出し角、ミート率、高さ、 スピン量の8項目を計測しているが、本体にはスピン量が表示されない。
「本体だけ持って練習場へ行き、帰ってきた後にデバイスに同期すればスピン量もわかります。置くだけでいいので簡単です」
ゴルフスウィングトレーナー GST-7 BLE
価格/オープン(実勢1万6500円)
記録件数の多さと、クラブごとの平均値を表示できるのが嬉しい。
「素振りでも反応するので変な 力みがなく自分のポテンシャルがわかります」
ニュー レッドアイ ポケット
価格/オープン(実勢8390円)
HSや飛距離だけでなく、累積消費カロリーを表示できるというアイデア商品。
「なんといっても価格がいいですね、まずこれから始めましょう!」
スウィング軌道をチェックするならコチラ!
センサー式スウィング計測器
「レッスンでは飛距離よりもスウィングに重点を置きます。自分のスウィング軌道を知ることは上達への近道なんです」と後藤プロ。
普段なかなか見られない自分のスウィング軌道を可視化してくれる計測器も発見!
使い方はシャフトやグローブにセンサーを取り付けるだけ。正しいスウィングへの近道かも。
ソニー スマートゴルフセンサー
価格/3万9578円
「スマホ連動で、勝手に録画してくれる。さすがソニー製
日本プロゴルフ協会が監修したスウィング計測器。
HS やスウィング軌道だけでなく、アタックアングル、クラブパス、フェースアングルの3項目も計測できる。
「軽いのでシャフトに付けても違和感がない。使い勝手もいいけど、もう少しボールデータが欲しいので、『スイングキャディ』とセットで使うのがオススメ」
ユピテル ゴルフスイングトレーナー GST-5 Arc
価格/オープン(実勢3万3000円)
「フェースの開閉、スウィングの軌道がわかるのは嬉しい」
モーションセンサーとレーダー測定器を一緒に活用することで、スウィング軌道だけでなく、ボールデータも取得できる。
「発売開始して7年経つが、性能としては必要十分だと思います。レーダー測定器はボールスピ ードが甘めに出ますが、飛距離の精度は悪くない。グラフィックの見栄えがもう少しよければ」
Zepp ゴルフ2 スイングセンサー
価格/オープン(実勢2万1976円)
「グローブに取り付けるだけで 付け替えなくていい」
グローブに装着するので、番手交換で手間取らず楽に測定が可能。
「HS、テンポ、クラブプレーン、ハンドプレーンのほか、バックスウィングの角度が測れるのが面白い。その項目の説明ビデオがアプリ上で見られる。スウィング改善にひと役買いそう」
プロやスタジオ向けのハイエンドモデルから、個人でも手が届くお手軽モデルまで、さまざまな計測器が進化を遂げる昨今。自身のスウィングを可視化して、さらなるレベルアップにトライしてみてはいかがだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2020年4月28日号より
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