【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話
Q、冬の5、6番アイアンの代わりは?
寒くなってくると、球が上がらないし、飛ばないし。5、6番アイアンで160㍎以上はちょっと厳しい感じ。で、ユーティリティかショートウッドを入れたいんだけど、どっちがいいの? (65歳・HC12 ・会社役員)
9、11番ウッドは
冬ラウンドに効く
そろそろ常連さんから、冬ラウンドとか、年末コンペ向けのチューン相談が増える時季だな。
「アイアン、7番からにしようと思うんだけど、どうかな?」
そこそこ大きい会社の部長さんなんだが、もうすぐ定年だってんで、その後のラウンド三昧を夢見
てるようで、最近妙にクラブ選びに凝るようになってきたんだ。
「特に寒い時季は、5番どころか6番も、上がらないわ飛ばないわで……。やっぱり、ユーティリティがいいのかな。それとも、8本シニアで勝った平石(武則)プロみたいに、ショートウッドを増やしたほうがいいかな?」
なるほど、最近ウワサの“六本木”セッティングに刺激されたってわけか(笑)。
「まあ、冬対策なら断然ショートウッド、オススメなんだけどね。払い打つイメージが湧くし、多少ダフっても飛ぶし」
「ウーン、長くて当てにくいとか、引っかかるとかは大丈夫かな?」
ショートウッドはユーティリティより重心深度が深い。おまけに、市販品はやたらフックフェースが
多いから、実際に引っかけやすいところはある。
アマチュアはショートウッドでもアイアンみたいに打ち込みたがるからな。メーカーは、それでもつかまるようにフックフェースにしてるんじゃないかな。それで開いて当たれば、打球は上がりやすいし。でも、普通に払い打てる人には迷惑な仕様だよな。
「大丈夫、オイラがフェース、右に向くように直してやるから。そうすりゃ、引っかけなんか出ねえよ。長さ? 5番ウッドが打てるのに、9番とか当たらないわけ、ねえだろうよ」
ヒール後方のソールが
滑るイメージに
「でも、フェース右に向けたら、こすり球とかプッシュとか出やすくなることはない?」
やれやれ、面倒くせえな(笑)。
「引っかけ防止だから、スクエアから2度弱オープンにするかぐらいの調整だよ。見た目はスクエアだし、問題ない。それで右に行ったら、ウデだよ、ウデ(笑)」
本当言うと、もっと右に向けても大丈夫。ウッド類は、ソールを滑らせて当てるのが基本仕様。で、フェースが開けば、ヒール後方のソールから着地する、ていうかダフるよな。すると、ソールが跳ねてフェースがターンする。結局、上手くつかまるんだ。
「そんなにうまくいくもんかね? 開きっぱなしでソールが滑ったら、トップとかスライスとか…」
「別に、20㌢も手前をダフる話じゃねえし、わざとスライスかけるつもりでもなけりゃ、ソールが滑って上手くつかまるってことさ。ただ、アイアンとはイメージが変わるから、少しの間、慣れる時間が必要だけどね」
アイアンは、フェースをかぶせて潰すような打ち方でコントロールするけど、ウッドはソールを滑
らす幅を広げるイメージでラインを出すって、どこかのプロが言ってたな。オイラもそれが正解だと
思うし、それに合わせたチューンをしてきた。アイアンはヘッドが刺さりすぎないようなハウンスと刃(リーディングエッジ) の丸め方にポイントがある。ウッドの場合は、まずソールから着地するようにして、刃から接地しないようにするのが基本になるな。
「ウッドは具体的に、どこをどういじるの?」
「シャフトの挿し方を変える。よく言う、右から人れるってヤツ。ライ角調整も兼ねてるから、きちんとやるよ」
唯一の難点は、現在のショートウッドのモデルが少ないこと。中古のキャロウェイとかテーラーメ
イドで探すと、結構スグレモノが見つかるんだけどね(笑)。
月刊GDより(2015)(イラスト/コーチはじめ)
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