下の写真、彼女に特別なポーズをしてもらっているわけではない。いま人気沸騰中、黄金世代のプロゴルファー・レイチェルこと臼井麗香のダウンスウィングに入ったときの形なのだ。実はこの“ガニ股”がトンデモナイ飛距離を生み出すという。
画像: 【解説】臼井麗香プロ 1998年生まれ、栃木県出身。黄金世代のひとり。昨年は、賞金ランク59位とシード権獲得はならなかったものの、QT37位に入り今季もツアーで戦う。レイチェルの愛称でいま人気爆発中の女子プロ。 ディライトワークス所属

【解説】臼井麗香プロ
1998年生まれ、栃木県出身。黄金世代のひとり。昨年は、賞金ランク59位とシード権獲得はならなかったものの、QT37位に入り今季もツアーで戦う。レイチェルの愛称でいま人気爆発中の女子プロ。
ディライトワークス所属

クラブと体が引っ張り
合うからガニ股になる

GD 小柄なのに、すごく飛ぶってウワサになっていますね。

臼井 そうなんですか~(笑)。たしかに、ヘッドスピードは44m/sは出ますし、240㍎以上は飛んでいると思います。でも、高校までは飛んでなくて、卒業してスウィング改造したら飛距離が伸び始めたんです。

GD どんなスウィング改造を行ったんですか。

臼井 クラブと体が引っぱり合う動きを取り入れたんです。具体的にいうと、テークバックからトップにかけて左足を外側に回し、切り返しからインパクト、フォローにかけて今度は右足を外側に回すんです。だから、ガニ股になっちゃう瞬間があるんですけどね(笑)。

画像: 左足全体を外側へ回す外旋させるイメージを持ちながら、テークバックしていく。そしてトップでは、ゴムがピンと張ったような、クラブと左足の対角線で引っぱり合う状態を作る。これにより、スウィング軸の安定や下半身のスウェイ、切り返しでのねん転差を強く生み出せるようになり、飛距離アップしたという

左足全体を外側へ回す外旋させるイメージを持ちながら、テークバックしていく。そしてトップでは、ゴムがピンと張ったような、クラブと左足の対角線で引っぱり合う状態を作る。これにより、スウィング軸の安定や下半身のスウェイ、切り返しでのねん転差を強く生み出せるようになり、飛距離アップしたという

GD そんなことしたら、クラブを上げにくくないですか?

臼井 だから飛ぶんですよ! 以前は、体の回転を意識していたので、上と下が同じ方向に動いてねん転差ができなかった。でもいまは、逆方向の動きを入れることで、強いねん転差が生まれるからヘッドを速く振れます。ゴムを大きく引っぱると、離したとき戻るスピードが速くなる。その要領と同じですよ。

反対の動きがパワーを生む!

ダウンから右足を外旋するから右ひざが正面を向く

ダウンからフォローにかけては、今度は右足を外旋させていく。ヘッドが動こうとする反対の動きを足の外旋運動によって起こすことで、ヘッドスピードが急激にアップするという。

画像1: 反対の動きがパワーを生む!
画像: 全部カラダが回ると力が溜まらず強く叩けない

全部カラダが回ると力が溜まらず強く叩けない

アドレスでの両足の角度は変えずに振る

アドレス時の両足で作られる“ハ”の形を崩さずにスウィングすると、腰のスウェイがなくなりヘッドが加速する。さらに、足の外旋もさせやすくヘッドの遠心力が強くなり球を強く叩ける。

画像2: 反対の動きがパワーを生む!
画像: 腰が動いちゃダメだよ

腰が動いちゃダメだよ

レイチェルのDr.連続写真

始動のポイントは
最初にフェースを閉じる

GD スウィング改造は、体の動き以外にありますか。

臼井 テークバックからインパクトにかけてのフェース面の使い方ですね。ヘッドが右腰あたりに来るまでフェース面を地面に向けて閉じて上げるように変えました。

GD どうしてですか?

臼井 インパクトでフェース面を開かないようにするためです。

GD スウィング中、フェースを閉じ続けるのですか。

臼井 違いますね。私はフェースローテーションを使って打ちたいので、フェース面を変えずには振りません。フェースの動きのイメージは、“閉”⇒“開”⇒“ 閉”です。テークバックで閉じてトップで開く。それを、閉じながら下ろしてインパクト。少しうねりが入りますが、自然にフェースローテーションができる動きなんです。クラブ特性を生かしてフェースローテーションをしているので、左へ引っかける心配はありません。

〇 フェースを閉じて上げるとインパクトが強くなる
✖ 多くの人はフェースの開閉の手順が逆!

画像: 始動のポイントは 最初にフェースを閉じる

始動のときは
テコの原理を利用する

左手を下げるとヘッドが上がる反対の動きを使うと軸がブレない

右手をテコの支点と考え、左手を下げることでヘッドを上げる。テークバックでこの動きができるようになると、体が左右にブレないのでスウィング軸が保ちやすくヘッドを速く振れる。

画像1: 始動のときは テコの原理を利用する

〇 テコが伝えた正しいテークバック

左右の手の使い方が反対になることで、体のねん転も強くなり、インパクトで強く叩ける準備ができる。

画像2: 始動のときは テコの原理を利用する

✖ テコが伝えた正しいテークバック

上半身と下半身のねん転差が作れず、スウィングもカット軌道になりやすいため、飛距離が出ない。

画像3: 始動のときは テコの原理を利用する

左手甲をねじり
フェースターン

GD フェースローテーションを使うと言っていましたが、やはり曲がる気がするんですけど。

臼井 それは、手首を無理やりコネているからです。逆に緊張した場面ほど曲がりにくいです。

GD そうなんですか!

臼井 一連の動きでフェースローテーションするので、インパクトはタダの通過点。ボールを打つ意識が薄れるので、プレッシャーがかかっても振り抜けるから逆に曲がりません。だから、腕をネジってフェースをこれでもか!  ってくらい返してます。

画像1: 左手甲をねじり フェースターン

GD さらに返すんですか!

臼井 はい、返しますよ(笑)。いま、手首を固定して振る人が多いですけど、スウィングの流れを止める行為なので、遠心力が途切れますよね。フェースローテーションを使えば、ヘッドの遠心力が働いて、軌道も安定してくるので、逆に曲がらず飛ばせるようになりますよ。

手首をコネずに前腕をネジる

インパクトからフィニッシュにかけて左手首の甲の向きは、地面からターゲットへと向いていく。このとき、左手甲が空を向いてしまうと、フェースが開いた状態なので、ボールを強く叩けず当然、飛距離は出ない。

画像2: 左手甲をねじり フェースターン

ビビらず振り切れる!

クラブを体の近くに通す意識はいらない

しっかり前腕をネジって振っていくと、インパクトからフォローにかけてヘッドスピードが加速しつ
つ振れるので、球を打つという意識が減るためプレッシャーに強くなる。

画像1: ビビらず振り切れる!
画像: 手首を固定して体のターンと同調して振ると、プレッシャーがかかったときに、手元が浮いてミスが出やすくなる

手首を固定して体のターンと同調して振ると、プレッシャーがかかったときに、手元が浮いてミスが出やすくなる

反作用の動きを使うとフェースは返しやすい

トップで左足が外旋し、インパクトにかけて徐々に右足が外旋してくる。この反作用を使うことで、フェースを返す動きも強くなってくる。

画像2: ビビらず振り切れる!

右腕前腕をネジって押し込む

トップからインパクトに向かって、上から下へボールをネジり押し込むと、フェースが閉じて強いインパクトになって飛ぶ

画像3: ビビらず振り切れる!
画像: 左右の動きだけでボールを叩こうとしても、インパクトで力が入らずボールを押し込めない

左右の動きだけでボールを叩こうとしても、インパクトで力が入らずボールを押し込めない

遠心力を上げる
クルクルドリル

GD 今年のオフの練習で、さらに飛距離が伸びたそうですね。

臼井 ヘッドスピードが2m/sも上がったんです。

GD 何をしたんですか。

臼井 “クルクル打ち”っていう練習をとにかくやったんです。足は動かさず、ヘッドの重みを感じながら打ったらすぐトップに戻すんです。

GD この練習でどうしてヘッドスピードが上がるんですか。

臼井 遠心力が出るからです。腕に力が入っていたらヘッドをクルクル回して打てません。さらに、遠心力が働くことは、ヘッドが動きたいように動く練習にもなるので、スウィング軌道も安定しますから一石二鳥です。

手首を柔らかく使ってヘッドが走る

手首と前腕を柔らかく使って、その場でヘッドをクルクルと回す。このとき、ヘッドの重さと遠心力を感じながら振ることで、ヘッドを加速させる感覚が身につくという。

画像1: 遠心力を上げる クルクルドリル

打ったらすぐ離れるイメージ

ヘッドの重さと遠心力だけで振ることができると、打ったらすぐボールはフェースから離れる感覚が
湧いてくる。

画像2: 遠心力を上げる クルクルドリル

これがHS2m/sアップしたクルクル打ちだ!

画像: 最後は野球の構えになるよ♪

最後は野球の構えになるよ♪

PHOTO/Hiroaki Arihara

週刊ゴルフダイジェスト9月1日号より

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