埼玉県を代表するコースのひとつ、武蔵カントリークラブ笹井コース。クラブハウスの新築(2014年4月竣工)は、大規模なコース改造と併行して行われ、ゴルフ場全体のイメージアップに大きく貢献した。ただし、その発端は別のところにあった。

耐震性、機能性に配慮しつつ、明るさとこだわりの工夫

「築50年を過ぎて老朽化が進んでいましたが、きっかけは東日本大震災でした。専門家による検査を行ったところ、耐震強度に問題があることが判明したので、具体的な検討に着手しました」(取締役総支配人・金子隆保氏)

画像: 駐車場から見たクラブハウス

駐車場から見たクラブハウス

画像: クラブハウス

クラブハウス

クラブハウスはゴルフ場の顔であり、新築となれば様々な配慮が必要となるが、最優先事項が安全面であることは言うまでもない。雰囲気も寛ぎ感も、安心あってのこと。

新築となったクラブハウスは、耐震性を備え、採光よく明るい雰囲気で、石張りと木目調のバランスが程よく、落ち着いた品格を感じさせるデザインが特徴。

1階のロビー奥に大きなコーヒーラウンジを配置しているのも特徴の1つ、カウンター奥の漆喰の壁は、カリスマ左官の挟土秀平氏の手によるもの。

2階にはシックな雰囲気の特別談話室があり、随所にこだわりを感じさせる。

画像: ゆったりした動線のロビー

ゆったりした動線のロビー

画像: バーカウンター

バーカウンター

画像: ショップ

ショップ

画像: 趣きある特別室

趣きある特別室

画像: コースを見渡すコンペルーム。4室96人収容

コースを見渡すコンペルーム。4室96人収容

内装は木目調と石張りのコントラスト

「内装には、木目調を基本に旧クラブハウスのイメージを継承しつつ、石張りとのコントラストを出すようにしました。また、構造的には当クラブの豊岡コースが近代的な平屋造りのため、笹井コースの特色を強調する意味もあり、山小屋風の2階建てにしました」(金子氏)

もちろん機能面でも、耐震性だけはでなく断熱性能の高い複層ガラスの採用や、高齢のゴルファーにも使いやすいようにエレベーター、多目的トイレ、手すりを設置した。

さらに、喫煙室を1階と2階に設けるなどの配慮もある。加えて、女性浴室には、個室シャワー、パウダールーム、および専用ラウンジを設けている。

画像: 女性用浴室

女性用浴室

画像: 女性用脱衣室

女性用脱衣室

画像: 個室シャワーブース

個室シャワーブース

画像: 女性用談話室

女性用談話室

メンバーシップとしての格式と、使い勝手の両立を実現したクラブハウスである。

画像: 男性用浴室

男性用浴室

武蔵カントリークラブ笹井コース
所在地:埼玉県狭山市笹井
開場:昭和34年11月
ハウス設計者:(株)山下設計
ハウス施工:大成建設(株)
構造:鉄骨造、一部コンクリート造
コース設計:井上誠一
公式ホームページ

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