ゴルフコースことはじめ
文芸評論家を経て、ゴルフジャーナリストとしても活躍した田野辺薫氏。ゴルフコースの目利きとして全国のコースを取材し、週刊ゴルフダイジェストで「ゴルフの歴史を歩こう」を連載(2005~2013年)。それを一冊にまとめた「美しい日本のゴルフコース」から多くの人に名コース誕生の歴史を知ってもらおうと再編集公開しています。
廣野GCは、だれもが認める名コースだ。有馬CCの用地は、それほどの優れたゴルフコース立地だと言いたいのである。単純には比べられないが、確かに用地は素晴らしかった。
『有馬ゴルフリンクス設営目論見要綱』には、「環境景観、土質、起伏等の状態は極めて良好で、一帯は南面して陽光を浴び芝の育成に適している。所々自然池、松林が点在して風致を加え変化とスリルに富んだロングコースを計画し得る。(中略)関西随一のチャンピオンコースとなることは疑いを容れない」と売り込んでいる。
設計はクラシックなデザインが得意な保田与天
所在地は、兵庫県三田市広野丘陵一帯(公簿面は、中内神字南山840番地の壱)、50万坪。一部三田市公有地あり。標高230〜250㍍の低山の丘陵地。交通は、国鉄(JR)神有三田駅より車で15分、広野駅より10分。
有馬温泉より25分、高速道路開通後、芦屋〜有馬間45分。神戸市計画の有馬トンネルも計画されていた。以上のスケールの中に、全長7200㍎・パー74のロングコースを昭和35年の秋に開場という計画だった。その母体会社が次の通り設立されている。
昭和34年2月、新有馬開発株式会社設立、資本金1000万円。役員、会長・浅井正一、代表取締役・織田宇市郎、取締役・高田繁子、他。昭和35年9月23日9ホール完成。11月23日にクラブハウス完成、そして営業開始。
昭和36年7月、18ホール・パー72が完成。設計は、芦屋CC、熊本GC、福岡CC、三重CCなど由緒
あるコースを設計しているクラシックなデザインの保田与天。武庫川の清流を挟んだ広大な眺望が話題となった。
昭和37年3月、明石土建社長・谷至康が代表取締役に就任、高田繁子が支配人となる。9月、18ホールで正式開場。
有馬カンツリー倶楽部
兵庫県三田市中内神南山841 ☎079・565・2111
開場日:昭和35年9月23日
コース:18H/6648Y/P72
設計:保田与天
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美しい日本のゴルフコースより(弊社刊)
取材・文/田野辺薫
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