【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: 【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.32 勝ち負けにこだわろう。 ゴルフダイジェストWEB

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

前回のお話し

勝った、負けたの
緊張感

奥田 僕ら、商売柄いろんな選手のスウィングを見てきましたけど、今ではユーチューブでベン・ホーガンとか昔の選手のスウィングが見られるでしょ。

海老原 オクちゃん、そういうの好きだからね。

奥田 生で見られたらもっとすごかったと思うんです。ホーガンのエキシビションの動画なんか見ていると、すごいたくさんの人が集まっていて、みんなあんなふうにカッコよく振りたいと思っておったんでしょうね。そういうふうに考えると、やっぱりエビさんのスウィングも、何でか知らんですけど、カッコエエんですわ。

海老原 そんなことない(笑)。

奥田 いやいや、エビさんのスウィングは、躊躇なく、一気にピューンと振り切るところとか、みんなに生で見てもらいたいと僕は思うとるんです。

海老原 だいぶ前ですけどね、青木(功)さんと、もうひとり若いプロと、3人でハーフをまわったんです。

奥田 青木さんもヤバイぐらいカッコエエです。いまも、ゴルフやりたくてウズウズしとるのちゃいますか?

海老原 忙しくなっちゃいましたからね。この前、久しぶりにゴルフができると喜んでました。

奥田 僕は、青木さんには絶対ゴルフをやり続けてほしいんです。

海老原 青木さんのティショットは僕の30㍎ぐらい後ろなんです。それで、もうひとりの若いプロが僕より50㍎ぐらい前にいっているから、80㍎も違うの。でもね、スコアは3人とも33、33、33で一緒(笑)。

奥田 すごい!

海老原 すごいでしょ!

奥田 青木さんというと、僕はいまでもニクラスと戦った全米オープンのビデオをときどき見るんです。

海老原 80年のバルタスロールだね。

奥田 最後のパットなんか、ぜんぜんブレんとカポーンといっとりますからね。普通は、優勝を争っていたら、あの強さで打たれへんです。

海老原 あのとき、アメリカから帰ってきた直後に青木さんから聞いたの。「72ホールで失敗したのは1回だけだった」って。

奥田 ホンマですか!?

海老原 でも、「ニクラスは1回も失敗してない」って青木さんは言ってましたね。4日間ずっとニクラスと一緒でしたから、全部見てるんだな。

画像: 「相手のスコアはわかっているべき。そうしないと勝負の面白さがわからないし、マナーでもある。なにより人のプレーを見てわからんことは聞くことが、上達の近道なんやからね」(奥田)

「相手のスコアはわかっているべき。そうしないと勝負の面白さがわからないし、マナーでもある。なにより人のプレーを見てわからんことは聞くことが、上達の近道なんやからね」(奥田)

奥田 あのコースで4日間1回も失敗せいへんのは、やっぱり天才やね。

海老原 青木さんも、もう74歳です。それでも、僕と若いプロと同じ33でまわるんですから、これもすごいことです。

奥田 青木さんが69歳のときに、ターンベリーで開催された全英シニアにマンデーから出てたんです。全英オープンの解説をやって、そのまま6時間ぐらいバスに乗ってきて、翌朝、雨の中ぶっつけ本番でマンデーに出てはる。張り出された成績表見たら、2位で通過しとるんです。もうびっくり。

海老原 へ~。すごいね。

奥田 それで一緒に練習ラウンドをまわったんです。僕と羽川(豊)さんと井戸木(鴻樹)の4人で。井戸木は全米プロシニアに勝つ前で、よう飛んでいた。次が羽川さんで、そのちょっと後ろが僕で、青木さんとは少し開きあって、それがおもろなかったんでしょうね。途中から気合入れて振るようになって、僕とほとんど並ぶぐらいまで飛ぶようになったんです。

海老原 青木さん、負けず嫌いだからね(笑)。

奥田 それでご機嫌になって話しかけてくるんです。「おまえ、いま結構当たってただろ?」って。「はい、当たりました」と答えると、「おまえ、いまはいい球だった」とずっと飛距離の話ばっかりです(笑)。

海老原 昔から青木さんにとって、飛距離でも、スコアでも勝ち負けってすごくこだわるんです。だから強くなれたんじゃないですか。74歳になったいまでもそう。一緒にまわっている相手のスコアは全部わかっていて「よしっ、1点勝った!」とか、もう勝ったときは本当に嬉しそうなんです。

奥田 ゴルフは、やっぱり勝ったとか負けたとかがあるからおもろいんです。自分のスコアだけ書いて帰る人もおりますやん。それで何がおもろいやろって思います。

海老原 勝った、負けたっていう緊張感があるからゴルフは上手くなれるんだからね。

奥田 5円でもエエから、勝負したほうがゴルフにはプラスになります。

海老原 僕がまだレギュラーのシード選手だった時代ですけど、練習日なんか、僕と(泉川)ピート、船渡川(育宏)の3人のベストボールで青木さんと勝負するんです。「3人でかかってこい!」って。

奥田 3コ1やね。それだけ自信があったんやろな。

海老原 3人ともシード選手ですから、いくら何でも負けはないけど、でも、勝っても2点ぐらいなの(笑)。

奥田 青木さん、やっぱりすごい人やね。

【花咲く一言】
5円でいい。
勝負すること!

画/伊藤方也

TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

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