平均パットランクで3年連続1位に輝くなど、“パット名人”として名高い谷原秀人。そんな“ヒデ兄(ニィ)”が僕らのためにその「入る秘けつ」をレクチャー。さあ、始業の鐘が鳴ったぞ! パッティング講座、始まるよ~
画像: 谷原秀人プロ たにはらひでと。広島県出身の41歳。ツアー14勝を挙げ、18年、19年は欧州ツアーを主戦場として、世界を渡り歩いた

谷原秀人プロ
たにはらひでと。広島県出身の41歳。ツアー14勝を挙げ、18年、19年は欧州ツアーを主戦場として、世界を渡り歩いた

画像1: 【パター】男子ツアー屈指のパット名人。谷原ヒデ兄のパッティング講座

【1限目セットアップ】
“目より外”左ほほの延長線上

GD けっこうボールを遠くに(体から離す)置きますね?

谷原 おでこの辺りの真下ですかね。パットの上手い人はけっこう遠くに置いていますよ。

画像: パット時にアドレスして、自分のボール位置が顔のどの部分の真下になっているか確認してみてほしい。谷 原によれば「名手ほどボールは目より外」だとか

パット時にアドレスして、自分のボール位置が顔のどの部分の真下になっているか確認してみてほしい。谷
原によれば「名手ほどボールは目より外」だとか

GD 遠くに置く利点は?

谷原 近いと手先でどこにでもクラブが上げられちゃうんです。遠ければ遠いほど、胸とか肩とかを使わないと打てません。手を使うとヘッドが動きすぎちゃうので、手先を使わずにリズムよく打つのが理想です。

画像: ボールを中に入れる人が意外と多い。左ほほの延長上に置き、ロフトなり、もしくはロフトがついた状態で構えたい。ボール位置はドライバーと同じくらいのイメージ

ボールを中に入れる人が意外と多い。左ほほの延長上に置き、ロフトなり、もしくはロフトがついた状態で構えたい。ボール位置はドライバーと同じくらいのイメージ

GD 左右のボール位置は?

谷原 中に入れる人が多いですよね。そうなるとハンドファーストになりやすく、ロフトが立ってフェースも開きやすい。実際はドライバーのボール位置ぐらいでいいですよ。

2つの理由

【理由①】
手首をこねずにインパクトが安定

遠めに構えると手首を使ってこねづらく、腕からヘッドまで一直線に動かせる。インパクト時のミスが少なくなる

画像1: 2つの理由

【理由②】
腕とクラブは一直線芯に当たる確率が高い

ハンドアップぎみになり、手首の角度がなくなりやすい

画像2: 2つの理由

【2限目距離感】
“ヒデ兄”は 
ロングパットしか練習しない

GD ロングパットとは、どのぐらいの距離ですか。

谷原 10㍍ぐらいの上りと下りを行ったり来たりします。コースに来たらショートパットはやらなくてよくて、その日のタッチを合わせることが先決。毎ホール、タッチを合わせるようになると、同じフックラインでもいくつもラインができてしまいますからね。

画像: 10㍍のパット練習も、“入れる”が目的ではなく、“タッチを作る”ことが目的。自分のその日の距離のものさしを決めよう

10㍍のパット練習も、“入れる”が目的ではなく、“タッチを作る”ことが目的。自分のその日の距離のものさしを決めよう

GD 打つときの注意点は?

谷原 目線をカップまで送り、そこからラインを目で引っ張ってきて、目線が戻ってきたと同時にクラブを上げるようにするとスムーズに打てます。またライン上にスパットを見つけておくとより打ち出す方向も明確になります。

画像: 【2限目距離感】 “ヒデ兄”は ロングパットしか練習しない

長い距離を練習しグリーンの状態を確認

長い距離を3発ぐらいやると、その日のグリーンの速さ、重さ、転がり具合がわかってくる。自分の距離のものさしができるので、そこからようやくラインが見えてくる。頭の位置がほぼずれてないのがよくわかる。

ロングパット練習 そのコツは?

【コツ①】
向こうから巻き戻してライン上のスパットに打つ

カップから引っ張ってきたライン上に、スパット(約50 ㌢先)を見つけて、そこに対して構えると出球をイメージできる

画像1: ロングパット練習 そのコツは?

【コツ②】
振るスピードと球の出るスピードを一定に

振り子のように振るリズムは一定に。そのうえで、振っているスピードとボールの出ていくスピードが一緒になるのが理想

画像2: ロングパット練習 そのコツは?

【コツ③】
手先は使わずに大きな筋肉で打つ

振り子のように一定のリズムで打つには、手先を使わないし、体を大きく揺さぶることはない

画像3: ロングパット練習 そのコツは?

自分のルーティンを決めておくといい

試合中のワンシーン。ボールの後ろからまずラインを確認。打つ前にボールの横で素振りし、振り幅をチェック。そしてストロークへ。基本的に中長距離のパットは入れようとせず、「3パットしないこと」が重要だ

画像7: 【パター】男子ツアー屈指のパット名人。谷原ヒデ兄のパッティング講座

【3限目ドリル】
“パット上手はくわえたティ”が
微動だにしない

GD 谷原プロはいろいろな独自の練習法をお持ちだとか。

谷原 このティくわえ打ちは、ティの先端が見えるので、その先端を動かさないように打ちます。すると頭も動かないで打てるようになります。タイガーなどパットの上手い人はほんと頭が動かないですから。アマチュアの方は、頭が動きやすくて、トップで左(飛球線)に傾いて、フォローで右(飛球線後方)に傾きやすい。

画像: アドレスからフォローまでのストローク中の上半身。頭が微動だにせず、微妙に肩と腕の関係だけ変化がある

アドレスからフォローまでのストローク中の上半身。頭が微動だにせず、微妙に肩と腕の関係だけ変化がある

GD ギッタンバッコンみたいになってしまうと。

谷原 そうですね。ストローク中は、頭は動かさない。ヘッドに振られると、動きやすいですからね。みなさんもティをくわえて試してみてください。

ストロークがよくなる3つのドリル

【ドリル①】
箱の間にヘッドを通し当たらないように打つ
しっかりと芯に当てられるようになる

ヘッドがギリギリ通るぐらいにケースを並べて、ストロークの練習。しっかりと「芯」に当てられるようになるドリル

画像1: ストロークがよくなる3つのドリル

【ドリル②】
アドレスからボールをグッと押し出す練習
手先では引っかけやすく体を使って打てる

ボールの出るスピードを一定にする練習。バックスウィングをとらないこと

画像2: ストロークがよくなる3つのドリル

【ドリル③】
頭に箱をつけて短く持って素振り
遠い位置のボールを体で打てるようになる

壁と頭の間に箱か何かをつけ、仮想ボールとの距離感を保ちながら大きな筋肉で素振り。体の大きな筋肉を使ってストロークしよう。頭につける箱は距離がとれれば何でも可

画像3: ストロークがよくなる3つのドリル

【4限目リズム】

GD いつも参考にしている人がいると聞きしましたが……。

谷原 キョンテのことですね。彼が練習しているときは、目の前でジーっと見ていますよ。「先輩やめてください」って言われますけど(笑)。彼のリズムが好きで、等速で振って、等速でボールが出ていくお手本なんです。彼のリズムのイメージで回ると、結果がいいんですよ。

【2019年カシオOP】優勝を決めたキム・キョンテのウイニングパット連続写真。 打ち急ぎがなくフォローまでスムーズ

画像1: 【4限目リズム】

【ゆったりリズムのコツ①】
手先を使わずに体で打つこと

バックスウィングもフォローも、胸の前にパターヘッド。大きな筋肉で打っている

画像2: 【4限目リズム】

【ゆったりリズムのコツ②】
背中から見てほとんど動かないぐらい静か

同じバックスウィングだが、左の写真のように肩がほとんど動かないのが理想。肩が浮くのはNG

画像3: 【4限目リズム】

【最後にヒデ兄からアドバイス】

なんだかんだやっぱり「芯」で打つように

「ティをくわえるのも箱ドリルも、すべては芯でとらえるためです。芯で打ったときの感触を忘れずに練習してください」(谷原)

画像12: 【パター】男子ツアー屈指のパット名人。谷原ヒデ兄のパッティング講座

PHOTO/Hiroaki Arihara

週刊GD8月25日号より

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