【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【全員がチャンピオン 二宮家】
父(英二)
90・95年四国アマ優勝。61 歳、HC0、練習場経営。
母(薫)
94~97・01・03年四国女子アマ優勝。HC2、主婦。
ボク(慎堂)
四国アマ優勝2回。09・15~17年愛媛アマ優勝。37歳、HC+3。
妹(歌奈子)
07年四国女子アマ優勝。HC5。
前回のお話
ミスが少なく
距離が合いやすい
ボクはいろんな球筋を打つのが大好きだが、中でも気に入っているのが「球の勢いを殺す」打ち方。ご存じの方も多いと思うが、この打ち方は、意図的に芯を外して打つ球のことで、スピン量が極端に少なく、ポトリと落ちてトロトロ~と転がっていくのが特徴だ。
一般的にはピンが近い場面で使われるが、こんな素晴らしい球筋を多用しない手はないとボクは思っている。というのも、ボクはゴルフを始めたばかりの頃、びっくりするくらいアプローチが下手だっ
た。30㍎から一発で乗ったためしがない、というくらいダフりまくっていた。
いい加減嫌気がさし、考えた。「何が何でも、ダフらない打ち方を考えよう」と。大学2年の春だった。最初に9番アイアンでパターのように転がすことを覚えた。ヒールを浮かせて、トウで打つこのショットは、接地面積が少ないので、確かにダフリ防止には効果的だ。
ただ、アプローチで9番アイアンを使うのが素人っぽくて嫌だった。素人のくせに……。そこで試してみたのが、ウェッジを使って上級者の雰囲気を出しつつ、トウで打つという方法。これよくない?
ボクはこの打ち方と出会い、一発で好きになった。ウェッジの芯を外しトウで打つと、球のスピン量が極端に減る(おそらく通常の5分の1程度)。ゆえに、「思いのほか早くスピンがほどけた」とか「バックスピンがかかりすぎた」といった現象が起きないのだ。
グリーンが速かろうが遅かろうが関係ない。いつも同じように転がるので、落とし所を定めやすく、極端なショートやオーバーがなくなるのだ。
風に強いところもお気に入りの理由だ。ボクは70㍎くらいまでこの打ち方で狙うのだが、なんぼ横から風が吹いてもまったく負けず、ジワーっとピンに向かっていくところがいい。これをマスターすれば、もう芯で打つ必要はないくらいだ(笑)。
ただし、芯で打つのが難しいのと同様、わざと芯を外すのも、それなりに難しい。要するに、思ったところで打てないのが、我々アマチュアゴルファーである。ボクも得意技にするまで3年かかった。試行錯誤しながら得たコツは体をあまり使わず、左手首だけで、ひょいっと上げること。
フェースは開かず、めっちゃシャットにするのがおすすめだ。一見、左に行きそうだが、当たり負けして、ちょうどいい具合になるのだ。実はこの打ち方を体現しやすいのが、クロウグリップ。クロウグリップは右手首の動きが制御されるので、左手手動で上げやすいのだ。
そうそう。「球の勢いを殺す」には、もうひとつメリットがあった。それはウェッジの溝が減らないこと。ボクのウェッジはトウにしかキズがついていない。
それを見た人は「なんや、先っぽばっかり当たっとるやん」と笑う。けど、それがボクの正解。アプローチがダフって困る人、一度試してみてくださいませ。
週刊GDより
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