【解説】今野一哉プロ
千葉出身。ツアー挑戦後、アマチュアレッスンに専念。ギアにも精通。ボウタイスタイルがトレードマーク。36歳
「ヘッド軌道」「入射角」「フェースの向き」が見える、ACUストライク ゴルフ
ひとつめの「ACUストライク ゴルフ」の機能説明から。絨毯風のマットは、ヘッドがこすった部分だけ色が変わる仕組み。ショットのターフ跡と同じ原理だ。「日本のコースでフェアウェイに使用される芝生の多くは高麗芝や野芝です。ショット後のターフは粉々になってしまい、ターフ跡も不鮮明になりがち。それを見てヘッドの抜けた方向を判断するのは難しいのです。でも、このACUストライクはヘッドがこすった部分だけ色が変わって、かなり鮮明に残ります。それを見て振り抜き方向を意識して練習するのは、現実的で合理的と言えます」と今野プロ。では、どんなターフ跡を目指すべきか、確認していこう。
今野 ゴルフの球筋は大きく9種類に分かれます。その9つをターフ跡で説明していきましょう。まずはインサイドアウトのヘッド軌道から。
今野 次にアウトサイドインのヘッド軌道。下半身が使えてない人に多いパターンです。
今野 最後の3つがスクェアなヘッド軌道。ドロー、ストレート、フェードの3つに分かれますが、この軌道を目指したいですね。
ここまでくると、実際に自分が振ったら、どんな跡が付くのか知りたくなってくる。今野プロは、このアイテムをこのように評価する。「ドローやフェードを打つには、頭の中でどういう『振り抜き=ターフ跡」が必要なのか、その『イメージ』をはっきり持つこと。そして、それを再現しようとスウィングすることが大事です」と続けた。
今野 球筋だけではなく、スピン量のコントロールも、このマットで身に付けることもできるんです。ボールの少し手前からヘッドが接地するとスピン量は少なくなり、ボールの先から接地するほどスピン量は多くなります。そういった違いも意識してみましょう。たとえば、ソール幅の広いディスタンス系アイアンは入射角を浅く、ボールの少し手前から払うように打つほど、スピン量が減って、アイアンの性能を引き出すことができます。つまり、飛距離が伸びます。逆に、ボールの先からターフ跡が付くように打てると、スピン量は多くなります。上からボールをつぶし気味に振り抜いた証拠です。上級者やプロがボールを止めたい時に使う技です。
今野 自分の「ヘッド軌道」と「ヘッド入射角」がわかり、「フェースの向き」も推察できるのが「ACUストライク」です。いかがでしょうか。
「打点が見える」インパクトプルーバー
次に今野プロが登場させたのが「インパクトインプルーバー」。アイアンのフェース面にワンタッチ装着し、赤いフェルトのボールを打つ。すると、ボールがフェース面上に残って、インパクトの打点位置を教えてくれるという仕掛け。今野プロが使用例を実演した。
今野 これは説明するまでもないですね。私が何故これを取り上げたかというと、トウ寄り打点にズレているアマチュアがとても多いと(普段レッスンをしていて)感じるからです。ダウンスウィングで体と手元が浮いてトウダウンしながらインパクトを迎え、結果、トウ寄りに当たる人が多いのです。ヘッドをこねれば大フック、開いたまま当たればプッシュアウトです。この器具を使うと、普段自分がどこで打っているのか確認できるので、こういった典型的なミスを減らしていくことができます。続けて使うことで、自分の打点位置のクセも如実に把握できるでしょう。
2つの器具を同時使用すると、自分のインパクトが「完全可視化」できる
今野 さて、ここからが本題です。私がお薦めするのは、前半の「ACUストライク ゴルフ」と「インパクトインプルーバー」の合わせ業。マットの上にフェルトボールを置き、実際に打ってみる。ヘッド軌道と入射角、フェース向き(ターフ跡の形/先述)、さらに打点位置まで一気にチェックできます。世界のトッププレーヤーは、トラックマンなどの弾道解析器で「インパクトを可視化」してスウィングを調整する世の中です。一般のゴルファーだって、この2つを同時使用すれば、「インパクトを可視化」できるのです。「超アナログなトラックマン装置」と言いたいですね。見た目は玩具テイストですが、これはあなどれないですよ!