なかなか替えられねえのがグリップだよな。あんたのグリップ、古くてカチカチじゃないかい? せっかく替えるなら「太さ」を気にするといいぜ! 今週の通勤GDは「頑固おやじのクラブ工房Vol.34」

Q、グリップの最適な太さを教えて

最近、プッシュのミスが増えているんですが、グリップを細くしたら直る、とシングルの友人が教えてくれました。ちょうどグリップ交換しようと思っていたので、イイ感じに直してくれませんか? (47歳・HC13・自営業)

短いアイアンで
試してみる

「最近、やたら右に外すミスが増えたんですよね…。一緒に回っていた上手いのから、グリップを少し細くしたら直る、なんて言われたんですけど」

千葉からウチに通って来る常連さんなんだが、ドロー系が持ち球。それが右にスッポ抜けるようになったんで、仲間のシングルから助言があったらしい。

「まあ、年齢的にちょっとクラブが重くなってきたのかな。といってシャフトを軽くするほどじゃな
い。つかまりの悪さを少し改善するだけでいいから、グリップで微調整するのは、いいと思うよ」

人間の休力には節目みたいなのがあるよな。40代後半とかも、ちよっと厳しくなる時期ではある。

「すると、やはり少しグリップを細くしたほうがいいんですかね」

「妥当じゃねぇかな。まず、1本だけ替えてみようか」

「エ? どうせなら、全番手、取り換えたいんですが」

気持ちはわかるが、そのやりは、オイラは勧めない。

「なあ、グリップの太さを変えるんだよ? 合う太さを探さなきゃいけない。だから、まずは1本。
9番か8番アイアンを替えてみて、試すんだよ」

「ドライバーのほうが、はっきりわかるんじゃないですか?」

そりゃ、プロでもムリだ(笑)。

画像: 短いアイアンで 試してみる

ハーフスウィングで
打ってみる

自分に合う適正なグリップを見つけるのは、フルショットでは不可能。というのも、そこそこヘッドを走らせるスウィングができるようになったら、グリップの太さや馴染み方がベストでなくても、適当に打てちまうんだ。

グリップの太さや形状がモノを言うのは、コントロールショット。これ、スリークォーターショットとかだけじゃなく、プレッシャーがかかった場面のフルショットとかもいるんだけど、普段よりちょっとだけ握り込んで振った時に、大丈夫な球が打てるかどうかで判断する必要がある。

この常連さんのようにピンを狙ってドローをイメージしたときに、右に外れるなんてのは、典型的。で、このイメージと弾道のズレを調整したいわけだから、コントロールしつつ、しっかり振ってピンを狙う8番か9番アイアンでチェックするのがベスト、てことになるのさ。

「それなら、8番がいいです。よく使うので」

「替えたら、練習場でハーフスウィングを試してごらん。太さを変えると、リリースの感覚がズレるんで、最初は上手く当たらないんだが、ハーフスウィングならすぐに当たるようになる。で、次は持ち球をイメージして3割減の100㍎ぐらい打ってみる。フルの3分の2ぐらいの高さが出て、真っすぐか半分ぐらいの曲がり幅で飛べばOKさ」

1本が上手くいけば、改めて全番手、交換すればいい。

「でも、ドライバーなんかは細くすると、引っかかりませんか?」

「それもハーフスウィングと、3割減のショットを打てば判断できるよ。イメージどおりの打ち出し
ができるかどうか、そこから目標に戻せるかどうかを見るんだ」

「ウェッジ類も、同じですか?」

「ウェッジは、アイアンとはちょっと違うかな…。たとえば、バウンスを滑らせやすくするとか、飛びすぎなくするとか、いろいろあるから。それについてはまた今度、教えるよ(笑)」

月刊GDより(2015)(イラスト/コーチはじめ)

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