霊峰富士と駿河湾。贅沢なロケーション
2番ホール、461ヤード、パー4 雄大な富士を背にした打ち下ろしのホール
コース全長はフルバックからでも6352ヤードと短く、フェアウェイは大きくうねり、フラットなライから打たせてもらえない。
自然の地形をそのまま生かした手造りコースで、設計もトリッキーなホールが多い。さらにグリーンは小さくてアンジュレーションがある上に、富士山からの芝目もからむ。
ショットは飛距離よりも精度が重要で、アプローチとパッティングも高いレベルが要求されるテクニカルコースだ。
ラウンドについてくれたキャディさんが言うには、以前、青木功プロがラウンドにきて「こんなのゴルフ場じゃない」と怒って帰ったらしい。あの世界のアオキですら、音を上げるほど戦略性が高い。
1番から18番まですべてにホールの特徴にちなんだ名前が付けられているのが面白い。名前の由来を聞いてコースを回っていると、まるでハイキングを楽しんでいるような気分になる。
都心からは少し遠いが、何度でも足を運びたくなる、極上のコースを見つけちゃいました。
ここに注目! 芝のスペシャリストの魂がこもった自信作
11番ホール、321ヤード、パー4 距離が出ればグリーン手前まで運べる。グリーン奥からは傾斜と芝目で速いので注意
写真では伝わりにくいのがもどかしいのだが、大富士GCの特徴であり、戦略性をすこぶる高めているのがフェアウェイの大きなアンジュレーションだ。
まるで全英オープンが開催されるリンクスコースのようなうねりは、溶岩層の上にコースが造られているから。同コースを設計したのは芝生研究の権威で農学博士の丸毛信勝氏。
芝の研究をきっかけにゴルフ場の設計も手掛けるようになり川奈ホテルゴルフコースの施工にも参加した。代表作には中山CCなどがある。また日本で初めてベント芝の研究を始めたことでも広く知られている。
大富士GCでは、溶岩層という芝付きの難しい土地に地形をそのまま生かした戦略性の高いコースを見事に造り上げた。
人工的には絶対に造り出すことのできない、自然の美しい起伏を見るだけでも価値がある。
行き届いたメンテナンスに調査隊一同感動しました
写真は1976年のもの。ターフメンテナンスの良さは数十年経っても変わらぬ伝統だ
隊員 飛距離よりも正確性重視なトリッキーなコースは大好物なので、僕はとても楽しめました。
隊長補佐 ドライバーは豪快に振り回せないけど、攻略する面白さがある。各ホールとも変化に富んでいてメモラビティ（印象度）も高めです。
隊長 ティショットで高い壁のような丘を越える4番の「ナイアガラ」とは、次はどんなホールだろうとワクワクしたね。
隊員 コースのメンテナンスも素晴らしかったと思いませんでしたか? この下は本当に溶岩層なのかと思うほど芝付きは最高でした。
隊長補佐 今日は富士山を拝めなかったけど、富士市街と駿河湾を同時に望めるのは贅沢ですね。
隊長 景観は文句の付けようがない。たとえスコアはボロボロでも傷ついた心を癒してくれます。
それでは採点。一番大事な部分にお金と情熱を注いでいる
隊員 では採点に移りますが、まずこの景観だけでもかなり点数が高いですよね。
隊長 ここは冬も暖かくて一年中プレーが可能というから、四季折々の景色が楽しめます。
隊長補佐 初心者にはちょっと厳しいコースかもしれませんが、中級者以上は面白いと思います。
隊長 飛距離は必要ないからシニア世代にもおすすめです。あとランチも美味しかったぁ～。
隊員 隊長が食べていた金目鯛の煮つけ、本当に美味しそうでした。
隊長補佐 グラブハウスなどの施設もアットホームな雰囲気で心がなごみます。
隊長 そして一番大事なコース管理にお金と情熱を注いでいる。富士山に雪が被った頃にまた来たいですね。
「大富士ゴルフクラブ」コースデータ
静岡県富士市今宮1243
TEL:0545-21-4111
営業形態／パブリック
コース／18ホール／6352ヤード／パー72
開場／昭和29年8月1日
設計／丸毛信勝
練習場／30ヤード／5打席
アクセス最寄りIC／新東名高速・新富士IC
最寄り駅／東海道新幹線・新富士駅
公式ホームページはこちら
【ターフコンディション】
グリーン芝種／007／3.8ミリ
フェアウェイ／コーライ／12ミリ
ラフ／野芝／36ミリ
バンカー／信州の山砂しっとり
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