「頭を残せ」とよく言われるがそれは結果的なもので、意識するものではないとクォン教授は言う。今週の通勤GDはDr.クォンの反力打法 Vol.41

前回のお話し

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

吉田 ステイ・ビハインド・ザ・ボールという言葉がありますが、頭を最後まで残しておくことは、反力打法的にもやはり重要なことなのでしょうか?

クォン 今回は頭の動きについてだね。ではまず下の図を見てみよう。これはあるツアープロのダウンスウィングだ。

吉田 赤い点が頭の位置ですね。

クォン うむ。頭の中心を赤い点で記している。

吉田 これを見ると、トップから切り返してダウンに入る段階で、頭が左(飛球線方向)に動いています。

クォン そう。腕が地面と水平になるところまでは頭が左に動き(B)、それ以降は頭が右に動いていることがわかる。フォローでは元の位置より右に来ているね(C)。

画像: トッププロでもスウィング中、頭の位置はこれぐらい動いている(赤い点)。とくにダウンからフォローにかけて頭が後方に動くのは、バランスを取るうえで“自然な”動き。頭を残そうとしてムリに後方に動かそうとする必要はない

トッププロでもスウィング中、頭の位置はこれぐらい動いている(赤い点)。とくにダウンからフォローにかけて頭が後方に動くのは、バランスを取るうえで“自然な”動き。頭を残そうとしてムリに後方に動かそうとする必要はない

吉田 よく頭は動かさないほうがいいといいますが、プロレベルでもこれぐらい動いているんですね。

クォン ダウンスウィングのスピードが速いほど、頭を固定しておくのは難しくなる。むしろ頭をまったく動かさないようにすると、スウィングの動き自体が不自然になってしまうんだ。

吉田 なるほど、頭は動いていいわけだ。でも、いったん左に動いたあと、ちゃんと右に戻ってくる必要はあるわけですね。Cの形はまさにビハインド・ザ・ボールという感じです。

クォン 頭というよりは、体全体(腕を除く)がBからCにかけてわずかに右に動いていくのが自然といえる。

吉田 それはなぜですか?

クォン 腕とクラブが飛球線方向に放り出される動きとバランスを取るためだね。

画像: 【通勤GD】Dr.クォンの反力打法 Vol.41 意識しなくても、頭は勝手にビハインド・ザ・ボール ゴルフダイジェストWEB

吉田 ダウンでは腕とクラブをすごいスピードでターゲット方向に振り出していくから、そのままだと体ごと持っていかれてしまう。それに負けないように体を逆方向に動かす必要があるわけですね。

画像: 松山英樹のような見事なビハインド・ザ・ボールは、凄まじいスピードのフォロースルーと拮抗するためで、強靭なパワーがあるからこそなせるワザ

松山英樹のような見事なビハインド・ザ・ボールは、凄まじいスピードのフォロースルーと拮抗するためで、強靭なパワーがあるからこそなせるワザ

クォン ただこのカウンターバランスの動きは、腕の振りに応じてある程度自然に起こる現象。ビハインド・ザ・ボールを意識するあまり、意図的に頭を右に大きく動かしたり、体を右に倒していくような動きは禁物だよ。

吉田 カウンターバランスの話では、よくハンマー投げなどが例に挙げられますが、あれも遠心力に拮抗するために自然と体が反応しているのであって、意識して体を反らせているわけではないですしね。

週刊GDより

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