ミスの原因は小さなスウィングに隠れている
自宅で練習、といえばパット練習が一般的だが、「自宅だからこそ身につけたいのが1Yアプローチです」と高橋プロ。
高橋 1㍎という短い距離のアプローチにはダフりやトップなどのミスの原因が隠れていて、ごまかしがきかないんです。1㍎がしっかり打てなければ10㍎も30㍎も打てませんよ
いわばアプローチの基礎中の基礎というわけだ。
高橋 でも練習場での1球を1㍎のアプローチに使うのはもったいないですよね。そこで、心おきなく球が打てるじたくで、1㍎アプローチの練習をしてみましょう。目標物はクッションや座椅子、マットはトイレや台所用のフロアマットでもOKです。また100円ショップなどで打っている人工芝があれば便利です。
高橋 練習時の音が気になる方は、マットの下にタオルを敷くと防音に効果がありますよ。
高橋 最初は座面に向けてひたすら練習してみてください。このとき、ボールの高さや落下地点にブレがないか確認しておきましょう。慣れてきたらテープで目標を付け、そこに当たるように打ってみてください
では打ち方と構えはどうだろう。
高橋 1㍎だからと手先で打ったり、力をゆるめて距離を合わせては意味がありません。一定の振り幅とテンポで打つことが重要なんです。下半身は無理に固定しなくてもいいですが、体の上下動がないように注意しましょう。
1㍎アプローチ 3つの効果
①体幹を使って振るようになり「スウィングの再現性がアップ」
高橋 1㍎のような小さなスウィングは手が悪さをしてしまいがち。腕の力は抜いて、上半身の捻りでボールを打ちましょう。この練習を10分ほど続けていると、腰や腹筋がつらくなってくると思います。これが体幹を使えている証拠です。次第に腕と体が一体化し、ヘッドの軌道が安定するようになります。
②打点を意識しやすく「ダフり、トップが激減」
大きなスウィングではフェースのどこにボールを当てるか意識することは難しいが、小さいスウィングでは意識しやすい。打点を意識することで、ヘッドの上下、左右のコントロールができるようになり、ダフりやトップの防止に効果的だ。
また狙った打点で打つことによってスピン量のコントロールもできるようになる。
③入射角をチェックでき「出球の高さが安定」
アプローチでザックリが多い人は、ヘッドの入射角が鋭角になっているケースが多い。小さい振り幅で打つ練習をすることで、インパクトゾーンでヘッドをゆるやかに動かしソールを滑らせるように打つストロークが身につく。さらに軌道が安定することで出球の高さが揃うようになる。
高橋プロおすすめ! 4つの練習法
毎日15分で1か月後にはアプローチ名人!?
練習①「手打ちになる人」
タオルを巻いて手の使い過ぎを抑える
高橋 グリッププレッシャーが強い人は、ダウンスウィングでのリリースが早くなり、ダフりやトップが出やすくなります。グリップにタオルを巻いて打ってみましょう。握りが自然に弱くなり、太くなることで手首が使えなくなります。右手首のリリースが早くなる手打ちの動きも抑えられるようになりますよ。
練習②「打点がバラつく人」
トウとヒール側にガムテープを貼って打つ
高橋 フェースの芯でボールをとらえるためのドリルです。フェースの中央部分を1.5㎝ほどあけておき、トウとヒール側にガムテープを貼ります。打ったときの音と感触で、芯でとらえたかどうかがすぐ分かります。打感が分かりにくいときはガムテープを2重に貼ってみてください
練習③「高さが揃わない人」
中間地点にボールの箱を置いて打つ
高橋 1㍎での出球の高さのバラつきは入射角が不安定な証拠。ダフりやトップにもつながります。1㍎の中間辺りに1スリーブの箱を置いて、それを越すドリルをやってみましょう。1箱をクリアできたら次は2箱。3箱をクリアできれば十分です。ただしボールの落下地点が1㍎未満であることが条件ですよ。
練習④「ザックリが多い人」
毛布の上の沈んだボールを打つ
高橋 最も難しいのが、この毛布を使ったドリルです。毛布の上でやや沈んだボールを打つには、ヘッドをキレイに横から入れないといけません。そしてソールを滑らせながら長く払うように打つ技術が求められます。入射角がきつく、リーディングエッジから接地すると毛布がめくれてしまうので、シビアなヘッドワークが求められますよ。
簡単でメリットだらけの1㍎アプローチ。自宅にあるもので出来るので、ぜひ挑戦してみてはいかがだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2020年5月12・19日合併号より
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