「自分なりのストーリーをもって緩急のあるプレーを!」今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第四十九話。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

前回のお話し

下手はルーティンばっかり

奥田 一般のアマチュアとゴルフすると、ちっちゃいテレビゲームやってるみたいで、プレーの緩急がないですね。全部のショットが同じように見える。

高松 みな、米粒数えてるだけやから。米粒を「ひとーつ、ふたーつ」いうて数えるように、ただスコアを数えに来てるだけなんよ。米粒なんか何粒でもええちゅうねん。しかもほとんどの一はゾンビやろ。

奥田 すでに死んでるのに、まだウジャウジャ言いますからね。グリーン上でもキャディさんに「ちょっとボール拭いてくれ」いうて、あんたもう6オンやがな。ゾンビが頑張ってどないしますのって。

高松 そういうのも含めて全部がその人のルーティンとして出来上がってしもうてるんよ。球の後ろから線付けて、素振りしてって必ずやるもんな。だから遅い。

奥田 つまりプレーが遅いんやないしに、ルーティンが時間取ってるわけです。

高松 打ち方を持ってない難しいライやのに、いつも通りのルーティンするからな。おれはあれは分からんわ。

奥田 それで結果的に寄らんわけですから、そのショットはただ時間を取っただけ言うことになる。ああだこうだして結局OBしました、チョロしましたでは、ただの時間泥棒ですわ。

高松 ショットごとに自分の中で抑揚とか緩急をつける言うのは、非常に大事なことやね。石川遼みたいに何でもかんでもイケイケじゃ、いくら振る技術最高でもやっぱり上手いこといかんわな。時にはかわし、時には休み、狙えるところだけ「いっちょ、行ったるかいな」となればいい。下手はルーティンばっかりやから、全部が同じ間合いや。

画像: ショットには抑揚や緩急が大事や

ショットには抑揚や緩急が大事や

奥田 同じパッティングでも、3打目と7打目ではちゃいますよ、ということですわね。ええセカンド打ってピンに寄ったらじっくり行けばいいし、ミスしてどないもならん場所に打ったのに、ルーティンから始めたらあかんいうことです。

高松 ええショットの後にじわっといけばええんよ。そうやないとそのショットが無に還るからな。

奥田 それにそういうリズムでプレーしてくれれば、周りも間合いが取りやすくて、いいリズムで回れますしね。ゴルフは4人でしてるわけやから、すごいことしたらちょっと時間をもらう権利がある。その権利を楽しんでほしい。

高松 たとえばパー4で、奥ちゃんがドライバー打ったらラフで、もう織り込み済みの4を考えてプレーしてたとする。それで俺がちょっと曲げて、裏でええ仕事したとする。それはそれでええねん。そしたらもう俺らは大道具の親方みたいなもんや。そんな時に一緒に回ってたアマチュアが、パンパンとええ球打って、ええところに乗せたとするわな。そしたらその人はそこでは2枚目俳優みたいなもんや。舞台の上でじっくりやったらええ。

奥田 そういう時に、プロと回ってるからいうて、慌ててエキストラの出番みたいなパッティングしたらあきませんね。まあほとんどの人が逆で、6オンのエキストラやのに、主役みたいな時間の使い方をするけど。

高松 4人がそれぞれの役回りに応じたプレーをして、そのうえでそのアマチュアが3を取ったとする。そしたらそれはアカデミー賞をもらったようなもので、そのパーティはどこのパーティにも負けないということになる。

奥田 テレビゲームと違って、ゴルフはそういうストーリーがあるから楽しい。もちろん全員の配役が全部見れるようになるのは大変だけど、せめて自分だけのストーリーは持って、緩急のあるプレーをしてほしいですわね。

月刊GDより

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