【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話
Q、
知人のシングルさんのクラブを打たせてもらったら、グリップが太めですこく打ちやすかったんです。そこで、自分もグリップを太くしたいんですが、重量バランスはどうすればいいですか?(37歳・HC11・会社員)
グリップを太くすると
バランスが軽くなる?
「オヤジさん、グリップを太くするのって、下巻きを増やすのと、グリップ自体を肉厚のものに換え
るのでは、どっちがどうなんですかね?」
常連さんの甥っ子なんだが、月2のラウンドと週2の練習で、始めて3年ちょっとでシングル手前まで来たせいか、最近はやたらと新しいギアやスペックが気になるようなんだな。
「まあ、どちらも一長一短があるけど、なんだよ急に」
「この間、知り合いのシングルさんと一緒に練習に行って、ちょっと彼のクラブを借りて打ってみた
ら、グリップがやや太めだったんですが、すごく良かったんです! それで、自分も同じように太くしようと思ったんですけど……。気になるのが、重さ、というかバランスなんですけど、グリップを太くしたら手元が重くなりますよね? で、その加減を調整するのに下巻きを増やすのと、肉厚グリップを付けるのではどっちがいいのかな、と……」
なるほど。グリップが太く、重くなってバランスがC7とかになるとヘッドが効かなくなると思ってんのかな。
「なあ、バランスは全番手の振り心地を合わせるためのモノだろ。グリップが重くなってバランスの
数値が軽いほうに動いても、関係ないんだよ」
「エッ、そうなんですか?」
「番手ごとのシャフト長さに応じた、ヘッドの重さが最初にある。グリップは最後でいいんだ」
グリップを決める
2要素重視で選ぶ
奴さん、またオイラが変なことを言い出した、みたいな顔をしてたから、少し説明してやったよ。
「ヘッドはインパクトで当たり負けないのに十分な重量がありつつ、シャフトの長さに応じてスピ
ードが最高に乗りやすい軽さが欲しい。そのせめぎ合いで、適正な重量は物理的にほほ決まる。その
意味では、シャフト重量は軽いほどいいんだが、強度やフレックスの関係で、そこそこの重量にな
る。さて、グリップは? 実は、これはスウィングとの兼ね合いで考えれば、重くても軽くてもいい
んだよ」
以前、グリップを重くする、いわゆるカウンターバランスにするとヘッドをコントロールしやすい
とか、ヘッドが走るとか言われたがね。実効があったら、今でも採用されているはずさ(笑)。
「グリップが重くて手元が浮きにくくなる、というのは?」
「それなら、重い腕時計でもしたほうが効くだろうよ。それより、グリップは太さ·硬さの2要素を、どう自分に合わせるかが大事。ヘッドを軽く感じつつ、シャフトのしなり、フェース向きを感じ取れるようにできるのは、このふたつの兼ね合いなんだ」
グリップの理想は、軽く握っても滑らず、コントロールが効くこと。それには、テーパーやバック
ラインも含めた太さの形状と、コード入りや素材の違いが生む硬さが重要。このふたつを微調整できるという点では、肉厚を換えるより下巻きの増減のほうがいい。
「でも、グリップを太くすると、ヘッドが軽くなるように感じたんですが……」
「それでいいんだ。手元でグリップの収まりが良くなれば、ヘッドが同じ挙動でシャフトをしならせ
ても、軽く感じるはず。そうなれば、さらにグリッププレッシャーが下がるんで、好循環になる。長
尺クラブをあえて短く持つ、なんてのも似たようなことだよ」
逆にヘッドを感じたい人はグリップを細くするといい。シャフト選びと同様、5、6番アイアンでいろいろ試してみるといいよ。
月刊GDより(2015)(イラスト/コーチはじめ)
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